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D・H  作者: ララ
103/137

3日前

「狂った魔術師と…悠里だ!!」



そうウミが言い終わるか終わらないかのところで狂った魔術師と悠里がふっと空中に現れ地上に降り立った。



位置的には俺らの後ろ。



「おひさしぶり。皆さん」




狂った魔術師が頭に被っていた帽子をとって俺らに一例する。




悠太君たちが俺らのとこに駆け寄った。




悠里…!!




やっと会えた!!!!!!!!!!




隣でアリスがハッとした顔をしていたけどその時はあまり気にしなかった。





「悠里!!!」




「兄ちゃん!!!」



俺と悠太君は悠里のとこに駆け寄った。



狂った魔術師は何も手出ししなかった。



もしかして悠里を連れてきてくれたとか?



そんな期待を胸に悠里の前に立つ。








悠里はピクリとも動かない。



というか笑わない。



「悠里?」



「兄ちゃん?」



俺らのことわかんないんじゃないだろうな…?




「拓斗と悠太か」



悠里が俺らの名前をいった!!



わかってんじゃん!!



でも様子がおかしい。



そういえばウミは悠里に駆け寄ってない。



後ろをむいてウミをみるとウミの顔はものすごく怒っていた。



悠太君はもう半泣きだ。




「兄ちゃん?なんか変だよ?」



「何が?」



冷たく悠里が言い放つ。



あ…。



これって…!!!




「ウミ!!」



答えを求めるように俺はウミの名前を呼びウミをみた。




ウミは頷き予想通りの言葉を口にした。





「あぁ…。悠里の心がとられてる。世界に対する心が完全にとられてる」




悠太君はばっとウミをみた。



そして悠里をみると少し後ずさりした。



「そんな…」




どうしたらいいかわからずに俺と悠太君はただただ悠里の前に突っ立ってた。




そんな俺らをみて狂った魔術師は愉快そうに笑った。




「ははっ!感動の再開だね!」



怜をみたら青ざめて震えていた。



多分罪悪感を感じてるんだろう。



狂った魔術師を狂わせたのは自分だと。




「今日はお知らせにきたんだ」



狂った魔術師は帽子をくるくると指にかけまわした。



「お知らせ?」



アリスが軽く狂った魔術師を睨みながらきく。




「そう。お知らせ。私と悠里はあと3日で世界を滅ぼします」




そういうと狂った魔術師は愉快そうに笑った。



「なっ…!!悠里!!嘘だろ?こっちこいよ!!」



嘘なんかじゃないことはわかってたのに口からはつい悠里を取り戻したい俺の叫びがでた。



悠里…悠里…!!



こんなに近くにいるのに!!!




「なんでそっちに行かなきゃならないの?」



悠里の反応は相変わらず冷たかった。




「そっちにいったら世界を滅ぼせなくなっちゃうよ?」



狂った魔術師がそっと悠里に耳打ちする。



その時だけ悠里は反応した。



その世界を滅ぼすという言葉にだけ。




「じゃあそっちにいかない」



悠里はきっぱりいうとそのままあらぬ方向を向いて前髪をいじり始めた。



もう大分のびてる。



そりゃそうか…。



悠里が消えた日から1ヶ月以上たってる。




そう思うとなんか泣けてきた。



悠里と会えた喜びと悠里を連れ戻せない悔しさが俺の中で渦巻いてどうしようもないくらいに暴れてる。



複雑な感情。






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