3日前
1時間ほど話した後私とアレックスは思い出の場所をめぐった。
森や川原…学校とかね。
そしてアレックスの家。
「懐かしいな〜」
私がポツリというとアレックスは少しむくれた顔で「だってリンがこなかったから」っていった。
場所がわからなかったって言ったけど本当は半分嘘。
本当はね、怖かったの。
こっちの世界にくるのもあなたに会うのも。
初めは本当に場所がわからなかった。
でも大きくなってから自由にワープできるようになって…探そうと思えば探せたのかもしれない。
だけどこっちの世界に干渉するのが怖かったし(だって仕組みとか全然わからないんですもの)あなたに会って忘れられてるのも嫌だったから。
アレックスは私のことなんかそういう意味では好きじゃないだろうから私の気持ちはわかんないと思う。
私はきっとあなたに会えたときあなたの倍の倍くらいは喜んだと思うわ。
まぁ…そんなこと伝える気もないんだけどね。
気持ちがられるって…そういう不安が少しはある。
けどアレックスはそういう人じゃないっていうことも知ってる。
だけどアレックスが私を恋愛対象として好きではないことも私は知ってるのよ。
「懐かしいな〜!ここでよく練習したよな〜」
そういってアレックスが歩いていったところはアレックスの家の庭。
大きな木が一本隅っこに生えてるの。
その前で練習してたものね〜。
「本当…。懐かしい…」
「結局リン3ヶ月くらいここいたよな〜!!英語もうまくなったし!」
そうそう。
ここにこなきゃ英語こんなに上達しなかったわ。
「アレックスも日本語いくつか覚えたじゃない」
「鈴とかね」
「そうそう…」
実はアレックスは私の名付け親。
リンって名前は鈴の音からきてるの。
「あれはさー…確かクリスマスだったよなー」
そういってアレックスは木の上のほうをみた。
日の光が木々の間からもれてきて少しまぶしい。
この木がこんな青々と葉をつけているのははじめてみたわ…。
そうクリスマス。
私がきたのはクリスマスの1ヶ月前くらいだったもの。