第3話 ついに動き出す悪の勢力!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
突如として起きた謎の空震。
そして・・・謎の空震が発生してから約一週間後。
事態が悪い方向へ舵を切ってしまうことになった。
それは・・・心奏が、推測していた私立蕾学園への侵入者と謎の空震の原因の正体へ一気に近づく。
秘密裏行われた会議の後...心奏は、とある場所へと向かっていた。
「神恋島…。確かここは、父さんが管轄していた場所。そして、父さんが国を護る為の拠点にもしているから。。。何かしらの手がかりがあるに違いない。」
心奏は、まるで運命に導かれるかのようにやってきたのは…。
神恋島・・・心奏たちが住む街から遥か南へ行ったところにある元無人島。
範囲七十㎞にあるのは殆どが人の居ない無人島であり雲隠れをするには、うってつけの場所である。
そして。。。その中にある一つの島が今、心奏がいる神恋島。
面積としては...北海道札幌市位の大きさであり其のうちの六割が木々が生い茂っている未開の地。
そして心奏の父の御堂神翔がいるのは...島の中心に佇む学校くらいの大きさの建物だ。
そんな神恋島にやってきた心奏は、島の中心にある建物を目指して獣道をかき分けながら歩みを進めていた。
「もう…。相変わらず、父さんは道の手入れはおろか危険な猛獣を野に放しすぎだよ。」
心奏は、あまりの実の父親の気分屋な部分の表れているに翻弄されながらも、島の中心に向けて獣道をかき分けて歩いていた。
そして、獣道と舗装を怠っている悪路を進むこと二時間弱・・・
心奏は、父の神翔が居る建物の前にたどり着くことができた。
すると、心奏が到着するのと同時に。。。目の前にある建物の大きな扉がゆっくりと開き父の神翔が姿を現す。
「ん?誰かと思ったが・・・"かな"お前だったのか…。来るときはひと言連絡をしろよ!一瞬、侵入者かと思ったやんか。」
恐らく寝起き五分で慌てすっ飛んできたのかと言わんばかりに、寝癖で髪の毛が暴れ散らしている様子の神翔。
「ごめん父さん。連絡忘れた…。ってかそれより聞きたいことがあってここまで来たんだ。」
申し訳ない気持ちでいっぱいな心奏は、ひと言謝罪すると父の神翔に自身が神恋島に来た理由を話そうと口を開きかけた時…。
父の神翔は心奏の様子を見て事の顛末を察し手招きをして建物の中へと案内するのであった。
― 神恋島 ??? ―
学校と遜色ないくらいに大きい建物のある一室にやって来た心奏と父の神翔。
すると、突然大きな獣が心奏の方を一瞬チラリと見たかと思いきや・・・全速力で心奏に向かって突進してきて床に押し倒されてしまう心奏。
「痛っ…。ちょっと会わない間に大きくなりすぎじゃないか???"みく"」
なんと、心奏に向かって突進してきた獣は白虎の"みく"であったのだ。
"みく"は、心奏を見た瞬間に嬉しいという気持ちを抑えることが出来ずに、小さき頃と同じ感覚で心奏向かって飛びついたのであった。
そして、心奏の顔を気が済むまで舐めまわすとそっと心奏から離れて心奏の隣にお座りをした"みく"。
心奏が体を起こすのを待ってから父の神翔が心奏に話し掛ける。
「お~い!大丈夫か?"かな"。話せるか?ここに来た理由を」
心配そうに心奏を見つめ話しかける父の神翔。
「これくらい大丈夫だよ。あっ…。理由だよね?謎の空震の正体が分かったから父さんに伝えに来たんだ。実は…。かくかくしかじかで。。。」
心奏は、自身の極めて確定性のある持論を父の神翔に説明した。
すると、父の神翔から衝撃的な言葉を聞かされた…。
「まぁ...恐らく、謎の空震の正体はあれだろうな。。。膨大な魔力放出による二次被害みたいなものだな。そして、"かな"の言ってた学園への侵入者はこの世界をひっくり返して、牛耳ろうとしている悪の組織のメンバーの一人じゃないかな?」
なんと父の神翔は、心奏からの話だけで私立蕾学園に侵入して来た人物の正体を約八割程導き出した。
そして、空震の元凶が一人の人間が放出した魔力による二次被害だという結論に達したのであった。
あまりの事の展開の進み具合に、頭が混乱状態に陥りかけている心奏。
だが・・・そんな感じで二人で話を進めていた時であった・・・
突然、ふわっと身体を地面から持ち上げられそうになる感覚を覚えたその瞬間に…。
また再び、あの例の空震が二人の居る建物全体を襲う。
『うわぁっ…。』
二人の叫びが上がり心奏の近くに居た白虎の"みく"も驚いていた。
そして、約一分間程空震が続いた後…。何事も無かったかのように辺りが再び、静寂に包まれる。
「何だったんだ?今の空震…。明らかに今まで経験した空震の中で一番長く続いていた。これはもう動き出したな例の勢力が。。。ついに」
父の神翔は、心奏よりも先に今後起きるであろう物語の展開を、自身の中で未来視してグッと右の握りこぶしに力を入れるのであった。
だが・・・そんな父の神翔の反応とは打って変わって、心奏はあまりにも早すぎる展開速度に少し遅れを取ってしまい脳内ビジョンには混沌と言わんばかりに、様々な物語の展開が渦巻き少しばかり冷静さを失いかけていたのであった。
果たして、ついに動き出した悪の勢力にどう立ち向かっていくのか…。
そして、この事件を皮切りに心奏に大きな試練が待ち受けていると知る由もないのであった。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




