「始まり」
ウミはしばらく海を眺めていた。
なんのためにここにきたのか・・。
綺麗な場所をみたかったのか?
そうこうしてるうちに僕はおなかがすいてきた。
「あ〜・・・。 なんか・・腹減った・・」
ウミに遠まわしに食べ物がほしいと訴えてみた。
「あぁ・・・。 そーいや僕もすいてきたな・・」
ウミが同意してくれたので少し安心した。
「なんかないの?」
「この島には食べ物があるはず・・。 果物とか・・・。 一緒に探しにいくかい? 悠里」
「もちろん!」
少し森の中に入ると確かに果物はあった。
僕らはそれをたべながらのんびりしていた。
この機会に・・・とウミにきいてみることにした。
ウミはいったい何者かを・・・。
「ウミ・・・。 僕聞きたいことがあるんだけど・・。 答えてくれる?」
「何?」
ウミがこちらをみる。
少し真剣な顔で。
ぼくはもっと真剣な顔。
「君は一体何なの? あの時僕に何をしたの?」
素直に聞きたかったことをきいてみる。
ゴクリ。
唾を飲む。
ききたいけど少し怖かった。
ウミが普通の人間ではないことがわかってたから。
・・・勘だけど。
「僕は・・君ら人間とほとんど同じ。 でも違う世界から来た」
「違う世界?」
「そう。 知ってる? この世にはね、たくさんの世界があるんだ。 パラレルワールドとかいうやつ。 僕はここの・・地球の、人間の世界と良く似た世界から来た。 ここの裏の世界ってとこかな? 僕等が人間と違うとこは僕らの世界の人間は皆能力が使える。 人それぞれだけど」
「例えばどんな能力??」
「空とんだり・・・人を一瞬で消せるくらいの力をもってたり・・・様々だよ」
「そんな危険な人もいるの!? 危なくない??」
僕はびっくりした。まさかそんな世界があるなんて!
でも嘘だとは思わなかった。
だって僕はその不思議な力を体験したのだから。