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第4話 暴走する能力【ちから】


20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…


その能力自体を悪用し心奏かなでたちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。


そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏かなで心湊ここみとその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。



混乱して物事の整理がつかない心奏(かなで)


それとは裏腹に、心奏(かなで)の何倍も先の未来視をしてこれから起きるであろう出来事を読み取る父の神翔(かみと)


だが・・・その最中、心奏(かなで)の持っている携帯端末が鳴りだす。


心奏(かなで)は、即座に携帯端末の電源を入れて応答すると妹の心湊(ここみ)からの着信であった。


「お兄ちゃん…。大変よ!今、(つぼみ)学園付近が炎に包まれているの…。急いで、こっちに戻ってきて。」


妹の心湊(ここみ)からの切羽詰まった着信であったがために、兄の心奏(かなで)は今すぐにでも神恋島を後にしなければならない状況に陥ってしまう。


勿論の事...心奏(かなで)は焦り気味になっていた。


だが・・・父の神翔(かみと)心奏(かなで)の肩を"ポンっ"と叩き心奏(かなで)に向かい呟く。


「一旦…。深呼吸して落ち着け!"かな"。焦っても何もいい事は起きない。俺のことは考えなくていいから…。母さんたちのところに一直線で向かいなさい。情報の方は母さんに伝えておくから!」


父の神翔(かみと)の言葉に“”ハッと“”我に返った心奏(かなで)は、父の神翔(かみと)の方に向き直り真剣な表情で決意を述べる。


「父さん…。ありがとう。僕、誓うよ。この世界をこの国を…。護るとね。」


心奏(かなで)は、心の中で誓っていた決意を父の神翔(かみと)に伝え足早に建物から出る。


心奏(かなで)は、深呼吸して呼吸を整え呟く。


「能力解放! 魔法陣展開!」


心奏(かなで)は、空に向かって右手を伸ばして空間上に魔法陣を創り出して、魔法陣に両脚をつけた。


此処(神恋島)から(つぼみ)学園までは、二千㎞は離れている。全速力で行けば・・・三十分で着くな。」


心奏(かなで)は、独り言の様に呟くと真剣な眼差しで(つぼみ)学園のある方角を見つめて両脚に"グッと"力を込めて勢い良くロケットスタートで空中滑走して(つぼみ)学園の方へ急ぐのであった。


一方その頃・・・妹の心湊(ここみ)は、(つぼみ)学園の校長室に居た。


妹の心湊(ここみ)は、母の早紀(さき)にとある用事があり(つぼみ)学園に来ていたのだ。


そんな中起きた出来事に驚きを隠せないのは妹の心湊(ここみ)は勿論の事…。母の早紀(さき)も同じであった。


「一応…。学園には火がまわらない様に、特殊なバリアを張っているから安心はできるけど…。一体何が起きているのかしら?」


妹の心湊(ここみ)は、外の様子が気になって仕方ない様子であった。


だがしかし...そんな安心できているのも束の間。


再び、異常な数値の魔力探知に校長室にある魔力計からけたたましい音が鳴るのと同時に学園全体を揺らめかせる程の空震が発生する。


「また来たのね。今朝から何度目かしら?そして、この神に近しくも妖気の様な圧を感じるこの気配…。」


母の早紀(さき)がそっと目を閉じて伝わってくる気配を肌で鋭く感じ取り呟く。


妹の心湊(ここみ)は学園内に居るから安心はできているが…。早く兄の心奏(かなで)が来ないかなと心の中で願い思っていた。


その時…。突如として、学園の校庭に火災旋風が巻き起こりその中から人影が現れる。


そして・・・妹の心湊(ここみ)はその現れた人影を見た瞬間思わず叫んでしまう。


「マリンさん⁉」


妹の心湊(ここみ)がみた人影は…。兄の心奏(かなで)の幼馴染の三雲マリンであったのだ!


しかも彼女は、火災旋風に包まれているのにも関わらず衣服が燃えておらず…。


むしろ、彼女自身から炎が出ている様に見えたのだが...何やら様子がおかしいと妹の心湊(ここみ)の目には映ったのだ。


「何?あの姿…。」


妹の心湊(ここみ)の呟きに母の早紀(さき)が反応して母の早紀(さき)も妹の心湊(ここみ)と一緒に、学園の校庭の方を注視する。


「まさか…。あの姿は...いや、でもあの状態はまずいわね。」


母の早紀(さき)が見えた光景に言葉を詰まらせていた。


時折、校庭から三雲マリンの悲痛に苦しんでいる声ともう一つの三雲マリンではない謎の声が聴こえてくる。


「収まって…。私の能力ちから!お願い。」


暴走する能力を抑えようと試行錯誤するマリン。


それとは別に彼女の口からはもう一人の声が出る。


「我は・・・黄泉津大神ぞ。小娘よ我の命令に逆らうでない!」


謎の声はマリンの口から出てはいるが、マリンに対して声を出していたのだ。


そんなあまりにも非現実的な光景に、妹の心湊(ここみ)は言葉を失い兄の心奏(かなで)の到着を急ぎ待っていた。


その頃・・・心奏(かなで)は、全速力で(つぼみ)学園に向かい空中滑走していた。


「後十五分位で(つぼみ)学園に到着する。頼む間に合ってくれ!だが・・・(つぼみ)学園の方から感じるこの気配・・・まさか。いや…。現着するまで決めつけるには早すぎる。だけど、心湊(ここみ)や母さんが心配だ急がなければ・・・全速前進!!フルスロットル!!!」


心奏(かなで)は、なんとなしに気配の正体について理解しつつあったが…。


答えを急ぐものではないなと経験則から察知して、取り急ぎ(つぼみ)学園へ向かい突き進むのであった。


今回も起きてしまった謎の空震…。


だが・・・その真実は幼馴染の三雲マリンの能力の暴走によるものであると、なんとなく理解したのも束の間…。


学園はおろか心奏(かなで)たちが住む街をも飲み込む勢いで、暴走した能力が渦巻いていくのであった。


果たして、心奏(かなで)は幼馴染の三雲マリンの能力暴走を止めることができるのであろうか...。


心奏かなでは、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。


そして、心奏かなで自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。


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