第30話 終焉を導きし少女ラグナロクVS新たなる能力を開花させた心奏【かなで】。
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
遂に姿を見せた...御堂烏丸。
彼の素顔は、烏天狗の面によって見えることはできないが、彼が少しばかりの力を解放した程度で、心奏と父の神翔以外のメンバーは、吹き飛ばされて能力すらも解除されてしまう程のダメージを負ってしまう。
だが・・・そんな彼も今はまだ戦いの時ではないと確信して、自身が所有している館の中へ戻ってしまい、彼の代わりに心奏の目の前に姿を現したのが...
能力、ラグナロクを解放した姿の妹の心湊であったのだ。
しかし...現実は、悲惨なものだと心奏は、認識した。
それは、彼女自身が「我が名は、ラグナロク」と名乗り、妹の心湊ではないと彼女の口から聞いてしまい、心奏は物凄い喪失感に苛まれてしまった。
だがしかし、物凄い喪失感と共に心奏にやって来たのは、計り知れない程の怒りそのものであった。
心奏は、自身の妹を葬り去られたと言っても過言ではない状況に、追い込まれ計り知れない怒りを覚えてしまった事で、心の中であるものがプツンと切れた事によって、心奏は自身の魔力上昇に伴い心奏を白く眩い光が包み込む。
そして...白く眩い光が晴れた瞬間、ラグナロクの目の前に白き翼を持った天使の姿をした心奏が、立っていたのだ。
それは、心奏自身が夢の中で見たあの姿、そのものであった。
心奏は遂に、聖なる力を持った少女の力から、白き翼を持った天使の能力を身につけたのだ。
そして...新たな力を宿した心奏と終焉を導きし少女ラグナロクとの戦いが、今まさに幕を開けた。
「あ、あれは..."かなちゃん"?なの?」
「か、心奏さん?その能力は一体・・・」
烏丸が所有している館の壁面に、やっとの思いで寄りかかり、受けたダメージが如何に深刻なものかを訴える、千歳輝夜と心奏の幼馴染の三雲マリンが、心奏の姿を見て思わず声に出してしまう。
心奏は、ゆっくりと深呼吸して漏れ出し続ける魔力を体内に封じ込めて、顔を上げてラグナロクを真剣な眼差しで、見つめる。
「僕の...大切な妹…。心湊を返して貰おうか…。ラグナロク!」
心奏の魂の叫び声が辺りに木霊した瞬間、ラグナロクの目の前に高速移動した心奏が、ラグナロクの不意をついてかざした右手から、衝撃波を容赦なく躊躇い無く意のままに打ち出す。
ラグナロクは、あまりにも一瞬過ぎる出来事な故に思考処理が追いつかず、諸に真っ正面から心奏の放った衝撃波を喰らってしまい、館の壁面に衝突してしまう。
「なんて速さ…。我の脳内の処理能力が追い付かないだと…?これが、たかが人間一人の力なの?そんなはずはない。だって、我が崇高な烏丸様以外にこんな強さの者が、存在するの?」
館の壁面に衝突しても、そこまでダメージを負っていない様子のラグナロクは、心奏が今行った攻撃を受け驚き、疑心暗鬼になりかけていたのだ。
そして...ラグナロクは、ゆっくりと身体起こすと右手に物凄く膨大な魔力を溜めて、巨大な火球を生み出した。
「この業で、灰になりなさい!ザ・フレア。」
ラグナロクは、直径が五メートルにも及ぶ大きさの巨大な火球を、心奏目掛けて投げつける。
だがしかし、心奏はその場を一歩たりとも動こうとせずに、ラグナロクの放った攻撃を正面から受ける覚悟を魅せるのだが...
「"かな"!その攻撃は、不味い。避けろ!」
「危ないわ。"かなちゃん"!」
父の神翔と幼馴染の三雲マリンの叫び声を上げても、その声が全く聴こえていないと言わんばかりに、微動だにしない心奏。
そして...二人の叫びも虚しく心奏は、ラグナロクの放ったザ・フレアを真っ正面から喰らいしまいには、心奏と接触した瞬間に超大爆発が起こり、館の窓ガラスは全てが粉々に吹き飛び、館の周辺の森の木々たちが、次から次へと木端微塵に吹き飛ぶ。
「あはははは。我が攻撃をまともに喰らったか。所詮は人間...灰になるどころかその灰すらも綺麗に散ったわね。これで、我が崇高な烏丸様の邪魔をする者は、居なくなったわ。」
ラグナロクは、勝利を確信して高笑いし自身の強さに酔いしれていたのだ。
だが・・・烏丸があまりの衝撃や故に、館から驚いた様子で飛び出して来て辺りの様子を伺い、ラグナロクに問いかけた。
「ま、まさかこれは...ラグナロク。君の攻撃かい?流石、やつがれの長年を費やした甲斐があった。」
しかし、ラグナロクは烏丸からの問いには応じずに、少し不満な様子で頬っぺたをぷくりと膨らませていた。
そんな様子を見ていた父の神翔と幼馴染の三雲マリン、そして友人である千歳輝夜は自身のあまりの力不足に、嘆いていた。
その酔いしれた喜びと力不足に嘆く感情が渦巻く混沌とした空間に、一筋の光の柱が立ち昇りその場に居た皆の視線が一箇所に集中した。
すると、館の窓ガラスを粉々にして尚且つ、辺りの森の木々を木端微塵にした威力の攻撃を真っ正面から喰らったはずの心奏の姿があったのだ。
「これが、ラグナロク...貴女の全力?だとしたら、とんだ期待外れね。」
心奏は、開口一番にラグナロクに向かい言い放った。
なんと、心奏はダメージを全く受けていなかったのだ。
それどころか、ラグナロクに追い打ちをかける勢いで、眼前まで迫った心奏は、右手に魔力を溜めながら、ラグナロクに向かってその右手を向けて“”今から消すぞ!ラグナロク!“”と言わんばかりの圧力をかけるのであった。
果たして、心奏はラグナロクにトドメの一撃を喰らわす事ができるのであろうか。。。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




