3日前
「クリスマスにサンタさんがくる。牧師様が教えてくださったのよね。アレックスはずっとはしゃいでた。でも私ははしゃげなかった」
「そう。あの時俺ははしゃいでた。でもリンははしゃいでなかったよなー!」
そうはしゃげなかったのよ。
だって…
「私はこっちの世界の人間じゃないからサンタさんなんか来てくれないと思ってたのよ」
「でもきてくれた!」
アレックスはにっこり悪戯っぽく笑った。
「ええ…三人もね」
そう私が言うとアレックスは少し不思議そうな顔をした。
「三人?二人じゃなかった?じいちゃんと牧師様」
「うんん。三人よ。アレックスをあわせたら三人」
アレックスをみるとアレックスは一瞬戸惑った後照れたように笑った。
「そっか…」
やっぱり変わらないわ。
アレックスは。
「あの日クリスマスにしょげてた私にアレックスが言ってくれた。『サンタさんがこなくたって僕がサンタさんになってあげるから元気出せよ』って」
あの日のことは私一生忘れない。
「そうそう。で、俺が聞いたんだ。『何が欲しい?』ってね」
「そうしたら私は答えた。『名前』って」
「うん。リンにはあの時ちゃんとした名前なかったよね。呼び名は『グリーン』だった。髪の毛の色が碧だったから」
そうそう。
私がそう呼べっていったんだっけね…。
「私本当は名前がほしかったのよねー」
「だから俺が名づけた。責任重大だったよ」
アレックスあの時考えこんでたものね。
「由来は鈴の音。クリスマスの飾りに鈴があってその音が綺麗だってすごく気に入ってたからリンにしたんだ」
アレックスは私の方をみるとにっこり微笑んだ。
私も微笑み返す。
まるで昔に戻ったみたい。
「そういえば、リンはどうして今日ここにきたの?何年もたってるのに…。嬉しいんだけどさー」
アレックスが不思議そうな顔をした。
理由は…言えない。
だって…世界が滅びるなんていえるわけない。
「たまたま…この場所を今日見つけることができたの」
だから嘘をついた。
「そっかー…。リンさー、またここに住んじゃえば?」
「アレックス…」
私はすぐに断れなかった。
あまりにも嬉しくて勿体無くて…。
だけど断るしかない。
「ごめんなさい…無理なの」
アレックスがすごく残念な顔をした。
「そっか…」
そんな顔されると少し期待してしまう。
一瞬だけ。
だってありえないもの。
「俺さー…リンがきてからリンのこと家族みたいに思ってたんだ。勝手だよな」
アレックスはそう寂しそうに笑いながら言った。
「そんなことない…。私もそう思ってた」
嬉しかった。
家族って思ってもらえて。
それって大事な存在じゃない?
私がアレックスを思う気持ちとは別だけど…それでも嬉しかったのよ。
「もういかなきゃ」
私の決心は固まった。
「え?もう?もうちょっといたらいいのに…」
アレックスが私をひきとめようとする。
だけどもう迷わない。
やるべきことがある。
「駄目なの。私は救世主にならなきゃいけないのよ」
そういって私は笑った。
アレックスは「?」という顔をしている。
「それじゃあまたね」
すっと風と一緒に私はアレックスの前から消えた。
「リン…!」
最後にアレックスが私を呼ぶ声がきこえた。
ありがとう。
アレックス。
私改めて決心した。
私は必ずこの世界を…あなたや牧師様を守る!!
だって私はこの世界が好きなんだもの。
むこうの世界とは違う光ある世界。
あたたかいって思った。
ねえアレックス。
私が世界を救ってまたあなたのとこへ来たらまた誘ってくれるかしら?
一緒に暮らそうって。
この想いが通じなくてもいいから私あなたのそばにいたいのよ。
気持ち悪いって思わないでね?
そんなこと思うわけないか…。
嗚呼…あなたに会っておいて良かった。
アレックス
あなたが世界で一番一番一番好き。
あなたのいるこの場所がとてもとても愛おしい。
そんな世界を守るためなら…
私は命だってかけれるのよ。
リンの過去まで執筆終了☆中々更新うまくできないです;;いつもみてくれている方、そうでない方もここまで読んでくださり本当にありがとうございます^^
感想などいただけたら嬉しいです。
また私のHPでキャラ投票をしてますので是非ご協力ください☆
作者紹介ページのHOMEからいけます^^