14 依頼達成
本日3話更新します。
1話目です。
今日のお仕事は終了ということで、メイドさんの持つスマホにカードをかざすと、キランという音がしてカードの表示が変わった。
『依頼達成:1G 歩合10匹:10S 評価:A』と記されている。
「本日はお疲れさまでした。よろしければ今後も続けていただけると助かります。依頼は引き続き出してありますので、またいらして下さるのをお待ちしております」
メイドさんに丁寧な態度で見送られ、私も、
「ぜひ、またお願いします」
と挨拶して部屋を後にした。
来た道を戻るように光の案内に従って進み、エレベーターに乗って事務所へと帰ってきた。
「お帰りなさい、ななさん。初仕事はいかがでしたか? まるちゃんは良い子でお留守番できましたよ」
ちょう子さんに出迎えられて、スヤスヤ寝ているまるの姿を目にしたら、ホッと緊張が解けた。
「ちょう子さん、良いお仕事紹介してくれてありがとうございました。すごく楽しくお仕事できました。これでお金を貰えるなんて申し訳ないみたいです。体調が良い時には、また受けさせて下さい!」
ちょう子さんに促され、カードを液晶にかざしながら、興奮気味に答えた。
「それは良かったです。先方からも丁寧な仕事をしてくれてとても助かったので、ぜひまたお願いしたいとメールが届いてますよ。……無理をなさったんじゃないですか? 体調は大丈夫ですか?」
パソコンのような機械を確認しながら、本日の報酬を用意してくれるちょう子さん。
たった一時間の仕事でも、心配してくれて優しいな。
ここでなら、これからもお仕事続けられそうだなと、改めて思う。
「今日は短時間でしたし、体調も大丈夫です。楽しくてあっという間でした」
笑顔で答えると、ちょう子さんも安心したように笑顔を見せてくれた。
「それでは、本日の報酬です。依頼達成で千円。歩合が十匹で千円。合わせて二千円となります。確認していただけましたら、もう一度カードをかざして下さい」
ピロンと音がして、カードの隅に『2G』という数字が書き込まれた。
「現金化していかれますか? でしたらもう一度、カードをかざして下さい」
ピロン!
隅の数字は『0G』になり、ちょう子さんから手渡しで千円札二枚をいただいた。
本当に仕事をして稼げたんだという実感が湧いてきて、思わず手に力がこもる。
二枚のお札をじっと見つめてしまった。
「明日も体調が良かったら、またいらして下さいね。そうだ、少しですが薬草茶をお分けしますよ。おうちでも飲んでみて下さい」
そんなお土産までもらって、ペコペコと感謝しながら、私はまるを抱いて帰宅することにした。
お読みいただきありがとうございます。
無事、初のお仕事完了です。
よかったねー、うらやましー、と思っていただけましたら、応援よろしくお願いします。
続きは12時に投稿予約します。
引き続きお楽しみください。