婚活を始めて気づいた空っぽのわたし。
わたしは婚活を始めた当初、自分の自己肯定感が無いため相手に何を求めるか聞かれてもまったく思いつかなかった。
唯一必要な条件はわたしの姓に変えてくれること。親もそれを求めているはずだった。
だからその条件に合う人を親に紹介しても、
給料が低い、身長が低い、顔が悪い。転勤が多い会社は許せない(単身赴任なら良い)など、親は文句しかつけない。
直ぐに別れさせられるのが続いた。
そんな条件の良い男性と、姓が変えられない自分の娘が釣り合うと思っているのか。
親に色気づいてると思われるのがおそろしくてまともな下着ひとつ買えない人間が、どれほど努力して相手を探してきているのか分からないのだろうか。
田舎なので地元に残っている男性はほとんど跡継ぎの長男だ。次男、三男はだいたい都会に出ている。
地元に戻ってくる時は、身体か精神を病んで仕方なくというパターンが多い。
また次男が居たとしても都会から戻ってこない長男の代わりに家を継がないといけないなどの事情もあり、姓を変えられる男性はまずいない。
また、変えられたとしても、男性が姓を変えるのは仕事に影響があったり親からの反対があったりして大変難しい。
その茨の道を抜けてようやく見つけた好きでもない男性を親に紹介し、その度にそんな相手しか見つけられないのかと嫌味を言われ、関係が破綻し別れの面倒くささがやってくる。
わたしは1年間の婚活を経て、結婚を諦めてしまった。
諦めて初めてこんなことを強いる親に疑問を持つことができた。
わたしは何か根本が違っている。
こんなに苦しむなんて間違ってる。
なぜわたしだけ、結婚にしあわせを求めてはいけないんだろう?
それから自身の育てられ方を振り返り、その場その場で子どもの頃のわたしがことばにできなかった違和感や、実は気づいていた親の中の偏見や差別を見つめる苦しい長い時間が始まってしまった。