表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

あれから·····

あれから5年がたった。


と一言で言えない怒涛の日々だった!


予想通り、侯爵家は没落。宰相閣下は宰相を辞職じゃなく罷免。侯爵位も没収され、平民になった。他の攻略対象者達の家も同じ。


そこからヒーローsの親達と筆頭公爵家に恨みを持つ貴族が謀反を企てた。

サバリス公爵はもう王太子になっていて、あっちが兵を動かす直前で鎮圧。全員捕らえられ、牢の中に罪人が入り切らなかったって噂されていた。


なんでこんなに手際が良かったか?

内通者がいたのよ。


なんと、私の元旦那様が王太子に密告していた。説得したけど止まらないから止めてくれってボロ雑巾のような姿で、伝えに来たんだって。


王太子も謀反があると予想してたらしいからそこからの行動が早かった。

反乱軍も元旦那様が逃げた事で焦って事を起こしたけど、王太子のほうが上手だったようだ。


罪人達は拷問後、公開処刑。7才未満の子供は平民として生きることになった。


もう毎日毎日、広場で処刑(ギロチン)されて(あか)の広場って呼ばれるようになったのよ。

その様子を王太子親娘は眉1つ動かさず見ていたらしい。

(私は見に行ってない。)

その姿を見て、誰もが戦慄したらしいけど、罪人の財産で平民学校設立したり、病院作ったり、環境整備したりで(皆どんだけ溜め込んでたのよ!)国民からの人気はうなぎ登り。

貴族達は自分たちも粛清されるのを恐れて大人しい。国王夫妻は公式発表では病気療養中·····生きてんだよね?!


そんな中で、うちの伯爵家も侯爵に陞爵された。(反乱軍に高位貴族も結構いたからね。爵位が余ってるのよ。)


他にも実力があり、王太子を支持してる所や、国に利益がある平民も陞爵や叙爵された。



この5年で国も色々あったけど、私自身にも色々あったのよ。


冤罪証明の立役者って事で領地付きの子爵位を賜った(^Д^)وヨッシャー!!!


そして女子爵として王宮に参内して言われたのが、元旦那様の看病だった(なんでやねん!)

断ろうとしたけど、悪役令嬢改、第一王女に事の経緯を説明され、笑顔で圧をかけられたら断れる訳ないっ!!



王宮で見た元旦那様は··········これ、生きてんの?って聞きたくなる有様だった。

顔は原形が分からないくらい赤と青の斑で腫れてたし、医者が言うには四肢のあちこちも斬られ骨が折れて、いつ死んでもおかしくない。とか覚悟してくれ的に言われた。


さすがの私もこんな元旦那様に、自業自得なんて思える訳もなく、複雑な気持ちで一生懸命看病したわよ。いや、もう何度も危篤になってたから、途中から無心で看病してたわ。


1ヶ月程して命の危機は脱したけど、その状態で王太子親娘と謁見。

元旦那様はガリガリにやせ細り1人で歩けないから担がれて行き、今回の働きで連座は回避する旨を公表された。

でもまだ重症の元旦那様は、その場で倒れまた危篤状態に陥った。(何してくれとんじゃ!)

そして何度目かの危篤状態からの復活。


私は王太子親娘の鬼畜さと元旦那様の生命力に慄いたよ!!


何とか生き残ってくれて、まともに歩けるようになるのに1年かかった。

その間私は子爵業と看病の2足の草鞋で、よく過労で倒れなかったなぁと遠い目になる·····。



現在は子爵業にも慣れ、領地と王都を行ったり来たり、時々第一王女とお茶会や夜会にもでてる。



元旦那様はと言うと、なんでか子爵家で従者してる。初めは下男として庭仕事をしてた。

肥料を担いだ元旦那様を見た時の衝撃は忘れられない。

「ギャァァァァーーーーー」

と淑女にあるまじき雄叫びを出して逃げたけど、私は悪くない。王宮に行き、面会申請してないのに王女を呼び出したのも錯乱してたからだ。


王女は私の不敬を咎めず、笑顔で出迎え「彼を担ぎ出されると困るから監視お願いね」とまたもや圧をかけてきた。

それに怯むことなく(本当はめっちゃガクブルだったけど)断ろうとしたら、

「緋の広場に行ってみる?」と更に笑顔を深くして言われた。命が惜しい私は青くなりながら首を横に振った。


この親娘なら、あの時に助言しなくてもシナリオ終了後に王家を叩き潰してただろうな·····


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ