第18話 これが親友の証!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
心奏の感じていた謎の胸騒ぎが、遂に現実のものとなってしまった。
明らかに、普段生活を送っている中で、見ることの無いであろう天変地異の前触れとも言わんばかりの、荒れた空模様。
時折、雷鳴が鳴り響く有り様であった。
そんな時、黒く立ち込めた暗雲から、謎の人物がゆっくりと地上に降りてきたのだ。
勿論の事、心奏たちは全くと言って面識のない人物であった。
だが・・・その謎の人物は、顔に仮面を着けている為か表情を伺う事は出来ない状態であった。
心奏は、その謎の人物の気配を探ろうと画策するのだが・・・
「何?この禍々しい気配は・・・それに、この圧倒的な威圧感。只者じゃないよ。」
心奏は、謎の人物の気配を探ろうとしただけで、ただならぬ人物でないと見抜き警戒心を強める。
そして、謎の人物は三人を上空から見下ろすと右手に魔力を溜めて、三人に向かい
「貴様らか...我が、計画を邪魔する不届き者たちは・・・。だが、その愚かな行動もこれで最後になる。これは、そんな貴様らに向けた置き土産だ。さぁ、存分に味わうが良い…。」
そう言い残した謎の人物は、右手に溜めていた魔力を暗雲立ち込める空へ向かい解放し去っていったのだ。
だが・・・突如として、黒く立ち込めた暗雲の中からまるで怒り狂った様に、咆哮を上げる巨大な龍が姿を現したのだ。
その巨大な龍は、恐らく十メートルはあろうかという位に、巨大であり尚且つ、全身を鋼の鱗で覆われている。
あまりにも、巨大過ぎる為か三人は、思わず見上げて声を失ってしまう。
すると、巨大な龍は三人目掛けて、口から巨大な火球を放ってきたのだ。
やばいと経験則から察知した心奏は、いざ自身の能力を解放しようとするのだが・・・
「アレが、地上に衝突したら・・・甚大な被害が出てしまう。止めなければ…。解放!聖少女・・・。」
心奏は、聖少女の能力を解放したのだが...
「何だ?力が入らない・・・だと?」
心奏は、強制的に聖少女の能力を解除されてしまったのだ。
半分パニック状態に陥った心奏は、どうしようとあたふたしてしまうのだが...
「あたしに任せて!解放!黄泉津大神!」
心奏の前に割って入った幼馴染の三雲マリンが、自身の能力である黄泉津大神を解放して、巨大な龍が放ってきた火球を受け止めようと、火球に立ち向かって行く。
「この程度の火球なら...」
そうボソッと呟いたかと思った瞬間、幼馴染の三雲マリンは右手で巨大な火球を受け止めて、軽く右手に力を込めてそのまま巨大な火球を巨大な龍に向かい送り返したのだ。
巨大な龍の目の前まで送り返した火球向かって、幼馴染の三雲マリンは「炸裂!」と叫び巨大な火球を大爆発させてしまう。
その光景を地上で見ていた心奏と輝夜の二人は、呆気に取られてしまっていた。
だが・・・この程度の攻撃で倒せる訳がないと察した幼馴染の三雲マリンは、急ぎで心奏と輝夜がいる地上に降り立ち二人に声を掛ける。
「"かなちゃん"、"ちーちゃん"。あの巨大な龍は、この程度の攻撃で倒れる程の相手じゃない。悪いんだけど、アイツを倒すの手伝って!」
そう心奏と輝夜に言い放った幼馴染の三雲マリンは、上空を見上げて巨大な龍の様子を伺う。
その間にも、心奏は能力を解放しようと画策するのだが・・・
全くと言って、能力を解放する事ができないという現実に、一瞬苛立ちをみせるのだが…。
そんな暇は無いと瞬時に理解した心奏は、能力を封じた状態で巨大な龍へ立ち向かう事になったのである。
そして、その様子をみていた輝夜は、心奏のサポートをしつつ巨大な龍へ戦いを挑むのであった。
すると、爆発によって生じていた煙が晴れると...傷一つない状態の巨大な龍が現れて再び咆哮を上げて次なる攻撃に向けてエネルギーを溜め始めていた。
「まさか・・・アイツ。エネルギーを溜めないと攻撃できない系?ていうことは...この手が通じるかもしれない。」
幼馴染の三雲マリンは、巨大な龍の動きを見て瞬時に、巨大な龍はエネルギーを溜めないと攻撃に転じれないと理解して、心奏と輝夜にある作戦を実行しようと提案を持ち掛ける。
「"かなちゃん"、"ちーちゃん"。これは、今思いつきで考えた突拍子もない作戦だけど・・・多分、こうするしかアイツを倒せる方法がないんじゃないかなって、あたしは思う。」
そう言って、幼馴染の三雲マリンは、心奏と輝夜にテレパシーで作戦の内容を伝えて三人で巨大な龍を倒すことに意識を集中させる。
「行くよ!アイツを倒して現実世界に戻ってアフタヌーンティーを楽しみたいんだから!」
幼馴染の三雲マリンの現実世界に戻って、アフタヌーンティーを楽しみたいという願いを叶える為に、心奏と輝夜は今出力できる限界ギリギリの力を解放したのであった。
心奏は、普段から能力に頼らなくても放てる魔力の使い方を父の神翔から教わり鍛錬していたことを、ようやく実践できる状況に、少しの笑みが零れる。
輝夜は、魔力を具現化させて妖刀村雨を創り出して、限界ギリギリまでありったけの魔力を妖刀村雨に込める。
そして、エネルギーを溜め切って巨大な龍は、再び火球を放とうと大きく口を開いた瞬間、三人が行動を起こす。
幼馴染の三雲マリンは、巨大な龍の大きく開いた口に向かい飛び込んで行き放とうとしている火球を、巨大な龍の口内で大爆発を起こす様に、思い切り巨大な龍の開いた口を上から殴り込み開いている口を強制的に閉じさせたのだ。
すると、見事に巨大な龍の口内で放とうとしていた火球が大爆発を起こして、内部からダメージを与えることに成功したのであった。
そこへ輝夜は、鋼の様に硬い鱗でも耐え切れない程の斬撃の大雨を巨大な龍へ浴びせる。
その間に、心奏は父の神翔から教わった秘技をお披露目する為に、右手にありったけの魔力を集中させる。
だが・・・巨大な龍は徐々に内部に受けたダメージを回復し始めて外殻に出来た、輝夜の与えた斬撃の大雨の攻撃も回復されようとしていたまさにその瞬間、黒く暗雲立ち込める空から聞き覚えのある声が響き渡る。
「"かな"。遅くなって悪いな・・・。俺も、助太刀してやんよ!」
“”えっ?誰の声?“”とマリンと輝夜は、挙動不審になるが・・・
心奏は、目に涙を溜めてボソッと「もう…本当に遅いよ。レン。」と呟く。
なんと、心奏の旧友水瀬レンが心奏たちの万事休すの状況打破すべく、助太刀に参ったのだ。
そして、レンは巨大な龍を見つめて言い放った。
「てめぇの様なガラクタは、さっさとスクラップ行きにしてやる。来い!俺が遊んでやんよ。解放!冥界の王!」
レンは、自身の能力である冥界の王の力を解放したのだ。
冥界の王という神の能力をここぞとばかりに、魅せつける水瀬レン。
そして、レンは心奏に向かい「"かな"!限界ギリギリまで魔力を溜めておけ!」と言い放ち巨大な龍に向かい戦いを挑んでいくのであった。
「俺のスピードにどこまで付いてこられるかな?」
レンは巨大な龍を最大限に煽り散らかして、自身に標的を向ける様に、仕向けると上手い具合に巨大な龍はレンを敵対視して襲い掛かるのだが・・・
「甘めぇんだよ!そんな程度の攻撃!」
レンは巨大な龍が放ってくる攻撃を真っ正面からぶち破っては、その勢いのままに巨大な龍へ殴り掛かり物理的なダメージを与える。
勿論の事、マリンと輝夜が与えたダメージでは全くと言って歯が立たなかった外殻をいとも簡単に、亀裂を入れてしまう水瀬レン。
巨大な龍は、暴走状態になりあたりかまわずに攻撃をするのだが・・・
それすらも赤子の様に扱っては、魔力を極限まで集中させている心奏に影響が出ないように配慮までやってのける水瀬レン。
遂に、外殻がほぼ損壊して物理的ダメージを与えられる様になった巨大な龍は、最後の抵抗として悪足搔きの巨大な火球を生成し始めるのだが・・・
レンは冷静に状況を判断して心奏に向かい「俺の合図で、その右手に溜めた魔力を奴に向かって解き放ってくれ!」と言って、レンの方も魔力を溜めて次なる攻撃に向けて備える。
すると、巨大な龍は、巨大な火球を解き放ったのだ。
「今だ!ぶちかましてやれ!」
水瀬レンの叫び声を合図に、心奏は極限まで集中させた魔力を解き放つ!
「神の超電磁砲!」
一瞬、音が辺りから消え去り巨大な火球と心奏の放った神の超電磁砲が、衝突した瞬間、轟音と共に衝撃波が辺りに伝わる。
ほぼ拮抗する技と技の衝突に、地上は勿論の事、空間すらも揺らぎ巨大なエネルギー同士の威力を物語っていた。
すると、水瀬レンは溜めていた魔力を解放させて心奏の手助けに入る。
「"かな"にばかり負担を掛けさせる訳にはいかねぇんだよ!冥王の咆哮!」
心奏の攻撃にレンの攻撃が合わさり融合して、一つエネルギー波となり巨大な龍の解き放った巨大な火球をも貫き、巨大な龍へエネルギー波のダメージが直撃して大爆発を起こした巨大な龍は、塵一つ残すこと無く消し飛んだのであった。
こうして、無事に謎の人物からの置き土産であった巨大な龍を倒す事に成功したのだが・・・
次なる試練を心奏たちに待ち受けていたのであった。
果たして、心奏たちは無事に現実世界へ帰還する事ができるのであろうか・・・
そして、謎の人物の正体とは一体。。。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




