秋のどんぐり祭り到来!! みなさま、食べるのです!!
はい、みなさまこんにちは~、ひだまりのねこですにゃあ。
ついに来ました!! 豊穣の秋!! 秋といえば、どんぐり!! どんぐりといえば、秋の味覚!! どんぐりって実はフルーツなんですよ!! どうですか? 食べたくなってきませんか?
今日は身近だけど、意外と食べたことがない人が多そうな、美味しいどんぐりのお話。
どんぐりといっても、日本には22種類の固有種があります。交雑種や亜種を含めたらもっとありますけれど。皆さまご存じ秋の味覚の代表格クリも、もちろんどんぐりの仲間。みんな大好きヘーゼルナッツなんて、見た目完全にどんぐりですからね。ほら食べられそうでしょ?
よくニュースで、どんぐりの不作でクマが……なんて聞くと思うのですが、実際、自然界の多くの動物たちの命をつないでいるのは、他ならぬどんぐり。高タンパクで栄養価が高く、最近また脚光が当たりつつある食材なのです。
縄文時代から我々日本人の主食の一つであり、日本全国、手軽に手に入る森の恵み。
少し大き目の公園でしたら、大抵なんらかのどんぐりがゲットできると思いますので、ぜひ気分転換にどんぐり拾いしてみませんか?
とはいえ、動物たちが美味しそうにもりもり食べるどんぐりですが、人間にはアク抜きしないと渋くて食べられない種類も多いです。あ、ちなみに、さっき挙げた22種類全部食べられますからね。アク抜き面倒くさいって方はそのまま食べれる種類を探しましょう。
シイ・マテバシイ属のどんぐりは、アクも少なく、生でも食べられます。代表的なのは、スダジイ、マテバシイ、ツブラジイなど。いずれも、葉っぱがギザギザしていないので、親木を見れば判別は出来るかと思います~。
ブナ・クリ属のどんぐり、ブナと柴栗(別名:ヤマグリ)もアクが少ないので、炒ったりして食べることが出来ます。
それ以外のどんぐりは……もちろん全種類食べられますけど、渋柿並~数倍といわれるタンニン(渋み成分)との戦いが待っています。なるべくならば避けるのが賢明です。
一応アク抜きのやり方を書いておきます~。
①容器に水を入れてどんぐり浸けます~。
②浮いているどんぐりを除外します~(虫食いのどんぐりを取り除くためです)
③沈んでいるどんぐりの殻を剥いて細かく砕きます~。
④鍋などで沸騰したお湯で茹でます~。
⑤浮いてきたアクはその都度取り除いてね~。
⑥お湯を切って水洗いしたらザルなど上げて水気を切ってね~。
これでも渋みが残っているときは④以降の工程を繰り返します~。はい、お疲れさま。
さて、いざ食べるとなると気になるのが、どんぐり虫ですね。水に浮いたどんぐりを除外すればほとんど大丈夫ですけど、たまに入っている可能性もゼロではありません。
はい、大丈夫です。万一入っていても気にせず食べましょう。
ドングリのような炭水化物は,分解され糖となって甘みとなり、タンパク質は,分解されグルタミン酸やイノシン酸などのアミノ酸となり、うまみとなります。ドングリ虫はいわば、うまみの塊なのです。かつては貴重なタンパク源として食されていました。
私は食べたことは無いのですが、アベマキというどんぐりを食べたどんぐり虫は、カールのような味がするそうです。
動物たちにとっても、うまみプラスとなるので、これはガチャでいえば当たりどんぐり!!
食べ方としては、どんぐり粉にしてクッキーやお団子、ケーキなど、小麦粉の代替として使うのが一般的ですが、結構手間なので、私は、フライパンで炒って塩を一振りがおすすめです。モチモチ感が増して甘みも強くなるので美味しいですよ~。
フライパンで炒る際は、水洗いして殻ごとでOK。弾けることもあるので、ふたをすると安心です。冷めると不味くなるので、熱いうちに殻をむいて、塩を一振りがベスト。
もっと簡単な方法としては、封筒や重ねた新聞紙なんかに入れてレンジでチンしても美味しいですよ~。
アクの少ないスダジイやマテバシイなら、丸ごとご飯と一緒に炊き込んだ、どんぐりご飯なんかも簡単で美味しいよ~。
ちなみに、どんぐりは乾燥したら死にます。休眠しない種類の植物なので、庭で育ててどんぐりパーティーをしたいと考えている方は、拾ったらすぐに植えましょう。落ちてすぐなら、発芽率は9割です。
自然界では、小動物などに土に埋めてもらうことで発芽可能となるどんぐり。
公園では子どもたちに埋めてもらわない限りゴミになって朽ちるだけなのです。実にもったいない。この時期だけしか味わえない秋の味覚、レッツチャレンジなのです!!
それでは、みなさま、森のリスさんやくまさんになった気分で、良きどんぐりライフを~。
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参考までにどんぐり(椎・生)100gあたりの主な栄養
エネルギー:252kcal
水分:37.3g
たんぱく質:3.2g
脂質:0.8g
炭水化物:57.6g
灰分:1.1g
ナトリウム:1mg
カリウム:390mg
カルシウム:62mg
マグネシウム:82mg
リン:76mg
鉄:0.9mg
亜鉛:0.1mg
銅:0.36mg
マンガン:2.72mg
βカロテン当量:7μg
ビタミンK:16μg
ビタミンB1:0.28mg
ビタミンB2:0.09mg
ナイアシン:1.3mg
ビタミンB6:0.19mg
葉酸:8μg
パントテン酸:0.59mg
ビタミンC:110mg
飽和脂肪酸:0.10g
一価不飽和脂肪酸:0.51g
多価不飽和脂肪酸:0.15g
水溶性食物繊維:0.7g
不溶性食物繊維:2.6g
※文部科学省「日本食品標準成分表」より
※追記:このエッセイで言及したどんぐり22種とは、以下のものです。
ブナ、イヌブナ、クリ、コナラ、ミズナラ、アベマキ、クヌギ、カシワ、ナラガシワ、ウバメガシ、アカガシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ、シロガシ、アラカシ、ハナガガシ、イチイガシ、オキナワウラジロガシ、スダジイ、ツブラジイ、マテバシイ、シリブカガシ 以上22種。
どんぐりではありませんが、見た目がクリに似ているマロニエ(セイヨウトチノキ・英名コンカー)は食用には適しません。街路樹などに植えられている地域もありますので、ご注意ください~。