0.自分の色
人より逆上がりが早くできた。
人より計算や文字書きが早くできた。
だから人より自分は優れていると思った。
「自分だけの色」という言葉が輝いて見えた。
この一つのことならだれにも負けないということがなかったからだ。
スポーツでも勉強でも、私の周りには格上がいた。
だから私は心理戦で人の上に立とうとした。
小学4年生の夏。私は一人の動画配信者に釘付けだった。
もともと何もできなかったやさぐれものが愛する人を守りたいという一心でどんどん強くなっていく過程を描いたアニメのようなものを挙げている人だった。誰かのために努力をするということをやったことがなかった私は強いあこがれをもっていた。数珠つなぎのように進化していく主人公を見て人を愛せば自分も主人公になれると思い、半ば強引に恋人を作った。
だが私は主人公ではなく、悪役になった。
人の感情による団結力を甘く見ていたからだ。
恋人のことは最初の方は主人公になるための道具だとしか思っていなかったがだんだん恋愛感情に代わってきていた。逆に彼女の方は私のことをどんどん避けているように感じた。
小学四年生の恋なんて簡単に壊れるのは当たり前だ。
だが、団結力は凄まじいものだ。昨日まで味方だった友が私を避ける。
友人を道具に扱ったことに対する自己嫌悪で自分を避け始めた。
そこから私は自分の色が何色なのか分からなくなってきた。
あの日から一年経った。
皆の私に対する軽蔑の目は消え、普通に接してきている。
だが、私はまだ私を避けていた。
大衆の意見に合わせてばかりでそれに自分はがっかりだった。
もう皆に見放されたくない。その一心で頷いている私。
頷くごとに自分の色が失われる気がして、でも色が自分にあるかもわからなくて、不安と自己嫌悪で毎日疲れ果てていた。
太陽は今日も輝いていて、それに文句を言う人はいない。
人は絶対なものに抵抗しないのではないか。
なら、輝いてやろうぜ。私はペンを握った。
この物語は私が人生の中での何人かとの交流で◯◯◯の話だ。
この作品はノンフィクションです




