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スナックからの帰り~みんな大好き〇〇〇〇の真実って回ですよ

さて飯を食うか。

ワシはトラックを駐車場に停め、店に入る。


毎日この時間くらいにこの店にくる。まぁ会話とかするわけじゃないが、常連だ。


「牛丼大盛、卵、味噌汁」


ワシの晩飯はいつもコレ。

牛丼にたっぷりの紅しょうがを入れて、卵をかけて食う。


この時間帯は、仕事終わりのサラリーマンか、あとは同業者とかやな。

昔は営業とかもおったけど、最近は少なくなった気がする。

SEっぽいのとか多いな。


ワシはオーダーが来るまでの間、端末を見る。


ずいぶん長いこと使っているから、端末も横の方が傷だらけや。

ワシと同じやな。

擦り切れてな。

まぁええわ。


「今日の最後のターゲットは誰や……。

っとコイツか。

しけたツラしてやがる。

プロフィールは……

うわ。いつ見ても生々しいわ。

見んかったらよかった」


ワシはターゲットが来る時間、通る場所を確認する。


ナビはこうでとるけど、別のルートのほうが速いんちゃうん。

あ…でも、それで失敗したら、減俸やもんな。

やめとこ。どうせ数分しか節約できへんから。



「お待たせしました」

おっと牛丼が届いたな。


「ありがとうな」

ワシは会釈をする。



今日は朝に1件、昼に1件、そして深夜に1件のフル稼働だった。

いつもは注文が1件くらいだが、こんなに込み合う事も少ない。

今日はたまたま重なったんだろうな。


あぁしまった。つゆだくって注文するの忘れてた。


まぁええか。


あれつゆだくになってるやん。


おぉ兄ちゃん。ワシがつゆだくだって、覚えてくれてたんや。

いや、めっちゃウレシイな。

こういうのが顧客重視っていうんやろな。


ワシも見習わなあかんな。


しかしワシ、トラックの運転手で、ひく専門やねんけど、誰を重視したらいいんやろ。


ひく奴かな。痛くないように、ひいたらいいんかな。


ひくのに痛くないはないやろなぁ。

まっえっか……。


牛丼も残り少なくなってきたな。

最後はズルズルっと食うのが一番やな。

なんやろ、つゆだくの牛丼って、なんか出汁茶漬けみたいで好きやわ。


噛まんでいいのが最高や。

ホンマはよく噛むんがええんやけど、トラック運転手なんか、時間との勝負やから、飯はさっさと済ませんとな。


あと30分か……

ここから15分の距離やな。

もう行っとこ。


ワシはトラックを走らせる。

あれ……ここ右折専用なってるやん。

ヤバ、遅れるんちゃう。

あぁ大丈夫やった。

1本道間違えとっただけやったわ。


(ピンピンピン)

おっ、ここやな。センサーが反応したわ。

路肩に寄せて、アイドリング切って……


(あと5分30秒後にターゲットが到着します)


そうか……

こいつの命もあと5分か。

まだ若いのになぁ。


(あと4分後にターゲットが到着します)


今日……

深夜アニメなにやったやろ?

異世界教師やったかな。

あれ亡くなり方が特殊ルートやねんな。

トラックルートでエエのに。

あれ作者が特殊やからな。

ほんま怖いわ。

ガチやからな。


(あと3分後にターゲットが到着します)


あれ……

今日、朝コーヒー飲んだっけな。

なんか最近物忘れが激しなってきた。

昨日なんか自分の名前の漢字忘れてもうたからな。


(あと2分後にターゲットが到着します)


なんか、このカウントダウンは慣れへんわ。

なんなんやろな。

別に単なる仕事やのになぁ。

昔はもっとスパッとやって、キャバクラでも行こか!みたいな気分やったけど、あぁあれやな。本部が、ターゲットの情報を載せてくるようになったからやな。

あれな。

結構、評判悪いでワシら運転手に……


(あと1分後にターゲットが到着します。エンジンをかけスタンバイしてください)


よしあとは、イレギュラーチェックをして……


(イレギュラーはありません)


よし、もうそろそろやな。


(カウントします。5.4.3.2.1.スタート)


さて仕事の始まりだ。

よし行くぞ。


アクセルを全開

(どーん)

トラックに衝撃がかかる。

1.2.3.4.5.6.7.8.9.10......98.99...

トラックのモニターに

『Mission cleared』

と表示がされる。


おぉ、今回も衝撃強かったな。

シートベルトしとらんかったら、やばかったわ。


よしこれで、生体反応なしっと。

今日の業務は終了。


トラックの前面補修開始


(補修と清掃を行います。5,4,3,2,1…完了しました)


じゃあ行こか。


(シークレットモードに移行します……)

(記憶除去モードに移行します。5,4,3,2,1………周辺住民の記憶を除去しました)


そうしてトラックは消えていくのでした。


ほな。またな。どっかで会うかもしれへんから、覚えといてな。



……


ふと気が付くと目の前が、

真っ赤に染まっていた……。


そして、

完全に意識は消失した。




「おい、聞こえるか。おい、君。おい、聞こえるか。おい」


「…………」


そこにはただ暗闇の中に光の粒子があった。まばゆく、そしてどこか懐かしい。


「私かい? 私は神様だよ。うっかりとはいえ、ずいぶん不本意な死に方だったようだね」


辺りを見渡しても一面の闇。静寂の中にただ光の粒子と、神様の声が響く。


「それで…ま…突然なんだけど…君は死んだんだよ」


「…………」


「それで…いいかな?」


「…………」


「…君は転生するんだけど……

希望はね…申し訳ないけど、ムリなんだよね」


「…………」


「まぁ君の前世も悪くなかったと思うよ」


「…………」


人生でなにが最良の選択かは、誰にもわからない。


もしかすると、あんな平凡な人生にも、面白い転換があったのかもしれない。

世界を救うような場面もあったのかもしれない。


目立たないスキルが世界を救う事があるように……。

可能性は無限だ。


それは自分が一番わかっている。

だったら、自分だけは自分を肯定してあげよう。


この命が尽きるまで、

笑っても一生、泣いても一生。

じゃないけど……

肯定しても一生、否定しても一生。

そう思ってもいいのかも。

そう思った。

どんな人生も今日……。

この瞬間がスタート地点なのだから。



END


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この作品は完結していますが、

反響があれば続編を書く可能性があります。

ブックマークしておくと、もし更新された場合に追いやすくなります。


■坂本クリア作品

異世界・現代・コメディなど様々な物語を書いています。

次に読む作品はこちらから探せます。


坂本クリアの小説まとめ|全作リンク集

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2898515/blogkey/3591538/


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