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犬をなでるだけの簡単なお仕事です  作者: maochoko
第二章 犬をなでるだけの簡単なお仕事
13/94

13 うりうり


ブクマ、評価ありがとうございます!


本日3話目です。


 



 美しい赤茶の毛色のロングコートのミニチュアダックス。


 小首を傾げ、クリクリのお目々を上目遣いにしてこちらを見上げてくる。


 姿勢はお座りで、白い絨毯の上で、毛足の長い尻尾がポスン、ポスンと揺れている。


 先ほどと同じように、手の甲を上にして顔の前に出すと、くんかくんかと匂いを嗅ぎ、ペロペロと舐め始めた。


 そっと首のペンダントヘッドにカードを近付けると、頭上のホログラムには、『チョコ♂ 10歳 甘えん坊で食いしん坊。肥満注意。腰に注意』などの情報が出る。


「ジャンプとかしちゃいけないよね」


 私も絨毯に腰を下ろし、首の辺りをカリカリと掻いてあげると、それに合わせて後ろ肢がピョコピョコと動いてしまっている。ぷぷっ、可愛い。


「チョコちゃんですか? 可愛いですねぇ」


 首の後ろ側も優しくマッサージしてあげると、鼻先を上に向けて首を伸ばす。気持ち良さそうに目が閉じていく。


 だんだんと背中の方へとマッサージの位置をずらしていく。良いツボにはまったのか、口角の端がうにーっと伸びている。

 うりうり、ここか? ここがええのんか?


 ピロン!


 やっぱり一分程で円グラフが一周して音が鳴った。


 でも、チョコちゃんが物足りなさそうなので、もうしばらくマッサージを続けてあげる。


 うりうり、うりうり。


 さらに三分程続けていると、満足したのか「ふう」と鼻を鳴らして、チョコちゃんは横になった。




 同じように、そっと近付いては数匹の犬を順番に撫でていく。


 一分でも良いらしいけど、警戒を解くところから始めると、やっぱり一匹につき五分以上はかかる。


 がっついて緊張させたくないので、ゆったりとした動作でのんびりとモフモフを堪能していたら、あっという間に時間が経ってしまったようだ。


「一時間経ちましたよ。いかがでしたか?」


 不意に背後からメイドさんに声を掛けられ心臓が跳ねたけど、なんとか大声を上げずに済んだ。


 大声や急な身動きは犬たちを驚かせてしまうと思い、お行儀悪いかもしれないけど、絨毯に座ったまま首だけ振り返り頭を下げる。


「まだ慣れなくて、あまりたくさんの子のお相手できませんでした。すみません」


 たぶん十匹くらいしか撫でられなかったと思う。サボりすぎたかな?


 おそるおそる顔を上げると、驚いたように目を見開いたメイドさんが、微かに口元を緩めた。


「丁寧な仕事をしてくださったようですね。ありがとうございます。お相手してもらった子たちは満足した様子です」


 私の周囲には、今日撫でてあげたワンちゃんたちが集まって、尻尾をゆさゆさと揺らしつつ、満ち足りた雰囲気で思い思いに寛いでいる。


 チョコちゃんなんて警戒心が全く無いようで、ゴロンと上向きにお腹を全開にしてだれきった様子だ。

 スピー、スピーと鼾もかいていた。




 見てるだけで幸せになる光景だった。





お読みいただきありがとうございます。


主人公は犬とコミュニケーションとる方が得意らしいです。


気が付いたらブックマークが増えていて、評価までいただいておりました!

すっごく、すっごく嬉しいです!

元気もらいました。

これからも頑張るぞー!


明日も3話更新します。

引き続きお楽しみいただけましたら嬉しいです。


応援よろしくお願いします!




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