プロローグ
完結に伴い文章修正。
俺、佐村 優はどこにでも居るごく普通の中学生。
ある日それは起こった。否、起こってしまった。
女の子がボールを取りに道路に出た時だった。
大型トラックが迫ってきた。
俺は、女の子を助けに道路に飛び出したんだ。
女の子が怪我をしないように抱えて俺は、トラックに轢かれたんだ。
何とも言えない激痛が俺の身体中を駆け巡った。
俺は神様に祈ったんだ。(どうか、女の子だけは無事でありますように!)って。
俺、死んだのかな?
俺の周りは光だけだった。
「おぬし、女の子を助けるために自分を犠牲にしたのだな?」老人が俺に話しかけた。
「おじいさん、誰?」
「神様じゃ! 可愛そうだから別の世界で生を与えよう。今の記憶を引き継ぎ、チートじゃ! 凄いじゃろ!?」
あぁ、やっぱり死んだのですね。
「いいですよ……」俺は承諾してしまったんだ。
「ちなみに、女の身体じゃからの?」
「はい――って、なんで女の身体なんだよっ?」
「勇者じゃぞ! 年齢はそのままでいいじゃろう。じゃ頑張っておくれ。そっちの世界では仲間を付けておくからの、私の可愛い孫よ」
「ちょっと待てぇぇ! くそじじいぃぃ!」
その言葉を最後に俺の意識は落ちたんだ。
「うぅ……。神様、こうゆう移り方って嫌だぜ」と独り言をつぶやきながら上半身を起こす。
俺は胸があることに気づく。そうか。女になるって言ってたっけ。意外と俺は順応性が高いのだ―諦めが早いとも言う―多分ね。
俺は、集落を見つけるために歩き出した。
目の前には、剣と日本刀が置いてあった。
俺は好奇心で持ち上げてみた。
日本人だから日本刀を。
シャナの持っている刀にそっくりだな。と俺は思ってしまう。
なぜ、そんな事を言うかというと俺はライトノベルが好きだからだっ! 特にシャナはっ! 格別だ。
「おお! 勇者様……」俺はその声の方を向いたんだ。
俺と同じぐらいの年齢の男が立っていた。
俺は日本刀に消えろと念じてみた。日本刀は消えた。うん。ファンタジーだな。
――ついでに、剣も消しましたよ?
その男は俺に近づき俺の胸を揉んできやがった。
「あんっ!」俺の声だよね? 嫁に行けないっ!
俺はその手を振りほどき
「なんで、揉むんだ!」と言った。
「……それより、村にいきましょう」くそ、無視したな!?
男は俺にお姫様抱っこをすると村に向かった。
「俺は佐村 優。あっ、名前は優の方な。お前は?」
「サイトだ」
「サイト、寒いんだけど?」俺の言葉を聞いたサイトは上着を脱ぎ俺に着させた。
村に着くと同時に俺は、弄ばれた。
風呂に入れられたり、着せ替え人形にさせられたり……等々。
「サイト、俺死んじゃう」
「大丈夫だ。俺がついてるから」いや、お前の方がよっぽど危険なんだが?
だって、胸揉んでくるし。
俺はサイトを蹴り飛ばして、身の安全を確保した。
程なく、睡魔に誘われる俺。
「睡魔が……。おやすみ」俺は誰にも聞こえない様に呟いて、布団にくるまって寝た。
これが夢だと……信じて。
皆さん初めまして。
初めて異世界&勇者モノを書きます。
では、これからしばらくの間お付き合いお願いします。