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第8話 「桃太郎vs鬼ッッッ!!!」

 前回までのあらすじ! 黒田城の城下町に到達した桃太郎とイヌマルは、そこで狩人のキジカゼと出会った! 彼女の案内に従って、西の森にある鬼の住処へとやってきた一向! そしてキジカゼは、爆発矢で鬼の住処に奇襲を仕掛けるのであった! 激昂しながら住処から出てくる鬼! もう一度矢を放つキジカゼ! それを合図に走り出す桃太郎とイヌマル! ついに、彼らと鬼が正面から激突する!











 キジカゼの放った矢は目にもとまらぬ勢いで風を切り、激昂する鬼の腹に突き刺さったッ!


「ウグァ!?」


 突然の攻撃に戸惑う鬼! しかし彼は腹に刺さった矢を豪快に抜くと、地面に投げ捨てたッ! どうやら、全くダメージは与えられていないようだ!


「やっぱりだめか……!」


 もう一度矢をつがえながら、険しい表情で呟くキジカゼ!


 鬼の数は1体! こちらの数は3人! 数ではこちらの方が多いが、人間と鬼とではそもそものパワーが桁違いなので、桃太郎たちが圧倒的に不利であることは間違いないッッ!!


 だが、彼らに気後れなど一切なかったッ!


 軽快な走りで鬼に肉薄した桃太郎は、握りしめた日本刀で敵の腹を斬り付けるッ!






 ズバンッッッ!!!






 桃太郎の斬撃が鬼のたくましい腹筋にクリティカルヒットッ!


 しかし……全く傷がついていないッ! そして鬼はニヤリと笑ったッ!


「何ッ!?」


「ウゴァア!!」


 雄たけびを上げながら右腕を振り上げる赤鬼! そのまま、桃太郎に向かって殴りかかってきたッ!


「フンッッッ!!!」


 驚異的反射神経で後ろに跳躍した桃太郎は、その一撃を紙一重で交わしたッ!


 彼はそのまま地面に着地すると同時に、自らの顔面を滝のように流れる冷や汗の存在に気付くッッ!!


(あ、あの攻撃……もし当たっていたら、タダではすまなかった……ッッ!!)


 おじいさんやおばあさんから鬼についての情報はある程度聞いていたが、やはり百聞は一見に如かずであるッ! 彼が想像していた以上に、鬼は強かったッ!


「やっしゃ、そんじゃ次は俺の番だ!!」


 そう叫びながら男らしく鬼に殴りかかっていくのはイヌマルッ! ボクシングの構えで素早く相手の懐に潜り込むと、どてっぱらに強烈なアッパーをかましたッッ!!


 ──が、無駄ッ!


「すまん桃太郎! 俺のパンチ全然効いてねぇわ! 無理、勝てねぇ!」


 彼はそう言って素早く後退したッ! 驚くべき諦めのはやさであるッッ!!


「一体どうすればいいの……?」


 油断なく弓を構えつつも、弱気になって呟くキジカゼッ! その目には絶望の色が浮かんでいたッ!


 その時、桃太郎の強烈な大声が森中に響き渡るッッッ!!!


「諦めるなッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」


 聞く者の体を震わせる、桃太郎の熱き声ッ!


「おじいさんとおばあさんに頼まれたんだ……ッ! 人々を苦しめる悪しき鬼を討つと……ッ! だから、鬼の一体ごときで諦めるわけにはいかんッッッ!!! なにがあろうと勝つぞッッッ!!!」


「桃太郎……!」


 キジカゼは、呆気にとられたように桃太郎のことを見つめたッ! そして意を決して強く弓を引き絞ると、鬼の顔面に狙いを定めるッッ!!


「そうよね……こんなところでへこたれてちゃ、狩人としてのプライドに傷がつくわ!」


 彼女は長い緑髪をなびかせ、パシュン!と矢を放ったッ! 流星のように鋭く、まっすぐに風を切るそれは、鬼の頭部にある角に激突ッ!


 すると角にヒビが入り、鬼は急にうろたえだしたッ!


「う、ウグォオォ……!」


「なんだ!?」


 これまでずっとノーダメージだったはずの鬼の急変ぶりに、イヌマルは目を細めるッ!


 冷静に状況を分析した桃太郎は、確信と共に口を開いたッ!


「おそらく……あの角は鬼の急所ッ! そこにダメージを与えたから、ああして弱ったのかもしれないッッ!!」


「なるほどな……だったら!」


 言うが早いか、イヌマルはスピーディーに相手に接近し、その腹に2度、3度とジャブを繰り出すッッッ!!!


「グワァァァ!!」


 先ほど彼がアッパーをした時とは打って変わって、鬼は痛みに悶えたッ!


 そうやってできた一瞬のスキを見逃さず、両足を大きく開き、しっかりと“溜め”をつくるイヌマルッ! そして鬼の腹めがけて、強烈な正拳突きを繰り出したッッ!!






 ドズンッッッ!!!






「ウゥグワァァァ!!!」


 再び痛みに身もだえする赤鬼ッ!


「やっぱりな、攻撃を当てた時の感触が全然違う……こいつ、全身の強度が一気に落ちてやがるぜ! 今ならトドメを刺せるはずだ、桃太郎!!」


「よしッッッ!!!」


 桃太郎はおじいさんから託された刀“紅蓮丸”をグッと握りしめると、高々と振り上げて鬼に迫るッ!


 桃色の着物を風にはためかせながら、渾身の力でその刀を敵に向かって振り下ろしたッッ!!


 間違いない、これは彼がおじいさんから習った伝説の剣技、“天襲一閃(てんしゅういっせん)”だッッッ!!!


(※天襲一閃(てんしゅういっせん)……かつて、巨岩を斬ろうとする剣客がいた。誰もが不可能だと笑った。しかし、その剣客は自分を笑う者たちの言葉に一切耳を傾けず、毎日山にこもって岩に刃を向けた。来る日も来る日も岩に斬撃を繰り返すうち、やがてその巨岩は彼の刀によって一刀両断された。伝説の剣技天襲一閃(てんしゅういっせん)、ついに完成である──世界童話出版「岩を両断した漢」より抜粋)


「ふんッッッッッ!!!!!」


 圧倒的斬撃ッッッ!!!


 桃太郎渾身の一振りは、赤鬼の体を縦一直線に切り裂いたッッッ!!!


「ウグオアァァァァァ!!!!!」


 苦しそうに叫び声をあげる赤鬼ッ! それが彼の断末魔となったッッ!!


「……これで、終わりだ……ッッ!!」


 仁王の形相で言う桃太郎ッ! そして彼が刀を鞘に納めると同時に、鬼はドサリと地面に倒れるのであったッッ!!


 桃太郎一行、ついに鬼に勝利ッッッ!!!


「やったじゃねぇか、桃太郎!」


 イヌマルは、嬉しそうにはしゃぎながら桃太郎のもとへやって来ると、肩をポンと叩いたッ!


「ああ、お前たちの協力のおかげだッッ!!」


「へへっ、まぁな!」


 するとキジカゼが、複雑そうな表情で口を開くッ!


「勝てたのはうれしいけど……なんで、鬼は1体しかいないの?」


「ん? 言われてみれば、確かにそうだなぁ」


 イヌマルも怪訝な表情になったッ!


「私が尾行をした時、この洞窟には数十の鬼がいたのよ。なのに今は1体しかいない……」


「おそらく、ほかの鬼たちはまた別の住処に移動したんだろうなッ! 彼らも居住地は複数持っているはずだしッッ!!」


「だな! それに、出てきた鬼が1体だけで結果的にはラッキーだったじゃねぇか! もしもこんなやつが数十体もまとめてかかって来てたら、流石の俺達でも勝ち目はなかっただろうぜ!」


「……うん、それもそうよね」


 キジカゼは納得したようにコクリと頷くと、空を見上げながら続けるッ!


「そろそろ日が暮れる。一旦街に戻りましょう。今夜は私の家に泊まるといいわ」


「ああ、そうさせてもらうッッ!! ありがとうッッ!!」


 次回、「突撃、キジカゼのお部屋ッッッ!!!」に続くッッッ!!!

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