第6話 黄泉津大神VS聖少女【ヴァルキリー】
此処は、蕾学園にある秘密の訓練場…。
今、ここに幼馴染の三雲マリン(人格、黄泉津大神)と心奏の二人が、入室する。
「お主よ。此処は何処ぞ?さればお主は何人?」
マリン(黄泉津大神の人格)が不思議そうに心奏へ問いかける。
「此処は。。。我が蕾学園が誇る秘密の訓練場。一応、先程も言ったが…。この部屋は、公には公開されていない超秘匿性のある部屋であって、核弾頭を用いた戦いを約半世紀ぶっ通しで続けても傷一つ付けられない場所だ。そして、僕は…心奏。」
心奏は、今二人が居る部屋の詳細を細かく説明して彼女に紹介した。
そして、二人は互いに正面に向き合い軽く会釈してから真剣な眼差しで互いを見つめ合う。
そこには、重たい空気が張りつめてただならぬ雰囲気に変化する。
「マリン・・・。いや、今は黄泉津大神!一応、最終確認だけど…。本気で僕と戦いたいんだね。」
心奏は、黄泉津大神に向かい最終確認として問いかけた。
すると、黄泉津大神は心奏を見つめてキリっとした表情で返答した。
「もとより。我は、お主と戦はまほしきぞ!」
その言葉を皮切りに、先程より一層緊張感の増した空間へとなった部屋に突如として、轟音が響き渡る。
それと同時に、室内に空震が発生し二人の強さを物語っている。
すると、黄泉津大神が口を開いた。
「さるほどに、いそぎ動きはかばかりにし我も力を放つとせむ。」
黄泉津大神の魔力が高まり彼女の周りには…。先程校庭で起きていた火災旋風が巻き起こる。
「顕現せよ!我が兵、天沼矛。」
黄泉津大神は、魔力を右手に集中させて、天沼矛を召喚した。
圧倒的な魔力…。そして、力量差を見せつけられた心奏は、ゴクッと生唾を飲み込み。自身も能力解放する。
「能力解放! 聖少女。」
能力解放した心奏は、白きオーラに包まれた穏やかで優しき表情を浮かべる聖少女の姿になり其の右手には、聖少女ノ剣が握られている。
「僕も、本気で貴女と戦わさせて頂きます。」
心奏は、黄泉津大神に言い放つと臨戦態勢をとった。
その心奏の姿を見た黄泉津大神は、一瞬だけフッと笑顔を見せ即座にキリっとした表情で心奏を見つめる。
ついに、互いの能力を解放した二人を魔力によるオーラの嵐が包み込む。
そして、音を置き去りにして二人は衝突し火花が飛び散る。
二人の力量は現状ほぼ同じでどちらが上でどちらが下という言葉が、当てはまらない接戦となっていた。
一方その頃・・・妹の心湊と母の早紀は、避難して来た人々に救援物資を配り慌ただしく動きまくっていた。
「良かった…。皆がけがの一つもなく此処まで避難できて。やっぱりこの学園は計り知れない脅威対抗できるように造られていることがわかるなんて…。」
心湊は、ブツブツと独り言の様に蕾学園の凄さを語っていた。
そこへ街の様子を伺いに出掛けていた蕾学園の養護教諭の月夜見先生とその親戚の千歳輝夜が、街の調査を終えて戻って来たのだ。
「お~い姐さん。調査から戻ってきたぞ!」
戻り開口一番に声を上げたのは…。月夜見先生であったが。。。
声のした方を向いた心奏と心湊の母の早紀は、頬を膨らまして
「こ~らぁ!学園内ではその言い方は止めてって言ったでしょ!茉莉花ちゃん!せめて、学園内では早紀さんって呼んでくれないと・・・。あ、ここでは不味いわね場所を変えましょ。」
母の早紀は、月夜見先生が昔の呼び方で呼んできたことに軽く注意をしてから場所を移動しようと言って、妹の心湊と輝夜と月夜見先生を連れて同じ学園内にある別室へ移動した。
―蕾学園 地下 ???ー
いざ、別室に移動したのだが。。。相変わらず、月夜見先生と母の早紀のやり取りを見ていた妹の心湊は、"えっ?何が起きているの?"と目を丸くしていた。
だが、親戚である輝夜が妹の心湊に近寄り今、目の前で起きていたことと二人の過去について語ってくれた。
「あのね、ここみちゃん。実は、茉莉花お姉ちゃんと貴女のお母様の早紀さんは、高校と大学が同じで茉莉花お姉ちゃんが早紀さんの二つ下で、早紀さんが不思議ちゃんの茉莉花お姉ちゃんを可愛がってくれたらしくてね。それ以来先程みたいな関係性になってあの呼び方になったらしいよ。」
輝夜は、二人の過去について事細かく妹の心湊に語った事で、妹の心湊は状況理解をより一層早めることができたのであった。
だがしかし...一番重要なことを忘れていると悟った妹の心湊は思わず言ってしまった。
「あ、あの~。一番重要なことを忘れてませんか?月夜見先生!」
妹の心湊のその言葉で"ハッと"した月夜見先生は、"コホン"と咳ばらいをしてから街の調査で得た情報を語りだした。
「街の調査をして分かったことなのだが・・・この学園を囲い辺り約一㎞の範囲が被害を受けている。恐らく、復興には多大な時間を要するだろう。そして、被害に遭われた方々の居住地については、私の知り合いに連絡したら仮設の居住先を今すぐにでも用意してくれるそうだ。なので、姐さん…。あ、早紀さんは、避難して来た方々の人数を私に伝えて欲しいです。知り合いに伝えて、仮設の居住先を何棟立てれば良いかと把握したいので…。お願いします。」
月夜見先生の言葉を聞いて状況理解をした母の早紀は、一言”御意!”と言って部屋を後にするのであった。
それから、部屋に残った三人は、各自与えられた仕事淡々とこなしていくのであった。
そして、それと時を同じくして心奏とマリン(黄泉津大神の人格)との激しい戦いが続いていた。
一向に終わりの見えない戦いに、終止符を打とうと黄泉津大神が決意する。
「この戦ひを終はらするは新し。されど、このままにはかたみに消耗しゆくばかりなり。そろそろ我も封印せる本気の力にお主に立ち向かはむ。」
黄泉津大神が自身の決意を述べ魔力を高め、右手に魔力を集中させて叫ぶ。
「確か…お主は名を心奏と言ひきな。喰らふべき、我が全力の攻め受けみよ!鬼火〜火之迦具土神ノ咆哮!〜」
黄泉津大神が右手に集中させていた魔力を心奏の方へ解き放った。
黄泉津大神の全力の攻撃を目の前にした心奏は、黄泉津大神の言葉に触発されて自身も魔力を高めて右手に魔力を集中させる。
「僕も貴女の聲に応えなければならない。これが今の僕の本気だ!蒼キ龍の息吹!」
心奏は、右手に集中させていた魔力を黄泉津大神の解き放った攻撃に衝突させるように放つ。
そして、互いの解き放った魔力が轟音を立てて衝突する。
果たして、この二人の戦いの行く末や如何に...




