第15話 一触即発!?触れてはいけない真実と姉のカトレアの実力
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
様々な事情が重なり、久々に姉のカトレアと再会した心奏。
だがしかし・・・そんな嬉しいはずの再会も良い方向で、果たされなかったのだ。
心奏と会うなり、言葉を交わすことなく心奏に向けて、衝撃波をお見舞いした姉のカトレア。
傍から見れば、一方的に実弟に攻撃をして苛めているようにしか、捉えられても可笑しくない状況ではあったが・・・
姉のカトレアは、一切の迷いも躊躇もなく実弟の心奏へ衝撃波をお見舞いした。
それには、姉らしい理由があったのだ…。
言葉に出せば、黒い靄の状態の存在が姉のカトレアに気が付いてしまうことで、心奏の身体を乗っ取り攻撃してくるのではないかと、彼女なりの予見が脳内を巡り彼女は、手段を選んでいる場合でないと瞬時に判断を下し、手荒いカタチではあったが。。。
実弟の心奏と黒い靄の状態の存在を離すことに、成功したのであった。
そして、姉のカトレアは黒い靄の状態の存在との決着を着ける為に、自身の能力を解放。
姉のカトレアは、まさに鬼の様な見た目になり・・・異名である鬼のカトレア、百鬼夜行カトレア、鬼神の姉御の名に相応しい風貌へ変化したのだ。
「あまりこの能力は、使いたくないのだが・・・致し方無い。ウチの可愛い”かな”に手を出したのだからな。此方も容赦なくやらせて貰う。」
姉のカトレアは、あまり自身の能力を使いたくないと、口には出してはいるが。。。
実弟の心奏へ手出しをされた事で、堪忍袋の緒が切れてしまい仕方なく使っていると零す。
だが・・・黒い靄の状態の存在は、当初はゆらゆらとまるで浮遊霊の様な感じに思えていたのだが・・・
次第に、人のカタチを成して影人間状態に変貌したのだ。
そんな相手にも容赦なく先制攻撃を仕掛ける姉のカトレアは、黒い靄の状態の存在に向かい強く握りしめた右手の拳に、魔力を集中させて黒い靄の状態の存在に殴り掛かる。
「先手必勝!鬼の鉄槌!!」
姉のカトレアは嬉々として、黒い靄の状態の存在に殴りかかるのだが・・・
少し離れた場所から姉のカトレアの様子を見ていた実弟の心奏は、驚愕の光景を目撃してしまったのだ。
なんと、姉のカトレアが魔力を集中させた物理攻撃が、黒い靄の状態の存在に当たり尚且つ、成していた人のカタチが多少歪んでしまう程の威力を出してしまっていたのだ。
勿論の事、実弟の心奏はそんな驚愕の状況に思わず声を漏らしてしまう。
「う、噓でしょ…。物理攻撃が効いただと...相手は、靄の状態であるのにどうして・・・」
疑問ばかりが心奏に残ってしまっていたのだが・・・
姉のカトレアは、実弟の心奏の言葉を聴きながらでも、お構いなく黒い靄の状態の存在に、次々と”鬼の鉄槌”を喰らわせていたのである。
姉のカトレアの攻撃を喰らう度に、人のカタチが歪んで次第に当初に見せていた浮遊霊の様な姿に、戻っていく黒い靄の状態の存在。
そして、遂に姉のカトレアは渾身の一撃を黒い靄の状態の存在に、クリーンヒットさせて後方へ吹き飛ばしてしまったのだ。
それから姉のカトレアは、実弟の心奏の方を向いて思わぬ事を口にした。
「かな・・・。アレとは、何処で遭遇したんだ?まさか・・・パラレルワールドか?」
姉のカトレアは、実弟の心奏に黒い靄の状態の存在とパラレルワールドで遭遇したのかと、心奏の言葉を待たずして姉のカトレアの口から出てしまいその状況に、実弟の心奏は只々頷くことしか出来なかった。
なんと姉のカトレアは、実弟の心奏の様子と先程交わした軽い会話から、黒い靄の状態の存在にパラレルワールドで遭遇したことを見抜いていたのである。
そして、重い口を開いた心奏は、姉のカトレアに自身の中で渦巻く疑問を投げかける。
「ねぇ、どうしてそこまで解るの?僕、一切その話してないよね?まさか姉さんってエスパーな訳?それに、靄の状態の存在に物理攻撃が通るの?ねぇ、応えてよ姉さん。この僕が目を疑う光景の理由を・・・」
目の前にいる姉のカトレアに、マシンガンの如く疑問を投げかけるのだが・・・
姉のカトレアは、黒い靄の状態の存在がこの程度の攻撃で、やられるタイプの敵ではないと見抜き心奏からのマシンガントークに、返答する前に心奏へジェスチャーで”この場から離れろ!”と促して実弟の心奏と輝夜を父の神翔の居る建物に避難する様に、テレパシーで伝えたのだ。
心奏は、コクっと頷き輝夜の手を引いて、父の神翔が居る建物まで避難していった。
そして、二人の姿が見えなくなったのを確認してから、姉のカトレアは叫び声を上げた。
「てめぇの様な次元の存在が、この程度の攻撃で音を上げるわけないよな?」
姉のカトレアが上げた声を皮切りに、周囲の空気が重くなり黒い靄の状態の存在が、再び人のカタチを成して姉のカトレアへ近づいて来る。
勿論の事、姉のカトレアは次なる策を画策して行動に出た。
「万が一の事があっても嫌だからな。」
姉のカトレアは独り言の様に呟き、地面に魔法陣を展開して
「悪いな。貴方の力貸して貰うわよ。出でよ!餓者髑髏!」
姉のカトレアは、地面に展開した魔法陣から餓者髑髏を召喚したのだ。
すると、地面に展開された魔法陣から餓者髑髏が姿を現して姉のカトレアを見下ろす。
そして、召喚した餓者髑髏に姉のカトレアが声を掛ける。
「黄昏時でもないし丑三つ時でもないこんな状況で呼び出してごめんなさい。貴方にお願いがあるの・・・恐らくもうあの子たちは、私の父の居る建物に着いた頃だと思うのだけれど、今私が相手をしている奴は、次元移動を容易くしてしまう奴だと思うから、貴方には二人を護って欲しいのです。」
召喚された餓者髑髏は、二人が着いたであろう建物の方を見てから姉のカトレアに、語りかける。
「承けき。姐が我呼びいだすぞ久しき。姐の言へる二人を護るべきかな。」
餓者髑髏は、そう姉のカトレアへ告げると二人の後を追うようにして、移動して行った。
二人の事を餓者髑髏に託して、黒い靄の状態の存在に姉のカトレアは立ち向かう。
「これで、心置きなくてめぇの相手が出来る。さぁ、来い!異次元の存在よ!」
姉のカトレアは、黒い靄の状態の存在改め、異次元の存在と言い表し手招きで異次元の存在に、挑発とも取れる行動を起こす。
そして、姉のカトレアの策略に引っかかった異次元の存在は、姉のカトレアを乗っ取ろうとするのだが・・・
「私を乗っ取ろうだなんて・・・舐めるんじゃないわよ!」
姉のカトレアに覆いかぶさろうとした異次元の存在に、魔力を集中させた右脚の蹴りが、人間で表すと腹部に当たる部分に、クリーンヒットさせて異次元の存在を蹴り飛ばしてしまう。
更に、姉のカトレアは右手に魔力を集中させ叫ぶ。
「咲き誇れ我が霊刀!降魔の利剣!」
姉のカトレアは、自身の魔力を具現化させて降魔の利剣を顕現させたのだ。
そして、姉のカトレアは降魔の利剣を握り締め魔力を集中させる。
「てめぇの様な異次元の存在は、単純な攻撃では倒せない。だからこそ、この霊刀降魔の利剣で鎮める。」
姉のカトレアは、集中させていた魔力を解き放つ様に、降魔の利剣を一振りすると、空間上に異次元に繋がるポータル...いわゆる時空を繋ぎし扉【ポータル】を簡易的に生み出して異次元の存在に語りかける。
「そろそろ、元居た場所へ帰りな!秘技・・・次元斬!」
姉のカトレアは降魔の利剣の剣先に魔力を宿らせ一振りの大きな斬撃を、異次元の存在へ向けて飛ばすと真っ正面から降魔の利剣から出た斬撃を喰らいそのまま姉のカトレアが、創り出した時空を繋ぎし扉【ポータル】へ吸い込まれる様に、消えていったのだ。
そして、姉のカトレアも先に二人の元へ向かった餓者髑髏の後を追う様にして、この場を後にしたのであった。
こうして、実弟の心奏に憑りついてきた黒い靄の状態の存在改め、異次元の存在を元居た場所へ強制送還した姉のカトレア。
異名の通りの実力を魅せつけた姉のカトレアは、実弟の心奏同様に裏で蠢く悪の組織に標的にされるとは、この時のカトレアは知る由もないのであった。
果たして、裏で蠢く悪の組織のその正体とは一体・・・
そして、今回相手した異次元の存在の正体に迫ることができるのであろうか。。。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




