第13話 心奏【かなで】の見た世界の姿!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
約一ヶ月もの間、深い眠りから覚めなかった心奏。
その間、意識体として彷徨い色々見てきたと語る心奏。
その時見てしまったのは・・・未来に起こりうるとある異変だと言うのだ。
しかもそれは・・・心奏たちの住む街常盤市だけでなく、日本中をも巻き込んでしまう大きな異変であった。
それについての心境を心奏は、皆の前で語りだした。
「多分、受け入れ難い内容かもしれないけど・・・ありのまま話します。僕が、意識体として彷徨っている間に見たのは・・・崩壊する常盤市…。いや、日本の姿だった。言葉に出来ない程に、見るも無残な光景だった。」
心奏は、前置きに”受け入れ難い”と言ってから、意識体として彷徨っている間に見たビジョンを語るが・・・
父の神翔は、只々腕組をしながら”うーむ。”と唸る事しか出来ず居た。
妹の心湊と輝夜に関しては、驚愕内容過ぎた為か言葉を失ってしまっていた。
だが・・・東雲樺音だけは、心奏が語る事に対してすべてではないが、理解を示していた。
そして、心奏の語ったビジョンに樺音が、自身の考察を交えて語り始めた。
「あくまでもの話として聞いて欲しい。心奏が見たのは...崩壊という運命を辿ってしまった世界線だと思う。今、私たちが生きている世界線と並行して存在している世界線。いわゆるパラレルワールドに心奏の意識が迷い込んでしまったのだと思う。だが・・・もしそれが私たちがいるこの世界線で起きるのだとしたら、途轍もなく大きな存在がいるはず。それも、世界を牛耳ろうとしている諸悪の根源がこの世界のどこかにだ。」
樺音は、心奏が意識体として彷徨っていたのが今、心奏たちが生きている世界と並行して存在する世界線…。
いわゆるパラレルワールドでありその世界で起きたと思われる事象を、偶然にも意識体として彷徨っていた心奏が目撃してしまったのだと語る樺音。
そんな時、心奏は樺音が語るあくまでもの話をキッカケに、今まで忘れていた記憶を思い出していた。
「ねぇ父さん。お爺様って確か...僕が生まれる数年前に亡くなったんだよね?」
心奏は、自身の祖父について父の神翔に問いかけると、記憶を遡って心奏の生まれる前の出来事を思い出していた。
そして、ハッとした表情を浮かべ語りだす父の神翔。
「思い出したぞ。確か、かなが生まれる七年前に逝去している。だが、お爺様について今聞いたんだ?」
父の神翔は、心奏の祖父について聞いてくる事に、疑問を持ち心奏に問いかける。
すると、心奏は父の神翔が驚愕する内容を暴露してしまう。
「人って生死を彷徨った時って先祖の姿を見たりするんだよね?だとしたら、僕が一瞬生死を彷徨った時に、お爺様の姿見てないよ。確か、お爺様って私立蕾学園を創立者だったよね。一度写真で見てるから顔を覚えているから。。。見間違えはないと思う。」
なんと心奏は、意識体として彷徨う前に一度生死の狭間を一瞬だけ彷徨ったと告白した。
しかもそこで、御堂家の先祖の姿を目撃したのだが...そこには、お爺様の姿が無かったと言うのだ。
そんな驚愕内容に、父の神翔はおろか周りに居た妹の心湊や輝夜も驚いていた。
だが、実際に父の神翔は目の前で心奏の祖父・・・神翔からしたら実父が、息を引き取る瞬間に立ち会っている為、心奏が言っている事に"そんなはずはない"と心の内で思っている父の神翔。
その時、心奏が不意に妹の心湊たちが居る方を見るのだが・・・
その中に、妙な気配を感じた心奏は、思わず問いかけてしまった。
「ねぇ...今確か、父さんと心湊と輝夜さんしか救護室の外に居ないんだよね?じゃあ、今父さんの近くに居た"黒い靄の状態の存在"は、一体誰?」
心奏がいきなりホラーなことを問いかけてきたが為に、救護室の外にいるメンバーが思わず心奏が言っていた場所を見るのだが・・・
そこには何も居ないのを確認して、兄の心奏に声を掛ける妹の心湊。
「ねぇ、お兄ちゃんが言っていた場所・・・誰も居ないよ。一体何を見たの?」
妹の心湊は、正直に答え兄の心奏に見たものについて問いかけるのだが・・・
心奏は、嫌な予感が頭を過ぎってしまい思わず声を上げてしまった。
「黒い靄の状態の存在が佇んでいた...だとしたら、不味いよ。この今話していた会話筒抜けになってしまっている。やられた・・・状況的には、深刻な問題になる。」
心奏は、妙な気配を察知して様子を見た時には、ほぼ消えかけの状態の"黒い靄の状態の存在"が居たと語り尚且つ、その存在に会話を聞かれてしまった事に、焦りを見せる。
だが・・・父の神翔、妹の心湊や輝夜に関しては、頭に?としか浮かばない様子であったが・・・
「恐らく、心奏は"黒い靄の状態の存在"が、脅威だと認識しているから、深刻な事態になると発言したのかと思う。」
心奏の隣居た樺音の言葉を聞いて、ふと我に返り事の深刻さを痛感する。
そして、互いに目を合わせて、アイコンタクトを取り"どうしよう”と焦りを見せていると、心奏が語り始めた。
「聞かれてしまったのは・・・もうどうすることもできない。だけど、最悪のシナリオ通りの未来にならないように、行動を起こすしか方法はない。今、この僕たちがいる世界を護れるのは、この世界を生きる僕たちしかいない。だからこそ、みんなには協力をお願いしたい。僕が、見てしまった世界線の様に崩壊した姿を見たくない。それが僕、心奏からの頼み事です。」
心奏は、救護室の外に居る三人に向かって深々と頭を下げてお願いをしたのだ。
すると、父の神翔、妹の心湊や輝夜は共に、アイコンタクトを交わしてから心奏に一言。
『了解!』
三人の阿吽の呼吸で言った“”了解“”という一言に、心奏は再び深々と頭を下げて感謝を伝える。
「ありがとうございます。」
心奏は何度も感謝の言葉を述べた。
それからは、激動の二週間を過ごす事になるのであった・・・
父の神翔は、自身の仕事の合間に修行を行い鈍っていた感覚や力の使い方を今一度、磨きをかけてより一層強化して、いずれ来る大きな事柄に向けて闘志を燃やしていた。
心奏は、自身の能力の欠陥を克服しようと輝夜と共に、普段の学業をこなしながら励んでいた。
だが・・・妹の心湊に関しては、能力が開花してないということもあり万が一の状況に備えて、母の早紀と共に、私立蕾学園のシステム強化に勤しんでいた。
そして、一日・・・二日と時間は流れ行き。
気が付けば、早くも一週間が過ぎようとしていた頃であった。
心奏の元にとある人物より連絡が入る。
果たして、心奏の元に来た連絡というのは、一体何なのであろうか・・・
そして、激動の二週間の後に待ち構えているものとは。。。
心奏は、ひとつの事件をきっかけに、謎の人物から狙われる様になってしまう。
そして、心奏自身は、稀有な存在として扱われていくことになるのであった。




