第27話 心奏【かなで】の決意と未知の装置"ラグナロク"!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
妹の心湊を攫われてから二日後、今度は実の父親である神翔までもが、心奏の目の前から姿を消した。
精神的ストレスの影響を受けまともに眠ることが出来なかったが、周りのサポートの甲斐もありどうにか充分な睡眠時間を確保する事に、成功した心奏。
だがしかし、心奏は夢の中でフードを深く被った謎の女性と出会い、彼女が心奏に触れたと同時に心奏を眩い光が包み込み、やがて眩い光の中からまるで天使の様な姿をした心奏が、姿を現した。
そして、夢の中で彼女は言っていた。
「あたしはあなたを護ります。いつかあなたの生きている世界で出会う。」
その彼女の言葉を聞きいれたと同時に、心奏は夢から醒めたのだ。
それでも心奏は、見ていた夢に対して悪いものだとは思えず、むしろ良い夢だと認識した。
心奏が夢から醒めてから約二時間後の出来事・・・
私立蕾学園にとある情報に関する一報が入り、その場に居た皆の雰囲気に緊張感が走る。
私立蕾学園へ寄せられたとある情報とは、言うまでもなく御堂烏天狗丸の情報であった。
情報を提供してくれた人物は、紛れもなく父の神翔の業務のアシスタントをしている”しののん"こと、東雲樺音であった。
樺音は、お家柄多岐にわたる情報網を持っており、その何百何千と言った情報網の一本に、御堂烏天狗丸もとい烏丸の情報を入手する事に成功したのだ。
その情報網の一本である烏丸の居場所の在処を特定した人物は、御堂家とは親戚関係にあり尚且つ、代々御堂家の守人の直属の相談役を務めてきた泊家の現当主、泊雅樹である。
雅樹は、烏丸にまつわる話や情報を独自のルートで調べ上げて、ようやく烏丸が住処もといアジトとして利用している場所が、心奏たちが住む地球の極地に程近い山奥だということが判明。
すると、東雲樺音から追加の情報が送られてきた。
その内容とは、烏丸が使おうと目論んでいる未知の装置“”ラグナロク“”に、世界各地からエネルギーが供給されていると言うものだ。
“”ラグナロク“”という名の未知の装置は、膨大な魔力をエネルギー源として稼働するのだが、烏丸はその装置を使い世界を支配しようと企てていた。
そして、もう一つ…。“”ラグナロク“”には、膨大な魔力と能力“”ラグナロク“”としての器がある人間一人が必要になってくるというもの。
だからこそ烏丸は、膨大な魔力を使いパラレルワールドを半ば強制的に、現実世界と繋げて人々をパニック状態に陥れようと数々の事案を起こして来たのだ。
だがしかし、心奏はなんとなしに理解してしまった。烏丸が行おうとしている計画の恐るべき点とある一つの欠陥点とも言うべきものを全てにおいて。
そこからの心奏の行動は早かった。即座に樺音に追加情報の依頼を頼みそして・・・
心奏は信頼のおける仲間たちにとあるお願いをしたのだ。
「これから実行する事は、下手すれば身を滅ぼしてしまう可能性があるものだ。僕は、烏丸がやろうとしている事を是が非でも阻止したい。奴が世界を支配する事を黙って見ている事は出来ない。だからこそ、皆の力を貸して欲しい。こんな時に我儘を言うべきではないと重々承知しておりますが、奴を止めないとそれこそ文明やこの地球すら滅びてしまう。どうかこんな僕の我儘を聞いてくださいお願いします。」
心奏は床に頭を垂れて誠心誠意皆へ僕の我儘と言うお願いをしたのだ。
すると、幼馴染の三雲マリンが心奏に近付き声を上げた。
「あたしが皆の気持ちを代弁するわ。僕の我儘?何を言っているの?かなちゃん。あなたの我儘ではないよ。あたしは支配された
世界で天寿を全うしようなんて考えていない。誰もが平等にそして、平和に生きれる世界を戻す為に、この身を滅ぼしても構わないわ。自由が存在しない世界で生きるのは御免よ。だから顔を上げてよ。かなちゃん!」
その瞬間、心奏は顔を上げてひとつ...そして、またひとつと大粒の涙を零す。
すると、皆が心奏を囲い心奏を抱きしめる。
「ありがとうみんな!良かった信頼のおける仲間が居て...本当に本当に…。」
心奏は涙ぐみながら、お礼の言葉を呟くのであった。
そして迎えた明くる日の午前九時。
心奏たちは、私立蕾学園へ集まって仕入れた烏丸の情報を再度確認して、本格的に打倒烏丸に狼煙を上げて、烏丸のアジト向けて出発するまでの約五日間、最終追い込みとして自身に課せられた鍛錬を黙々とこなして、世界の存亡を賭けた最終決戦に意識を向けていた。
そして長いようで短い五日間が過ぎ、心奏たちは打倒烏丸を掲げて、極地へ向けて私立蕾学園から出発したのであった。
一方、その頃・・・元凶である烏丸は、世界支配の為に未知の装置"ラグナロク"に膨大な魔力を注いでいた。
「良し…。この装置を使えば...やつがれの夢が叶う。だが...その為には、多少なりとも犠牲はつきものだ。しかし、世界を支配出来ればやつがれは神として君臨できる。そう・・・唯一神烏丸と言う名の神が…。」
未知の装置"ラグナロク"を見つめながら、頬を紅潮させて呟く。
「ええ…。その為にも烏丸様に楯突く者たちは、皆私めがお相手致しましょう。烏丸様のお手を煩わせては顔がたちませぬ故に・・・」
烏天狗の面を被った謎の人物が、烏丸の後に続き呟く。
そして、未知の装置"ラグナロク"の中には、謎の少女が起動の時を今か今かと待ち続けながら、装置の中で眠っている。
果たして、心奏たちは烏丸の野望を打破する事が、できるのであろうか。
そして、未知の装置"ラグナロク"の中で眠る謎の少女とは、一体・・・
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




