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D・H  作者: ララ
21/137

「同盟」

ウミはしばらく黙ってた。


やっと口を開いたときにはもう1時間くらい経過してた。



「さて…はじめようか…」




「うん…」



話が飛びすぎて何がなんだかわからないかもしれないけど「はじめようか」っていうのはつまり…最初に言っていた僕が人の心を盗る練習なんだ。


女の子のことがあってからだから、なんかやりにくいな…。




僕らは人がいっぱいいるところに移動した。




「あの子…。あの子の心盗ってよ」



「うん…」



ターゲットにされたのは子どもだった。



男の子だ。



手に風船をもってお父さんと手を繋いで…



すごく楽しそうで幸せそうだった。



僕が心をとるまでは。




「ど…どうやるんだっけ?」


僕が不安気にウミの方をみる。



「さあ…精神を集中させて…。あの子の方に手をだして…。心をとろうって思うんだ」



僕は前に手をだす。


男の子をよくみて…



心をとろうと心の底からおもう…。



ああ…これだ…。



僕の心をとった黒い煙のようなものが今僕の手からでている…。



男の子に向かってしゅるしゅるとその煙は伸びていく。



あ…男の子をつつんだ…。



僕は今男の子と向き合った状態にいて…



男の子の目をみることができた。



目から光が消えていっている。



風船が手から離れた。



空へ空へ高く高く上っていく風船。



男の子はそれを見ようともしない。



お父さんが心配そうに男の子を見る。



「どうしたんだ?」



男の子は答えない。



愛しい家族への感情さえも男の子はもう覚えてないんだ。



風船はみえなくなった。



男の子の心も…。



ああ・・・僕の中にまた闇が生まれる。


人の心をとるのはなんだか気持ちいい…。


ゲームをクリアしたときみたいな…。



少し切ない。



儚くて…花火みたい。



ウミをみた。



ウミは微笑む。


「そう…上出来だ」



僕も笑う。




それはそれはゆがんだ笑顔で…。



ああ…これで僕らは完璧に共犯者だ。







人の心とはなんと矛盾したものなのだろう。



愛おしいと思ったり憎らしいと思ったり…。



これだから「感情」は困る。




何日かぶりに更新しました☆

ここまで読んでくださりありがとうございますww

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