表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/12

Sと面倒な女~この国はクリーンな雰囲気ですけど、まだ闇ありますよ

俺は悩んだ。

もちろん下心はあったのだけど、

これでいいのか?

そう思った。

彼女は俺のパーカーと短パンをはいていた。

短パンの裾から、白い肌が見えた。

そしてそこに、蛇とムカデの刺青が見えた。


俺がそれに気が付くと、

彼女はふいにそれを隠した。


「ごめん。怖いよね。こんな女」

彼女はそう言った。

その目は今にも泣きそうだった。


「いや……、

別に怖くないよ。

俺サーファーだぜ。


嫌じゃなかったらむしろ見せてよ」


そういった。


彼女は、刺青を見せてくれた。


右ふとももに、蛇が絡みつき、あそこにむかって入ろうとしているような形。

左ふとももに、ムカデ、こちらもあそこにむかって入ろうとしているような形。

をしていた。


思わず顔が引きつりそうになる。これヤバイ筋かもしれない。


「しかしこれはなかなかハードな趣味だよね。こういうの好きなの?」


そう聞くと、


「私は好きじゃない。

痛いし。

気持ち悪いし、でも元彼に入れろって命令されたの」

彼女はそう言って怯えていた。


なんか様子がおかしい。入れ墨を強制する男っていったい……。


とりあえず冷静になろう。

めっちゃ良い子だし、なにか深い事情があるのかもしれない。

冷静になろう。


俺は冷蔵庫に行き、麦茶を飲む。

「ねぇ麦茶飲む?」

と彼女に聞く。

うなずくので、俺は彼女の分の麦茶も入れた。


「はい、どうぞ」


「ありがとう」


喉が渇いていたのか、彼女は一気に麦茶を飲んだ。


「もう一杯飲む?」

彼女はうなづく。じゃこっちおいでと冷蔵庫の前に連れていった。

ずいぶん喉が渇いているだろうから、飲みたいだけ、あげようと思ったからだ。


「ごめんね、気づいてあげれなくって」

そう言うと

「うぅうん、ありがとう」

そう言った。


よく見ると、ただ細いってわけじゃなくってやつれている感じがした。


いったい彼女になにがあったのか。


俺はなにをしてあげれるのだろうか。


「元彼とは別れたの?」

って聞くと、


「話すると殴られるから、別れるって手紙書いて逃げてきた」

とそういった。


殴られる。

入れ墨を強制するって……

彼氏のする事か?


俺はなにか無性に腹立たしい気分になってきた。


駄目だ。

冷静になろう。


「実家には帰れないの?」

そう聞くと、


「実家に帰ると、元彼に見つかるから」

と答えた。


実家に帰ると、元彼に見つかるって監視でもついているのか?


この元彼っていうの、かなりヤバイ筋だろうなぁ。


もしかして海にいたのって……


俺は

「もしかして海にいたのって……」

って聞くと、彼女はうなづいた。


俺はどうすればいいのか……。


このまま、やるだけやって、バイバイもできる。

彼女も助けて欲しいとまでは言わないだろう。

でもこのまま放置すると、彼女はどうなる?


性格の良い子だぞ。

俺……

ここでバイバイして、

後悔しないか?

なんかできる事ないか。


とりあえず情報収集しよう。


「あの元彼って何やってる人?」

と軽く聞いてみた。


「なんかよくわからない。でも電話で、よく『てめい、なにいってんのか、わかってんのか、このクソが!』とかよく怒鳴ってた」

と彼女


「他の人と少し違うなぁってところなかった?」

と俺……。


「うんとね、後輩とかをよくワインの瓶で殴ってた」

と彼女。


まじか……、

ちょっと怖いから、顔引きつりそうになってるんだけど、冷静を装おう。

ちょっとトイレにいって顔を動かそう。

少しほぐれた。


しかし、どうしよ。

とりあえずスマホで検索してみよかな。


あれ?なに、これ。


異世界転職相談所……


へぇ…そんなのがあるんだ。


俺も、いっそ異世界行きたいかもしれない。

これ絶対ヤバイ奴だもん。


どうしよ。

とりあえず、

ほっとくって手はないとして……

戦うもないよな……

逃げる……

どこ?異世界?

それは難しそうだし、

平和なのは、忘れる事だけど、

忘れるのは難しいだろうしな。


せめて彼女がかわいくなくって、性格も悪かったら、別にどうでもいいんだろうけど、

あれ?

俺やりたいだけじゃないんだ。

だってさ。

あの時、じゃあしようか?

で終わらせられたのに、そうしなかった。

これって、彼女に惚れたってこと?

この短時間で……

いやいやないって、

それは、

だめだって、

ややこしい女は、

でも彼女って元からややこしい女だったの?

ただ単にややこしい男に出会ってしまったって事なのでは?

でもさ。類は友を呼ぶっていうじゃんか。彼女もそう言うところあるんじゃね。

あれ……ちょっと待てよ。

それだったら、俺もややこしい男?

その元彼とあんまり違わないのかもな。

いやいや違うっしよ。

俺後輩をワインの瓶とかで殴らないもん。

うわ、どうしよ。元彼なんかで捕まって逮捕とかされないかな。


あぁ彼女どうしただろ。

あれ寝てる。

疲れたんだろうな。

毛布かけてあげよ。


寝顔がすごくキレイ。

うわ、なにこのかわいい生物。

めちゃくちゃキュンキュンくるやん。


しかし、なんかいい方法ないかな。


警察に相談?

なんか怖いしな。

弁護士に相談?

知り合いいないしな。

ちょい強目の友達もいるけど、頼るのもややこしいからな。

とりあえずかくまうか。

うちからは出られないけど、しばらくここで居候させる事はできるだろう。

でもなに言われるかな。

「そんな、彼女でもないのに……」

って言われるだろうな。


あっ起きた。

「あのな。どこもいくところないんやろ。しばらくここにいてもいいけど、母親がいるから、全然知らん子やったら、反対するのに決まってる。だから君さえ良ければ付き合ってるという事にする?」


と俺。


「うん。あなただったら私付き合ってもいいよ。優しいし、カッコいいし……」


と彼女。


「いや……。

付き合っているって形だけでもいいんだけど……」

と俺。


ドキドキしてきた。


「私のこと嫌い?」


と彼女。


「いや……どっちかと言うと……

タイプなんだけど、なんか、男らしくないってか……

そういうの……」


と俺。

あれなに言ってるんだろ。


彼女が顔を近づけてくる。


だめだ。至近距離で見るとかわいすぎる。


……


理性がバグって、そのまま、なし崩しに寝てしまった。


これがなれそめ、

笑えるだろ。

状況は笑えないのだけどな。

あぁマジでどうしよ。

彼女のこと、たぶんガチだし…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ