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D・H  作者: ララ
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「友達」

「ねぇ。 いつ世界を滅ぼすの?」


ずっと海をながめているのに飽きた僕はずっと海をながめていても一向に飽きる気配のないウミに尋ねた。


「ん? ・・・そうだね・・。 どうしよう?」



どうしようって・・・;


本当に世界を滅ぼす気があるのか僕は疑ってしまった。



僕が無言でいるとウミが口を開いた。



「どこから盗ってく? 心」



「え? 一気にとるんじゃないの?」


僕の想像ではこう・・映画みたいに一気にいくかと思ってたけどどうやら違うみたいだ。




「馬鹿だなぁ・・・。 一気にとったら僕等が力尽きて死んじゃうよ・・」



「馬鹿って・・・;」


だってだって仕方ないじゃないか。


僕そんな力の使い方知らないし。


不平を口に出さない代わりに僕はむくれた。



「怒った?」


怒った?なーんてきくわりにウミは笑顔だ。



・・・その余裕そうなとこがなんか腹立つ〜!



「じゃあ練習いこうか!」



「え・・?」



「練習しなきゃ滅ぼすにも滅ぼせないだろ?」


「ああ・・。 まぁ・・」


「気がすすないみたいだね・・」


「そんなことないよ!」


きがす進まないっていうわけでもないんだけど・・。



なんか・・・。



「・・・もう1回世界を見るのが怖い?」



「・・・」


そのとおり。


僕は怖かった。


僕が拒否した世界をもう1度みるのが。


世界がなんだか汚いもののように思える。




でも本当に汚かったのは誰だったのだろうね?







結局練習場所はオーストラリアになった。


なんでかは・・・知らない。


けどウミの趣味だろう。


オーストラリアに僕はいったことがない。


世界が嫌だなんていった僕だけどオーストラリアを少し見たい気がする。



「オーストラリアは初めてかい?」


ウミがこちらを振り返る。


「うん・・」


「楽しみ?」


「・・・」


どうしてこう・・・ウミは人の心を読んじゃうんだろ。

そんなに僕ってわかりやすいかな?



「隠さなくていいよ」


ウミが寂しそうに笑う。


「それとも悠里はまだ僕に心ひらいてないわけ?」



「そんなんじゃないよ・・」


これは本当だ。

不思議にも僕はもうウミと友達のような気がしてる。



「ただ・・・。 矛盾してるから」


「・・・? 何が?」


僕のわけのわからない言葉にウミが首を傾ける。



「その・・・世界を滅ぼしたいっていってる僕が世界をみたいだなんて・・」



「・・今から悠里が見ようとしてるのは新しい世界なんだよ」



「新しい世界?」



「そう・・。 悠里が滅ぼしたい世界は世界の・・地球のほんの1部。 日本の君のまわりの環境だけ。 それが君の世界。 だからオーストラリアは新天地なんだよ」



「・・・」


僕は驚いて何もいえなくなった。


だってまさかそういう考え方があるんだ。


僕の世界はそうだ。


確かに僕の周りの1部の世界だった・・・。


それだけ。


宇宙の中の地球の中の日本っていう小さな国のほんの1部。



それが僕の世界。




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