第24話 繋がる記憶のエピソードと迫る危機!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
心奏とマリンの調査ルートとは別の常盤市の西端の海岸の調査ルートに、乗り出した輝夜とカトレアは餓者髑髏の力を借りて、常盤市の西端の海岸へ向かいそこに現れている時空を繋ぎし扉【ポータル】へ入ったのであった。
輝夜とカトレアは、なんと過去の常盤市に辿り着いてしまい尚且つ、心奏、心湊、そしてカトレアの母である早紀の高校時代まで遡っていたのである。
輝夜とカトレアは、二十三年前の常盤市…。そして、二十三年前の私立蕾学園で起きた小さな事件に巻き込まれてしまった。
そこで巻き込まれてしまったのが、二十三年前の若かりし頃の早紀であったが為に、カトレアは奮起して若かりし頃の早紀に、手を出した謎の人物に制裁を下したのだが・・・
謎の人物は、なんと現実世界で世界を牛耳ろうと画策している組織に所属していた一人で、カトレアからの制裁を受ける直前に、ボスの名前のイニシャルが"K"だと言うことを言い残したのであった。
その後は、無事に現実世界へ帰還した輝夜とカトレアは、私立蕾学園へ戻り調査報告を纏め上げていた。
そこへ心奏とマリンも調査報告に戻って来たのだ。
こうして、常盤市に出現した時空の歪みと時空を繋ぎし扉【ポータル】の調査に一旦の区切りが付いたが、四人が戻って来た時には、現実世界ではなんと二日間もの時間が経過していた。
時空の歪みによって、その空間だけ時の流れが通常時の三十倍の速度で流れており、二組とも向こう側に居た時間はそれ程長く居たわけではないのだが・・・
時空を繋ぎし扉【ポータル】を通過する時間を含めて、行き来した程度で現実世界では二日経過していた事に、驚きを隠せない様子の四人であった。
そして、四人無事に帰還できたと連絡を入れると、早紀が光の速さで地下の会議室へやって来たのだ。
早紀は、四人の姿を見てホッとした様子で"お疲れ様。調査ありがとう。"と四人に労いの言葉を掛けてくれたのだ。
しかし...カトレアは、少し悩んでいた。
それは、輝夜と共に調査した先で、過去へ飛ばされてそこで過去の母である早紀に出会い、その後謎の人物と対峙して、世界を牛耳ろうとしている組織のボスの名前のイニシャルが"K"である情報を手に入れた事をどちらから報告しようかと、悩みに悩んでいたのである。
だが・・・その様子は、母の早紀にはお見通しでありカトレアは、母の早紀に肩をポンとされて、そこでふと我に返り悩んでいた事を全て打ち明ける事にした。
「私、輝夜ちゃんと調査した方で、過去の常盤市に辿り着いた。そこで、高校生の時のお母さんに会って、その後謎の人物に襲われているお母さんを助けたんだけど、謎の人物から言われたんだ・・・そのボスの名前のイニシャルが"K”だと…。でも、それくらいしか収集がなかったの。。。」
カトレアは、自身の発言に自信を持って言いきれてないんじゃないかなと考えてしまっていたが・・・
母の早紀に、ギュッと抱きしめられて遂に、溜めにためていた感情が爆発してしまい泣いてしまったのだ。
普段の姉カトレアは、様々な責任感を背負い自身でも、気が付かない程に見えぬストレスが蓄積しており、心も体も限界ギリギリだったのだ。
母の早紀は、カトレアが落ち着くまでギュッと抱きしめて優しく言葉を掛けていた。
そして、落ち着きを取り戻したカトレアは、すうーっと晴れた表情を取り戻して、報告の続きをした。
すると、母の早紀は突然過去の出来事を語りだしたのだ。
「そう言えば、さっきカトレアちゃんが過去の私に会ったと言っていたことで、繋がったわ。私、過去に二人の女性に助けられていたの・・・その人が、カトレアちゃんと輝夜ちゃんだったと今しがた解決したわ。って言う事は・・・もしかして今起きている数々の出来事の発端って、二十三年前から続いている現在進行形の事案って、事になるわね。」
なんと、今回輝夜とカトレアが調査した時空を繋ぎし扉【ポータル】で、不思議であった母の早紀の過去の出来事に、解決の糸口を見つけたのと同時に、現在進行形で起きている常盤市を巻き込んだ数々の事案の発端が、母の早紀が高校生時代頃から起きていたという事実を知ってしまったのだ。
あまりにも、衝撃的事実であったのだが・・・ふと心奏が、母の早紀に妹の心湊の事について尋ねた。
「ねぇ、母さん。そう言えば、心湊って今、父さんの所にいるんだよね?」
心奏が、母の早紀に尋ねたその瞬間であった…。
突然、会議室の電話が鳴り母の早紀が、受話器を取り会話をしていると"えっ?それガチで言ってるの?"と大きな声で聴こえてきた為に、その場にいた皆が"何事?”と困惑していると、母の早紀が電話を終えて、少し俯きながら近付いて来たのだが・・・
突如として、膝から崩れ落ちてしまい音を聞いたその場に居た皆が駆け寄ると、涙ぐみながら事の真相を語りだした。
「ここみちゃんが…ここみちゃんが・・・攫われた。あの人が、目を離したものの二分の間に・・・」
あまりにも、衝撃的過ぎた事の真相であった。
それは、母の過去の出来事と比べては決していけないが、その衝撃とは違う別次元の衝撃であった。
妹の心湊が、父の神翔が偶々目を離した二分の間に、何者かに攫われてしまったのだ。
しかも、父の神翔のいる神恋島は、此処・・・私立蕾学園よりもセキュリティ対策が施されており、例え国のトップの人物であっても、特別な許可を受けないと入島出来ないレベルのセキュリティなのだが・・・
そのセキュリティをいとも簡単に突破して、父の神翔が心湊の誘拐を見抜けなかったという信じ難い話であった。
勿論の事、心奏は今にも怒りが大爆発をかねないレベルの感情の高ぶりがあったのだが・・・
冷静に物事を捉えて、何者が犯行を行ったのかと思い付く限りで探り、結果的に心奏は犯人の正体を九割程導き出していた。
「僕の中では、おおよその目星はついたよ。妹の心湊を攫った犯人の目星がね。これは、あくまでも僕の見解だけど、犯人は・・・さっきまで話していた人物。世界を牛耳ろうとしている組織のボス・・・いや、大頭の"K”だと思う。もしもそうであるならば、早めに行動を起こさないと不味い事になる。」
心奏は、犯人が行った常人では到底不可能なセキュリティ突破が行えそうな人物が、"K”しかいないと確信付けていた。
だが・・・今すぐにでも行動を起こしたいが、"K”の居場所が分からない事には、どう足掻いても動けないという現実を痛感してしまう。
しかも、心奏たちが知っているのは、名前のイニシャルが"K”であるということくらいであった。
そこで、謎の人物が呟いていたボスの名前のイニシャルが"K”という事に、更なる疑問点が湧き上がる。
あくまでも、イニシャルが"K”ということしか認知していないが為に、苗字のイニシャルが"K”というのかそれとも、名前のイニシャルが"K"なのかという問題だ。
大抵は、苗字・・・つまりは、姓の方をイニシャルで表す事が多いが…。
これが、謎の人物と"K"との間に、何らかの形で信頼関係等があり名前の方で、呼んでいた場合は名前の方のイニシャルが"K”と表しても、何ら不思議なことではないというものだ。
それによって、イニシャルが判明していてもそれが姓名のどちらを指示しているかで、物凄く膨大な労力を必要とする問題へなりかけていた。
果たして、妹の心湊を攫った人物は本当に、世界を牛耳ろうする組織のボス基大頭"K”なのか
そして、妹の心湊を無事に取り戻すことが心奏たちは、できるのであろうか。。。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




