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D・H  作者: ララ
112/137

3日前

夜が来た。



夜が来ると気分が暗くなる。



わからない明日を考えると憂鬱だ。



俺(拓斗)は夜が好きじゃない。



特に今日は…。



マイナス思考だけど今日はもしかしたら母さんと…会えるの最後かもしれないだろ?



父さんとは会えなかったな…。



だけど電話しておこうと思う。



会いたいな…。



明日会いに行こうかな?



…でも無理だ。



父さんは沖縄。



金もないしな…。



単身赴任かー。



仕事おわるの何時だろ?



今は7時だ。



もう終わったかな?



休憩時間かも。



なら今かけてみようかな…。



その時リビングでテレビをみながら考え事をしてる俺を母さんがキッチンから顔をだして呼ぶ。




「ご飯できたよー」




「はぁい!!」



どうしよ。



ご飯食べる前に電話しておこうかな?



よし!



そうしよ!




「母さんちょっと待っててくれない?父さんに電話したいんだ」




「珍しいわね?」



「ちょっとね…」



俺は電話をもって部屋に行った。




ドアをしめてから電話番号を確認して慎重に一つ一つ番号を押していく。




コールが鳴る。







1…






2…






3…









「もしもし?」




父さんが出た。



なんでか涙がじわ〜ってでてきて…。



普段なら思わないのに、懐かしいなんて思っちゃってる。



父さんと最後にあったのは2ヶ月前だっけ?





「もしもーし!」



あ、早くしゃべんなきゃきられちゃう!



震える声をなんとかおさえて俺は声を絞り出した。



「もしもし…」




「ん?拓斗か?」



父さんすぐ俺だって分かってくれた…。




「うん…そう」




「おー!どうした?」



嬉しそうな父さんの声。



「うん…なんか電話したくてさ」




『なんか』っていったけどさ、本当は理由があるんだよ?



父さんの声聞いときたかったんだ。




「へー。なんかあったのか?」



父さんの声は少し弾んでて嬉しそうだった。




「別になにも。父さん嬉しそうだね」



嬉しそうだったからいってみた。



「ん?そりゃそーさ!愛息子からの電話だからなー。お前も母さんも全然電話してくれないんだから」



父さん…。



嬉しいっていってもらえて嬉しいよ。



俺のほうが嬉しいよ!



そういってもらえて。



父さん…



父さん…!



なんで俺今まで父さんに全然電話しなかったのかな?



いつでも会えるって思ってらから?



でもそんなの違うんだね。



いつあえなくなるなんてわかんないんだ。



それは世界が滅びるとかそういう事なしで日常的にありえることなんだ。



だから俺らは一瞬一瞬を大切にしなきゃならなかったんだね。



だけどなんで俺は大事にしなかった?



今までなんで?



毎日があることを当たり前だと思ってた。



一生なんかどのくらいが一生かわからないのに。






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