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犬をなでるだけの簡単なお仕事です  作者: maochoko
第三章 新しいお仕事と異世界ギルド
35/94

35 ちょう子さんからの相談


本日2話目です。





 結論から言おう。


 いつでも購入することのできる購買でまとめ買いをするのはバカのすることだ。


 先日、私はワンワンパラダイスからの仕事帰りに、二、三キロはあるミステリーボックスと一キロの米、二キロのドッグフード。さらに十二ロールのトイレットペーパーという大荷物を抱えて帰宅することになった。


 距離が短いのが不幸中の幸いだったけど、同じ日に嵩張る物や重い物をまとめて注文はしないと心に誓った。




 そして、今日も私はワンワンパラダイスで一日お仕事をしてきた。


 最近は、やんちゃな犬や大型の犬のあしらいにも慣れてきて、無理することなく一匹五分程の自分のペースでふれあうことができるようになった。一日に七十匹前後のわんちゃんをモフるので、だいたい日給一万七千円くらいを稼げている。


 今のお部屋で一番の仲良しはシー・ズーのデイジーちゃん。黒目がちの大きなお目々に、頭のてっぺんをリボンで結んだ十歳の女の子だ。

 ちょっとまると雰囲気が似ていて、愛着が湧いてついついふれあう時間が延びてしまう。贔屓は良くないので気をつけよう。


 まるはマルチーズの雑種だと思っていたけど、シー・ズーが混ざっているのかもしれないな。


 デイジーちゃんの方が鼻がつぶれているし、模様も黒味が強いけど、なんとなく惹かれてしまうものがあるんだよね。


 いやあ、今日もたっぷりモフって大満足。

 明日はお休みの予定なので、おうちでゆっくりまるをモフろう。


 などと考えながら、足取りも軽くギルドへ戻ってきた。



 ◇



 今日の報酬を精算してから、ちょう子さんが改まって言う。


「ななさん、ちょっと相談したいことがあるんですが。お時間大丈夫ですか?」


 新しい仕事のことかな、と覚悟を決めて、


「はい、大丈夫です」


 と面談ブースへ移動した。


「まず、一つ目の案件なんですが、購買の品目を少しだけ増やせるそうです。何か希望の品はありますか?」


 おっと、これは予想外だった。嬉しいニュースだ。


「ええと、調味料とか? あとはペットシーツは無理ですかね?」


「うーん。たぶん大丈夫だと思いますよ。要望としてあげておきますね。どのくらいの金額になるかとかまだわかりませんが、お店で買うよりは割安で出せると思います」


 やった。言ってみるもんだね。


「そう言えば、トイレットペーパーとかペットシーツとかも異世界のものなんですか? 社販で取り寄せって、そういうことですよね?」


「えーと、経営の裏事情にあたる部分は全てを明かすことができないんですよ。すみません。ただ、ミステリーボックスはまるっと異世界の品ですね。他の購買品に関しては、こちらの世界で仕入れている物ですので、品質には問題ないかと思います」


 …………。


 秘密の安く仕入れられるルートがあるってことなのかな? まあ、私としては得している訳だし、異世界産のミステリーボックスもちゃんと美味しく食べられているんだから。気にしないでもいいかな。


「それから、こちらが本題なのですが、新しいお仕事についてです」


「あ、やっぱりきましたか。お願いします」


「ははは。言い出し辛くて先に購買の話を振っちゃいました。ごめんなさい。また、捕獲のお仕事なんですが……」


 てへへ、と頭を掻きながらペコリと首を傾げる。この仕草が憎めないんですよねぇ。


「またハムですか?」


「いえ……、それが……、その、ミミズなんです。さすがに苦手ですか?」


 ちょう子さんがおそるおそるといった風に聞いてくる。


「噛みついたりしないですしね。ミミズは怖くないですよ」


 人の方がはるかに怖いよね。


「あー、よかった。草取りの依頼なんですが、ミミズが多いらしくて。受け手が見つからなかったようでして。草取り半日十Gプラス特別報酬ミミズ駆除十Gとなります」




 すごく良い報酬だ。

 これは絶対受けよう!






お読みいただきありがとうございます。


新しいお仕事に挑戦するようです。

人間嫌いなのでどうしても動物相手の雑用系が多くなりますが、一人で黙々と作業することの方が好きなので性に合っているみたいです。


明日も2話更新する予定です。

引き続きお楽しみいただければ嬉しいです。



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