第31話 護るべき者の運命の行方。
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
心奏は、右手に魔力を溜めてラグナロクに向かい振りかざす。
ラグナロクは、心奏からの威圧感に圧倒されて、次の行動を起こせずに居た。
そこへ烏丸が、様子を伺おうと心奏とラグナロクの近くに移動しようとした瞬間、烏丸は自身の身体に強い衝撃を感じて、気が付けば自身の所有する館の壁面に衝突していたのだ。
この僅か一瞬の間に、心奏とラグナロクは右手に溜めた魔力を烏丸へ向けて、解き放っておりその攻撃によって、烏丸は吹き飛ばされて館の壁面に衝突したのだ。
なんと、心奏は零%に限りなく近い可能性に賭けて、ラグナロクへ攻撃を行い、ラグナロクの能力の感情と烏丸の深層心理にまで影響を及ぼす洗脳から、妹の心湊を救い出して正気に戻った心湊に、テレパシーで情報を共有して、本気の戦いを装っていたのだ。
心奏の想いが妹の心湊をラグナロク中から呼び起こし、絶望しかない未来を切り開き、烏丸の洗脳すらも打ち砕き、烏丸の想定していた結果を覆した。
「おのれ~!やつがれの長年の努力の結晶を壊しおって...許さぬぞ、貴様ら!」
烏丸は、とうとう怒りを露わにして、魔力を指数関数かの如く解放。
烏丸の魔力が上がるにつれて、大地はおろか空間そのものが大きく揺らぎ、御堂烏丸の魔力の強さを物語っていた。
これには、本能的に不味いと判断した父の神翔は、自身の能力を解放して心奏たちを護る為に、自ら烏丸へ立ち向かって行くのだが…。
「喰らうが良い!貴様に風穴を開けてやる・・・聖槍拳!」
烏丸は、溜めた魔力を槍の様に練り上げ、解き放ったのだ。
その瞬間、心奏は未来視で最悪な未来を見てしまい、思考よりも先に体が動いていた。
“”グサッ“”と何かに突き刺さる音が、響き渡り周りに居たものが声を上げてしまう。
「心奏さん!」
「"かなちゃん"!」
なんと、心奏は自身の身を挺して、父の神翔と妹の心湊に攻撃が当たらぬ様に、心奏自身が身代わりとなって、烏丸の解き放った聖槍拳をその身で受けてしまい、心奏は心臓を諸に貫かれてしまっていたのだ。
心奏はそのまま一言も発さずに、地面に倒れてしまい妹の心湊が心奏の元へ駆け寄る。
「ねぇ、お兄ちゃん!しっかりして...お願い…。私の前から居なくならないでよ。。。」
妹の心湊が心奏へ声をかけても、既に心奏は致命傷を負ってしまっていたのだ。
その様子は、父の神翔の目にも映り込み、彼を激しく後悔の念が襲い掛かり、楽しかった過去の出来事を走馬灯の様に思い出していた。
「・・・。許さんぞ親父…。よくも…よくも、俺の可愛い"かな"に手ぇ出しやがって…。貴様はもう俺の親父じゃない。貴様は...貴様は、俺の敵だぁぁぁ!」
父の神翔は、可愛い我が子心奏を目の前で、手にかけられた事で、完全に堪忍袋の緒が切れる。
神翔は、超・高速移動で烏丸の間合いに入り、特大のエナジーボールを至近距離から解き放ち烏丸に僅かながらのダメージを入れる事に成功する。
だが・・・神翔は、自身の攻撃だけでは烏丸に勝つことが出来ないと理解しているが、それでもなお攻撃の手を休める事無く、猛攻を続けていた。
そこへ思わぬ助っ人がやって来る。
「俺も助太刀するぞ!"かな"の父ちゃん!」
思わぬ助っ人・・・それは、心奏の古き良き友人の水瀬レンだ。
なんと、レンは自身の嫌な予感が当たりな気がするという感覚だけを頼りに、心奏たちに遅れながらもこの極地までやってきていたのだ。
「俺だって、こいつの思い通りの世の中にはしたくない。例えそれが、"かな"の爺さんでも容赦しない。俺の事を一番に理解してくれて、俺の心を開いてくれた"かな"の仇を討ってやる。絶対に許さない、俺の。。。俺の大好きな…いや、俺の…大切な恋人に何してくれんだ!この野郎がぁぁぁ!」
レンの魂の叫びが、彼の能力を解放した。
「解放!冥界の王!!!」
レンは、限界突破した自身の能力である冥界の王を解放し打倒烏丸を決意する。
そして...そのレンの行動に触発されて、父の神翔も自身の能力の限界突破をする。
「解放!!!全知全能の神!!!」
神翔は、怒りを糧に自身の能力の殻を破り全知全能の神の能力を発動させた。
遂に、打倒烏丸を前に神の名を持つ能力が顕現する。
そして...二人の神の名を持つ能力には、もう一段階の限界突破が存在した。
その名は【神格化】というものだ。
神格化という名の通り、神々の領域の力量を扱えてしまい更には、その能力に対抗できる能力は悪魔や魔王系譜の能力か、はたまた同じ神々の領域に達した者にしか、神格化にダメージを与えられないというのだ。
だがしかし...二人の神の名を持つ能力は限界突破をしてもなお、止まる様子を魅せない。
『これが、本気の俺だぁぁ!!!神格化、解放。』
遂に、父の神翔と心奏の古き良き友人である水瀬レンの能力は、神格化を果たして神々の領域へ到達した。
「何が神の能力だ?笑わせるな神なんざ、やつがれ一人が居れば充分だ!!」
烏丸は、神格化を果たした二人を前に怒りを露わに叫ぶ。
果たして、神翔とレンは神格化を経た能力を持って、打倒烏丸を達成することができるのであろうか。
そして...心奏の運命や如何に。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




