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第11話 崩壊への制限時間【カウントダウン】

輝夜の脳内ビジョンに浮かんだ映像が、なんと現実のものとなってしまった。


だが・・・見えていた悲惨な未来を二人(かなでとかぐや)は、無事に変えることに成功した。


しかし、そんな二人(かなでとかぐや)を追いかける様に、もう一つの困難がじわりじわりと迫ってきていたのだ。


助けた子熊に完全に好かれてしまった心奏(かなで)は、子熊を抱いて輝夜と一緒に街中を歩き始めた。


そんな時、またしても輝夜の脳内ビジョンにある映像が流れた。


「ううっ…。」


いきなり脳内ビジョンに映像が浮かび上がるのと同時に、輝夜を頭痛が襲い頭を抑えながら、地面に膝をついてしまう。


隣に居る心奏(かなで)は、どうすることもできずに輝夜に声掛けしか出来なかった。


「大丈夫ですか?輝夜さん。少し休みましょう。」


心奏(かなで)に言われるがままに、輝夜は近くのベンチに腰掛けて少し休むことに...


ベンチに腰掛けてから十分後…。


輝夜を襲っていた頭痛は、すっかり消え去っていた。


「ありがとう。少し楽になったわ。でも、あんなに頭痛に悩まされるなんて初めてだわ。」


輝夜は、心奏(かなで)に感謝を伝え、そして自身がこれ程までに頭痛に、襲われたことがないと告白する。


だが・・・心奏(かなで)は輝夜に起きていた事象について凡その見当がついていた。


「輝夜さん。もしかして、その頭痛ってこの世界(パラレルワールド)に来てから起きるようになったのですか?もしそうなら、少し僕はそれについて心当たりがあります。」


心奏(かなで)は、輝夜の頭痛の原因について心当たりがあり尚且つ、輝夜の今置かれている状況にも理解を示していた。


「恐らくの話で聞いて貰って構いません。輝夜さんに頭痛に襲われている時、決まって何かしら脳内ビジョンに未来の映像が見えている時ではありませんか?しかもそれが、ほんの少し先の未来・・・大体一時間以内に起きるであろう事象が、鮮明な映像で見えてる感じですよね。」


心奏(かなで)は、恐らくの話で彼女に起きていることを話したのだが・・・


一言一句違わず起きていることに当てはまりすぎていて、その現実に軽く寒気が走り身震いしてしまう輝夜。


だが・・・二人(かなでとかぐや)がこうしている間にも、刻一刻とあるものが差し迫っていた。


そして、輝夜が調子を取り戻したのを確認してから、再び街中を歩く事に・・・


すると、今度は心奏(かなで)は何かを察知して声を上げる。


「微量な魔力を感じる。ここから少し先にある鉄塔付近が怪しそう。でも何だろうこの言葉に、例えずらい魔力反応は…。」


“”微量な魔力“”という心奏(かなで)の言葉に反応を見せた輝夜は、頭痛に襲われている間に見た映像を思い出していた。


「もしかしてだけど、微量な魔力の正体って・・・」


そう輝夜が、言いかけたその時であった。


二人(かなでとかぐや)の目の前に、鉄塔が見えてきたかと思った矢先、その鉄塔の下部に、まるで扉の様なものが見えたのだ。


「あ、あれは…。時空を繋ぎし扉【ポータル】?」


心奏(かなで)が、思わず呟いた瞬間であった。


突然、二人は下から突き上げられる様な感覚に、襲われたと思った矢先に、次は横方向に強く揺さぶられる感覚にも襲われる。


「噓。。。地震?しかもこの強さは尋常じゃないわ。」


あまりの揺れに思わず声が出てしまう輝夜。


そして、二人(かなでとかぐや)は、突如として大きな地震に見舞われてしまい建物から離れたところに、避難して揺れが収まるの待つのだが・・・


「なんか揺れが収まるどころか少し強くなってませんか?」


心奏(かなで)が思わず呟いた瞬間、今までで一番強い揺れと衝撃に襲われてしまい周辺の建物の窓ガラスは、次から次へと割れて下へ降り注いで、先程まで二人(かなでとかぐや)のいた場所は割れたガラスが散乱していた。


それから、揺れが収まるのを待ち約五分後・・・


ようやく揺れが収まり動けるようになった二人(かなでとかぐや)は、一旦目的地を鉄塔付近に変えて歩き始めた。


少し少しと、鉄塔に近付く程微量な魔力だったものが。。。


どんどんと強さを増していき二人(かなでとかぐや)が、鉄塔の目の前に来る頃には、地肌がピリピリとする様な感覚に陥ってしまう。


()()()と同じ強さね。この魔力反応。」


輝夜が、反応して声を上げた。


輝夜が、言っている()()()というのは、二人(かなでとかぐや)が名も無き島に着いた時に感じていたものに類似してからである。


だがしかし・・・いざ扉の前に来て様子を伺っていると、先程起きた大きな地震の余震と思しき揺れに襲われてしまう。


「くっ・・・一体、どうなっているんだ?この世界(パラレルワールド)は・・・」


苦虫を嚙み潰したような表情で言葉を漏らしてしまう心奏(かなで)


その最中でも心奏(かなで)は、助けた子熊を優しく抱きしめて恐怖感を極力与えないように、護っていた。


そして、揺れが収まるのを待ってから二人(かなでとかぐや)は、立ち上がり扉に手を掛けた瞬間・・・


"バン"っと勢い良く扉が開き、またしてもブラックホールに吸い込まれてしまう様に、中に吸い込まれてしまったのであった。


それから、しばらくの間二人(かなでとかぐや)は、気を失ってしまい気が付いた時には・・・


名も無き島の何もない草原に倒れていて、心奏(かなで)が優しく抱きしめていた子熊が、心奏(かなで)の様子を心配そうに見ていることに気が付き、心奏(かなで)はゆっくりと体を起こして子熊を抱き寄せて、隣に倒れている輝夜に声を掛けた。


「輝夜さん。大丈夫ですか?」


心奏(かなで)の声を聴きゆっくりと体を起こす輝夜。


軽く意識障害が起きている為か、目の焦点が合わず倒れそうになるが…。そっと心奏(かなで)は、左手で輝夜の身体を支える。


「ごめん。ありがとう。」


輝夜は声を絞り出す様に呟き、心奏(かなで)の左手に身を委ねる。


心奏(かなで)に、優しく抱かれている子熊も輝夜の様子を気にする様な素振りをする。


だが・・・そんな安心していられる時間も長く続きはしなかった。


突然、異常な魔力反応を感じたかと思った矢先に、嫌な予感を心奏(かなで)を襲う。


「やばい。この島・・・爆発を起こす。」


小さく呟いた心奏(かなで)は、すかさず行動を起こした。


まだ、自身の能力を解除してないことに気が付き、急いで名も無き島を後にしようとしたその時であった・・・


急に力が抜け全身を脱力感に襲われたかと思いきや次は、物凄い動悸と息切れが心奏(かなで)を襲ってしまう。


「はぁはぁ・・・。魔力が底をつきかけている。不味い...はぁはぁ…。でも、神恋島まで戻らないと・・・」


息を切らしながらも心の声を漏らしてしまう心奏(かなで)は、一か八かの賭けに出た。


それは、前もって神恋島を後にする前に父の神翔(かみと)にテレパシーで、伝えていたことを実行するというものであった。


         ―時を遡る事…。神恋島出発前。―


心奏(かなで)は、輝夜を抱きかかえていざ、出発する前に最悪な想定を考えていた。


それは、体力と魔力が底を尽きる可能性がゼロではない。


そして、目的地の名も無き島が何かしらの災難に、見舞われてしまう。


そのことを踏まえて、心奏(かなで)は、テレパシーで父の神翔(かみと)に話しかける。


〔父さん。僕たちは、これから名も無き島に行ってきます。ですが・・・なんとなく嫌な予感がするので、僕が言うことを実行してください。お願いします。一つは、能力を何時でも使えるようにしておいて欲しい事。そして、もう一つは・・・妹の心湊(ここみ)に、僕が少しの間目を覚まさなくても普段通りに過ごして欲しいと・・・〕


テレパシーで心奏(かなで)は、父の神翔(かみと)にそう伝えると神恋島を後にするのであった。


そして、心奏(かなで)の予感は見事に的中してしまった。


だが・・・もう迷っている暇は無いと悟った心奏(かなで)は、遂に実行に移した。


「神恋島まで持つか分からないけど・・・やるしかない。能力解放!聖少女(ヴァルキリー)。」


心奏(かなで)は、一か八かの賭けで能力解放して神恋島のある方を見つめる。


〔父さん。待機をお願いします。〕


テレパシーで父の神翔(かみと)に伝えると、力を出し切る勢いで名も無き島の地面を蹴り勢い良く飛び出す。


勿論の事、心奏(かなで)は神恋島まで魔力と体力が持つか想像もつかぬ内に、名も無き島を後にする。


一方その頃・・・


心奏(かなで)からのテレパシーを受け取った父の神翔(かみと)は、神恋島の心奏(かなで)が出発した地点に来ていた。


「微かに"かな"の魔力を感じる。だが・・・これはやばいな。しののんに救護室の準備を進めて貰えるように、連絡しなきゃな。」


少しずつ地平線の向こう側から感じる心奏(かなで)の魔力を感じ取りながら、父の神翔は”しののん”こと、東雲樺音(しののめかのん)へテレパシーで救護室を至急準備するように命じた。


それから、五分後・・・


心奏(かなで)の姿がもうすぐそこまで見えてきた時であった・・・


「かな!もう少しだ!」


父の神翔(かみと)が、心奏(かなで)に向かい叫んだ直後に、一瞬空気が揺らめくの感じて嫌な予感を父の神翔(かみと)心奏(かなで)を襲う。


「来る・・・。向かい打たねば。能力解放!全知全能の神(ゼウス)!」


神翔(かみと)は、全知全能の神の力を解放して、ギリギリのところで到着した心奏(かなで)を受け止めて、近くに待機させていた東雲樺音(しののめかのん)心奏(かなで)と輝夜、そして子熊を託して建物に避難する様に、命じて神翔(かみと)は次に来る嫌な予感の正体に立ち向かうのであった。


「急いで避難するんだ。しののん!もう時機次の衝撃波が来る。」


神翔(かみと)は、東雲樺音(しののめかのん)に向かい叫んだ。


言葉を聞き頷き、足早に心奏(かなで)たちを建物内の救護室へ運んでいくのであった。


そして、神翔(かみと)はゆっくりと目を閉じて名も無き島の方へ意識を集中させる。


「来る!」


神翔(かみと)は小さく呟き、魔力を高める。


すると、地平線の向こう側から空気の揺らめきを感じたかと思うと神翔(かみと)は、すぐ行動に出た。


「この島は、俺にとっても思い入れが深い島だ。その島に被害を出させるわけにはいかぬ。」


神翔(かみと)は、独り言の様に呟き高めた魔力で、神恋島を覆いつくすバリアを作り出した。


そこへ名も無き島の爆発による衝撃波が、衝突して轟音が辺り一帯に響き渡る。


そして、神翔(かみと)はバリアに損壊が無いかと確認した上で、次の行動に出た。


それは、遅れてやってくる津波の威力を弱める為に、神翔(かみと)は神恋島の上空へ移動して魔力を集中させる。


「来たな!だが・・・この島には、被害を出させないぞ。」


神翔は、集中させていた魔力を右手に集めて巨大な魔力の球体を作り出して、津波の向かって来る方向へ勢い良く投げつける。


炸裂(バースト)!!」


神翔(かみと)が叫ぶと、巨大な魔力の球体は大爆発を起こして、向かってきた津波を飲み込む。


その様子を確認してから、神翔(かみと)は島内へ降りて未だ傷一つ付いていないバリアに向かい魔力を注いで、より一層強固なバリアを作りだす。


そこへ威力は半減してはいるが、神恋島を丸吞みに出来る程の威力の津波が襲うが・・・


神翔(かみと)が作り出したバリアの前には、敵うことなく津波はバリアにぶつかりそのまま勢いが弱まり次第に、普段通りの海の姿に戻り無事に、神恋島に被害を出すことなく事なきをを得たのであった。


無事に、心奏(かなで)たちはパラレルワールドから帰還することが出来たのだが・・・


この一件は、心奏(かなで)たちを襲う困難の氷山の一角にも過ぎないのであった。


果たして、心奏(かなで)はこの先襲い掛かる困難をどう乗り越えていくのであろうか・・・


そして、心奏(かなで)を襲う次なる試練とは一体・・・




































































































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