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犬をなでるだけの簡単なお仕事です  作者: maochoko
第二章 犬をなでるだけの簡単なお仕事
19/94

19 二度目のお仕事


ブクマ、評価ありがとうございます。


本日1話目です。





「頑張って下さるのは、こちらとしてもとても嬉しいのですが、頑張りすぎは続きませんよ。様子をみながら少しずつ慣れていきましょうね」


 ちょう子さんと話し合った結果。

 今日はこれから九時から十二時まで三時間、午前中の半日受けでワンワンパラダイスに行かせてもらうことにした。


 昨日と同じ感じでやれば六千円になる。これで電気代も払えるし、購買で何か少し買ってみることもできる。まあ、なんとかなりそうか。


 私としては他にも支払いがあるので、このお仕事なら毎日フルタイムで働きたいところなんだけど、


「体調のことも気にしつつ、明日はまた明日の様子で決めていきましょう。急に無理するのはおすすめできません」


 ちょう子さんに優しく釘を刺されてしまった。どうもやる気が空回りしちゃっていたかな?

 順を追って、時間や日数を加減しつつ、内容も見極めていった方が良いって。


 ちょう子さんは本当に親身になって私のことを考えてくれてる。

 小さな声で「たった一人の大切な登録者。潰れてしまっては困るのです」と呟いていたのは、聞こえなかったことにしておこう。



 ◇



 そんな訳で、今日も私はこの部屋に来ている。


 今日は一人でカードを使い、光の案内に従いエレベーターに乗ってやってきた。


 昨日と同じ、でも昨日よりもちょっとだけ愛想の良くなったメイドさんに部屋に通された。


「わんちゃんたちもご機嫌で、旦那様も喜んでおられました。私も褒められましたので、ななさんにはこれからも頑張っていただきたいですわ」


 少しだけ明るい声で告げると、やっぱりさっさと自分の仕事に戻っていった。

 千匹の犬のお世話をしているんだもん。きっとすんごく忙しいんだろうな。




 私も昨日と同じように、怖がらせないように、警戒されないように注意しながら、一匹ずつわんちゃんたちに接していく。


 もっふもふで巻きしっぽ、舌をチロリと出したポメラニアンのオスのキラくんは、活発なのに抱っこも大好き。

 甘えん坊なトイプードルのモカちゃんはモコモコでクマのぬいぐるみみたい。

 凛々しい麻呂眉の柴犬のたろくん。小さい体なのにがっちりしたあんよがかっこいい。肉球も厚みがあってプニプニ。


 この部屋にいる子たちは、小型犬で割と高齢な子が多いようだ。若い子でも七、八歳。殆どの子が十歳以上。だから、落ち着いたおとなしい子たちなんだろう。


 忠誠心が強くご主人様以外にはあまり懐きにくい犬種や、気が強い犬種、臆病な子が多い犬種の子たちも、穏やかにのんびり日向ぼっこしたりしていて、新参者の私も比較的緩やかに受け入れられている。


 久しぶりの人との触れ合いが嬉しいのか、甘えん坊心ややんちゃ心がくすぐられて、はしゃいじゃう子もいるんだけど、高齢ゆえにすぐに疲れてきて、一頻り遊んであげればまたウトウトと微睡み出す。


 フカフカの絨毯に座り込んで「かわいいね」「おりこうさんね」と声を掛けながら、モフモフなでなでと心癒やされる時間を楽しんでいると、いつの間にか昨日触れ合った子たちも周囲に集まってゴロゴロしていた。

 特に甘えん坊の子なんかは、体の一部をぴとっとくっつけていたり、私の足にアゴを乗せて眠っていたりして可愛くってたまらない。


 そうやって甘えてくる子は、また少し撫でてあげたりもしながら過ごしていると、またまたあっという間に時間は過ぎていて、メイドさんに終業時間を告げられてしまった。




 うん、半日仕事なら余裕だな。

 ていうか、もふもふし足りないくらいだもん。




お読みいただきありがとうございます。


ブックマーク、評価が増えていてめちゃくちゃ嬉しいです!

元気もらいました。これからも毎日更新頑張ります!


肉球プニプニしたーい! と思っていただけましたら、応援よろしくお願いします。


続きは19時に更新します。

引き続きお楽しみください。



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