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第79話 魔獣料理を初体験

皆様のおかげで『アラフォー冒険者、伝説となる』2巻。

初動好調のようです。お買い上げいただいた方ありがとうございます。

 真っ二つになった馬車は、中央に向かってひしゃげる。


 そのまま地面に弾かれるように飛び上がり、しばし宙を舞った。


 人が空を飛んでいくのがわかる。


 僕は地面を蹴って飛び上がる。


 真っ直ぐ向かったのは、一際小さな影だ。


 地面に叩きつけられる前にキャッチし、魔法で衝撃を吸収しながら地面に着地する。


 猿轡を外し、続いて呪いを解く魔法をかけた。


 【解呪の秘珠】


 一瞬呻いたロラン王子の顔が穏やかになっていく。


 僕はさらに回復魔法をかけて、暴行の後を消し去った。


 概ね回復が終わると、ロラン王子の瞼が開く。


「大丈夫ですか!? ロラン王子!?」


「まさか…………ルーシェルなのか。どうしてここに?」


 一応【予知】の力を使って無事なのはわかっていたけど、意識はある。


 どうやら呪いの解呪にも成功したらしい。


 僕は念のため【竜眼】で、ロラン王子の状態を確認した。問題はなさそうだ。


「助けに来ました」


「助けに…………? ――――馬鹿者!!」


 ロラン王子は弾かれるように起き上がる。


 まだ頭の打撲痕が残っていたのか。すぐさま頭を抱えて蹲った。


 僕はスライム飴を道具袋の中で摘まんだが、その前にロラン王子の反論の方が早かった。


「ルーシェル! お前が強いのは知っている! でも、わかっているのか!! 余をさらったのは、プロだ。子どもの悪戯ではないのだぞ」


「そんなことわかっておるわ」


 ふわっ、と激しい突風が舞い込む。


 振り返ると、真っ白な鱗の竜がすぐ近くに着地するところだった。


「ユラン! フレッティさんは??」


「もうすぐ馬車を引いてやってくる。王子様のな」


 あ。そういうことか。


 ユランにはフレッティさんを連れてくるように頼んでいたけど、忘れたのかと思ってた。


「ユラン? まさかあの祭りの時にいた」


「はい。彼女はホワイトドラゴンなんです」


「ほ、ホワイトドラゴン!!!!」


 いつも決め顔を浮かべているロラン王子の顔が、この時は面白いぐらい歪む。


 僕はちょっと笑いそうになったけど、驚くのも仕方がない。


「王子、誠に申し訳ないのですが、これを食べて下さい」


「あ、飴? ば、バカ! 余を子ども扱いするな。ま、まあ、気持ちは貰っておくが」


 王子はユランに驚いた顔を誤魔化すように、僕から差し出された飴を舐める。


「ふむ。なかなか美味だ。ん??」


 どうやら、ロラン王子の傷も回復したようだ。


 頭の瘤が消えていた。これでもう安心だろう。


「この飴は回復薬か。それにしてもうまいな。なんの砂糖を使ってるんだ?」


 どうしようかと思ったけど、僕の力がバレるのは時間の問題だし。


 ロラン王子なら信頼できるだろう。


 僕は正直に答えた。


「怒らないで下さいね」


「は? 別に怒りはせん。余は大海より心が広いのは、ルーシェルも知ってるだろ?」


「ははは……」


 僕は苦笑で返す。


 ちょっと偉そうに咳払いしてから、こう言った。


「スライムです」


「……はっ???」


「スライムで作った飴なんですよ」


「はあああああああああああああああああああ!!」


 ロラン王子は顔を真っ赤にする。


 怒らないって言ったのに……。


「す、スライムだと! 本当にスライムなのか?」


「何なら、ここで作り方を実践しましょうか?」


 ロラン王子が頷くので、いつも通り野良スライムを未消滅化させて、飴の元となるアメーバ状の外殻をゲットする。


 お湯を張った鍋の中に、さらに平鍋をお湯につけてスライムを消毒する。


 放っておいても固まるのだけど、こうやって湯煎しておくと、変な雑味も飛んでおいしくなるのだ。


 固まるのを待ち、そして――――。


「できました! スライム飴です!!」


「本当に作りおった!!」


「食べてみますか?」


 差し出すと、ロラン王子は再びスライム飴を頬張った。


 スライムって聞いたのに、また食すなんてよほど気に入ったんだな。


「うまい! 先ほどの味だ! なあ、あまり考えたくないのだが、ルーシェル。お前が作る料理って、まさか……」


「実は魔獣を使った料理なんです」


「や、やはりか! もしやと思ったが……」


 そう言って、ロラン王子はちょっと難しそうな顔をする。


 ぐるりと首を回すと、周囲の状況に初めて気付いた。


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― 新着の感想 ―
[一言] スライム飴の調理……ち、ちょ、っ待てよ(キム○ク風味)プロの殺し屋達はまだ生きてるんじゃないの? すげー余裕じゃん、ってかホワイトドラゴンを警戒してるのか……王子様の反応、かぁいいねぇ。
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