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D・H  作者: ララ
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皆と皆の気持ちと決意と

良い具合に悠里の心は闇で染まった。



これで術をかけやすくなる。



そう今度は私(狂った魔術師)が悠里の心を完全にとる。



ずっとずっと強くなれるよ?



悠里。




悠里は良い子だ。



こんな子に初めてあった。



私は実の家族に裏切られた。



母は死んだ。



私のせいで。



今考えれば悪いのは私じゃない。



あの後私は狂ったように気に入らない奴を殺してきた。



だけど弟だけは殺せなかった。



恨んでるはずなのにね…。



きっと恨みきれないんだと思う。



私は生まれてから殺し以外の楽しみを知らなかった。



けど悠里は私に楽しみを与えてくれた。



私は悠里を裏切らないっていった言葉は本当だよ?



それから悠里が好きっていうのも…。



これが愛って言うのかな?



だったらねぇ悠里…愛してるよ?



悠里にももう私しかいないはず。



だって私が陥れたんだもん。



ね?



だからお願い。








私と愛しい世界と一緒に心中して?




落胆している僕(悠里)の横に狂った魔術師はきた。



寂しそうに笑ってる。





手を僕にかざした…。




え…?




それって…魔術をかけるの?




なんで?




なんの?




狂った魔術師の手から黒い煙がでてきた。



何度も何度もみたことのある黒い煙。



心をとる毒の煙。魔の煙。



嗚呼…僕の心をとるんだね?



やっぱり僕を裏切るんだ。



僕は独りなんだ。



涙が出てきた。



ぽろぽろぽろぽろ。



僕にとって世界が不必要なんじゃない。



世界にとって僕が不必要だったんだ。



だってそうだろ?



僕はこんなにも愛されてない。



必要とされてない。



僕は独り。



どうして心をとるんだろう?



そのほうがやりやすいから?



こんなとこだけ必要とされてんのかな?



世界を滅ぼす兵器として必要とされてる?



ああ…もういいや。



もう。



なんだっていいよ。



みんなみんな僕を裏切るんだから。



心がわからなくなってく…



薄らぐ意識の中で狂った魔術師の声が聞こえた。




「本当に悠里を愛してるんだよ」




その声は迷いのない声。



その顔は真剣な顔。



うそつき




っていいたかったのに。



口から出てきた最後の言葉は




「うん」




だった。




なんで信じちゃったの?




最後にまた涙を流して今までの僕は消えた。






目覚めると洞窟の中のベッドの上に寝ていた。



「おはよう」



と狂った魔術師が言う。



そう。



こいつの名前もいる場所も僕(悠里)は理解できる。




今まであったこともなんとなく思い出せるけど実感が全くない。




ただ一つだけ。




前の僕との共通点。




それは世界を滅ぼすこと!!



とにかくそれをしなくてはならない。



「悠里?世界に対する心を全部とられた感覚はどう?心自体を全部とったわけじゃないから多少心もあるし受け答えもできるはずだけど?」




「…何も感じないよ」



僕の言葉に狂った魔術師は満足したようでにっこり笑った。




「そう。はじめましてだね。新しい悠里。さぁやるべきことはわかっているかな?」



やるべきこと…。



知ってるさ。



それだけのために生きてるんだから。




「世界を滅ぼす!」



そう。



そのために生きてるんだから。




「はい。よくできました」




狂った魔術師は再び満足そうに笑った。





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