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D・H  作者: ララ
124/137

二日前

「そうだったね…」



狂った魔術師が心底同情してるような顔をした。




「なんで…そんな顔するの?僕をこうしたのはアンタなのに…」




なんか悲しくなってきた。





「うん…」




狂った魔術師はただ一言いって微笑み頷いた。




「ねぇ話してよ。なんでそんな寂しそうなのか…。今までのアンタは何考えてるかわかんないようなかんじで…ちっとも心があるようには見えなかった。でも今は違う。心があふれてる。人間そのものだ。アンタをそうしたものは一体何?」




一言一言丁寧に言葉を発した。





「私の弟」




ポツリポツリと狂った魔術師は話しはじめた。



「弟みたでしょ?私久しぶりにみた。もう何十年ぶりだろう。はじめはなんとも思わなかった。だけど…世界を滅ぼす日が近づくにつれて…弟を…壊したくないって思ってる」




それって変。














「変だ!恨まないなんておかしいよ!」



僕は怒鳴った…というより叫んだ。




狂った魔術師は頷いた。




「変だよね」




「変だよ…」




それとも変なのは僕なの?



嫌だ。



頭が混乱する。





「私は変なんだね。やっぱ。考えたくないのに考えてしまう。弟のこと。もう考えたくない」





僕は気付いた。



そうか。そうだったんだ。




「僕の世界は滅ぼしても、アンタの憎い世界を滅ぼそうとしないのは…弟に逃げ場所をつくるためだったんだね」




「…」



狂った魔術師は黙り込んだ。




それからしばらくして答えた。




「そうかもね…。でももう関係ない。私は生きることも考えることも疲れた。悠里、お願いきいて。悠里の存在理由の一つが私のそばにいることならばこの願い叶えてくれるよね?」




「何?」



メいっぱい優しく聞いた。




「私と世界と一緒に死んで?」




「…わかってるよ」




わかってるさ。



僕は狂った魔術師と運命を共にするんだ。




僕にとって大事なのは狂った魔術師と世界の存在しかないんだから。




皆のとこに戻ると真っ先に「おかえり」って俺(焔)に言ったのは拓斗だった。



気になってんだろな。



拓斗の母さんのこと。



俺の目は少し赤かったけど、誰もそのことについて何も言わなかった。




「ただいま!」




俺はめいっぱい笑った。





「母さん…どうだった?」




さりげなく拓斗が俺にきく。




どうだった?っていうのはきっと元気だったかとかそういう意味だと思う。





「おう!俺が安心させてきたからバッチリ!!」




ちょっとオーバーだけどそういっておいた方が拓斗も安心するだろ。




うん。





「そっか…」




拓斗が少しホッとした顔した。




そして一言俺にいった。




「ありがとな」




それをきいたらなんだか慣れてない言葉だったから照れくさくなっちゃって赤くなっちゃった。



それから顔も少し緩んだ。



なんて反応したらいいか一瞬わからなくなる。




でも嬉しい。




それから皆でお昼を食べた。




楽しかった。



なんか雰囲気がこう…穏やかなかんじで。




俺は思った。




こいつらと戦って死ぬんならそれでも良いって。




俺にもそんな大事な仲間がたくさんできたことがすごく嬉しかった。




だけど俺がそう思ってること絶対皆には言わない。




嗚呼でも…世界を守れたその時は…



いってもいいかも。



この言葉。


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