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D・H  作者: ララ
11/137

「闇」

「悠里!?」




拓斗の姿がみえた。




こっちへくる。




「こんなとこにいたのかよ? よかった・・。 おばさんたちめっちゃ心配してんぞ! 帰ろう?」





拓斗。



名前はわかる。



けど拓斗への感情は忘れてしまった。





「悠里?もしかして・・・やっぱ怒ってる?; 今日のこと・・・。 ごめんな? 俺もちょっとイライラしてて・・・」




「何も感じない」



「は?」



拓斗にはわけがわからなかった。



まず悠里の隣にいる銀髪の少年は誰なのか?



何も感じないって何?



なんか・・・・悠里の何かが変わった気がするのは気のせい?





「あきらめなよ。 拓斗君?」




銀髪少年が拓斗にむかって口をひらいた。




「え・・・?」



拓斗はきょとんとしている。




「もう悠里は悠里じゃないんだから。 前の悠里とは同じようで別人なんだ」




「何いって・・・?」




「その通りだよ。 拓斗。 僕はもう昔のままじゃない。 僕にはわかる。 僕は僕じゃなくなってしまった。 世界を滅ぼさなきゃ。 僕はもう君を見ても怒りも何も感じないんだ・・」




悠里が冷ややかな顔をして俺(拓斗)をみている。




「おい・・! どういうことだよ!? わけわかんねーよ! お前・・! 銀髪・・! お前誰だよ? 悠里に何した!?」




「暗示みたいなものをかけただけだよ。 悠里の心の闇の部分を増徴させただけ」




「は!?」





何漫画みたいなこといってんだ?こいつ。



格好もかわってるし・・。



コイツなんか危ない。





「悠里! いくぞ!」




俺は悠里の手をとって家につれて帰ろうとした。



なのに悠里は俺の手を振り切った。



思い切り。




「悠里・・・?」





「僕は帰らないよ。 もう帰るひつようもない。 僕は自由なんだ」




何をいっているのかわからない。





「満たされてる?」




銀髪もわけわかんないこときいてる・・・。





「うん・・・。 でもなんか・・心が寒いっていうか空しいっていうか・・。 そうなんだ」



「すぐに慣れるさ」




ああ。もう何がなんだかわからない。




悠里は別の世界にいっちゃった。




なんかそんなかんじがした。




「じゃあそろそろいこうか」



銀髪が悠里に手をさしだした。



「どこへ?」



「世界を滅ぼすのに邪魔がはいらないとこへ」



悠里がニコっと笑ってうなずくと銀髪は悠里の手をつかんだ。




そして消えた。




手品みたいに。




俺の前からきえてしまった。



何がなんだかわかんなくて



俺はただ呆然としていた。



けど冷静だった。



悠里は行ってしまった。



手の届かない世界へ。



闇の中へと。



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