前日
いよいよ最後の日。
明日世界が滅びるかもしれない。
最後の日になるかもしれない。
だけどきっと俺らなら大丈夫。
ちゃんと世界を守れる。
そんな不安と希望を覚えた今日。
俺(拓斗)らは特訓する気にはあんまりなれなかった。
最後の日はなんとなく静かにすごしたかったんだ。
だから俺らはみんなで浜辺に座ってぼ〜っとしていた。
「あ〜ぁ…。いよいよ明日だね〜」
悠太君がポツリとつぶやいた。
「うん…」
みんな一斉に頷く。
「なーんか特訓する気にもなんねーな!」
焔がニヒっと笑う。
「ゆっくりしてたい感じ」
怜が頷きながら答える。
「そうね〜…」
リンも頷いた。
「今さら何したって無駄だもんね」
お、アリスらしからぬ発言。
「そうだね。勝負は運もあるしね」
ウミが答える。
「うん…」
俺が頷きまた沈黙が流れた。
「もしさー、ってか絶対だけど、世界を守ったらまず何する?」
悠太君が突然聞いてきた。
「俺はぁ、母さん探す!そんでもって俺の世界を変えるんだ!!」
焔が叫ぶように答えた。
「世界を?」
みんながいっせいに聞いた。
「そ。世界を」
「どうやって?」
ウミがきく。
「どうやって…理想はこの拓斗達の世界なんだけど…。みんなに呼びかけたりする!この世界をみせたり。いっぱい友達を作って人と人とのかかわりを増やさせる!!!」
簡単にできることではないだろうと思ったけど、焔らしいや!
「なら俺はそれを手伝うよ」
怜がにっこり笑った。
「あたしも手伝う!」
アリスが嬉しそうに言った。
「僕も手伝ってやるか…」
ウミはえらそうだ。
「何だよその言い方〜〜〜!ウミのばーか!」
焔がふくれてみせる。
みんな笑った。
焔のこの願いはむこうの世界の多分みんなが願ってること。
願いそうで願わない願い。
この世界を救えたら…もし明日世界が滅びるとしたら君はどうする?