第2話 異常発生!!
国家の軍事力並のセキュリティを誇る私立蕾学園。
そのファイアウォールを突破して、私立蕾学園に初の侵入者が侵入した。
今回のあまりにもイレギュラー過ぎる出来事に、街の住人はおろか・・・
心奏たちが住む二〇XXの日本国内を震撼させた出来事であった。
その大事件から一夜明けた…。
「おはよう心湊。」
寝ぼけまなこをこすりながら自室から出て来る兄の心奏。
「おはよう。お兄ちゃん。」
普段通りに挨拶を交わす妹の心湊。
兄の心奏より一時間早く起きて、朝御飯の準備をしていた妹の心湊。
そんな二人の日常のやり取りをしている最中のことであった。
突然、テレビと二人の持っている携帯端末からけたたましくアラート音が鳴る。
『え?何事?』
あまりにも突然過ぎることに兄の心奏、妹の心湊は同時に同じ言葉を発してしまう。
二人は、テレビの画面とお互いの持っている携帯端末を交互に見て今、何が起きているのかを理解しようと試みる。
そして、先に言葉を発したのは兄の心奏であった。
「‴国内において、謎の空震が発生。専門の情報機関が調査中‴だって。一体何が起こったんだろう。まさか・・・だけど、昨日の事と今の事…。関連性はないよね。。。」
心奏は、携帯端末に表示されている文言を読み上げたうえで、昨日の私立蕾学園で起きた出来事と関連性ないはずだと自身の意見も述べてのだが・・・
「いやぁ・・・流石にね…。昨日の今日よ・・・」
妹の心湊は、半信半疑ではあるが関連性はないんじゃないかなと考えていた。
だがしかし...二人の半信半疑ではあるが予見していた私立蕾学園での出来事と謎の空震の関連性があるとは、この時の二人は知る由もなかったのであった。
そして、幸いにも私立蕾学園は臨時休校であった為に、私立蕾学園に通う生徒たちの間では、それ程大きな噂にはなることはないのであったのだが・・・
兄の心奏と妹の心湊は、養護教諭の月夜見先生と母親の早紀に事情を話して、私立蕾学園の地下のとある一室に集まって話し合いをすることになった。
―私立蕾学園 地下 ??? ―
兄の心奏が、母早紀と養護教諭の月夜見先生に連絡をしてから約二時間後・・・
地下にある一室に集まった四人は、部屋に盗聴器や隠しカメラ等が無いかと確認作業を行ってから、ついに本題に入ることに・・・
「忙しい中集まっていただきありがとうございます。では、本題に入りたいと思います。今回、本校で昨日起きた侵入事件と今朝方起きた謎の空震にある共通点が、存在するのではないかと思いその調査を行う協力を仰ぎたくおよび立ていたしました。」
兄の心奏の丁寧な挨拶を皮切りに、始まった会議。
心奏は、昨日起きたことを実体験も交えて詳細を話して更に、今朝方起きた謎の空震の原因を同一人物によるものではないかと仮説を立てた。
昨日起きた私立蕾学園の侵入事件の要注意人物が起こした心奏に対して行った攻撃と今朝方起きた謎の空震の要因を作り出した人物が、同一であり尚且つその人物が相当な手練れした人物じゃないかと推理する兄の心奏。
あまりにもこじつけの様な気がするという考えも一瞬、脳裏をよぎってはいたのだが...
心奏のこの時の予見して推理した結果がまさかの形で現実のものとなるとは、心奏を含め妹の心湊と母親である早紀、そして養護教諭の月夜見先生の誰もが予想の範疇にないものであった。
この日の秘密裏の会話は、約五時間にも及んでいた。
そして、ここで交わされた秘密裏の会話が後に現実のものになるとは、知る由もないのであった。
あまりにもイレギュラー過ぎた私立蕾学園への侵入事件並びに、謎の空震の件。
この二つの事件を皮切りに、心奏たちの住む街に数々の謎多き怪事件そして・・・
通常出逢うことのない者同士が、ぱったりと出逢ってしまう異常が起きてしまうのであった。
果たして、侵入事件並びに謎の空震の件の要注意人物の正体を暴き無事、事件解決をすることができるのであろうか。。。