第25話 きゃすと おふ
実験的に漢字の量をちょっと減らして見ました。
読みやすくなった?
あとがきに今後の連絡があるので
よろしければ目を通してください
「い~~や~~!!!」
部屋に悪魔が2匹いる。
「メアちゃん~、どうして逃げるの~?」
「メア様~、お待ちください~」
悪魔達が布を持って、追いかけてきた。ひらひらとピンクの円錐が後ろから駆けてくる。純白の乙女の権化が行く手を阻む。
「ピンクのスカートはイヤ?」
「やはり白のサマードレスがいいですよね?」
「やぁ~~!!!」
(メアちゃん、乙女になるのよ!)ムリ! 絶対にイヤだ!(魔法使いの部屋では何回もはいたじゃない)非現実と現実を一緒にしてはいけない!
「スキあり!」
茶色の悪魔が純白の乙女の権化をはかせようと、俺に触れた。
「え!?」
神技≪絶対回避≫で華麗に股抜きをしたら、苦渋に満ちた表情で俺を見ている。バランスを崩さないように立ち上がり、逃げようとしたら。
「メ~ア~ちゃ~ん~!」
金色の悪魔が茶色の悪魔を飛び越えて、俺に向かって来ようとしている。だが甘いな! 俺はワザと転ぶフリをした。
「あわわ(棒)」
「メア様!」
タッ! ギュ!
転ばないように抱きしめられる。ニヤリ♪計画通り!
ゴツン
「きゃあ!」「イッタ~イ~」
さすが俺! 茶色と金色の悪魔は頭をぶつけて怯んでいる。俺は全力で扉まで走った。
とことことこ
ジャンプしてノブを回す。金色の悪魔に合わせて作られているから、俺でも開けられた。
「きゃあ~、メア様! 裸のままですよ!!!」
後ろを振り向くと茶色の悪魔は、ムンクの叫びみたいになっている。金色の悪魔はしゃがんで頭をなでなでしていた。可愛い!(すっぽんぽんでどこに行くつもり!?)心の赴くまま、ツライ現実から、
俺は逃げるぅぅ!!!
とことことこ
ロングカーペットの廊下を全力で走る!
誰もいない廊下を全力で逃げる!!!
……
「ふ~、ふ~」
残暑も落ち着き、走ってもあまり汗をかかない。裸だからな!(あ~、わたし変態になっちゃった)だいじょうぶだ。0歳だから裸でも、誰も不思議に思わない(0歳児がこんなに速く走れない!)
王族だから、絵本でも生まれてすぐに、喋ったり歩いたりできる人いたみたいだし。みんな疑問に思ってなかったか――
「メ゛ア゛様゛!!!」
ヒィィ! 後ろを振り向くと、俺はきっと死ぬ、そう魂が叫んでいる(あ、あ、エイドさんの恐ろしすぎる声が)冷や汗がだらだらでてきた。
「わ~、こにゃいで~」
シュ! ズドーン!!
おいチノ! いま神技≪絶対回避≫使わなかったら(あへへ~、ものすごい爆発音が聞こえ~る~)
目の前にはぐしゃぐしゃに潰れた、インテリア?の甲冑が転がり、粉塵が立ち込めていた。でも廊下は無傷、城がこれなら攻められても安心だな。……なに呑気にしているんだ。早く逃げないと。
粉塵から魔神と化したエイドさんが緑色のオーラを纏って顕現した。あ! 比喩だから(見ればわかるわよ)背中にぶら下がっている母さんが、ぺちぺち魔神の顔を叩いている。
「エイド! メアちゃんが怪我しちゃう!!!」
「ご心配にはおよびません。メア様ならお避けになりますから」
その根拠はどこからくるんだ!? 避けたけど?
「それに」
「すぐに治ります♪♪」
身に迫る恐怖でちょっと涙がこぼれ、後退りしてしまった。
「イジメちゃダメー! 水魔法≪水の玉≫」
魔神の頭に水の玉が、急に現れて苦しそうだ。今がチャンス! 母さんが魔神に罵声を浴びせている、その横を颯爽と走ると、逃がさないと誰かが言ったような。
悪寒が、マジで体温がさがって血の気が無くなり、倒れそうになったが。でも、俺は!
俺は逃げるぅぅ!!!
とことことこ
「メアちゃ~ん~」
「メア様~」
ドゴオォォ!!
爆音が鳴り響いたので、音のした方を見ると魔神の周りに3人の兵士が屍を晒している。
そして、1人の頭を魔神が血を求めるように容赦なく連打している(……こ、殺さないよね?)
たぶん? バスケットボールみたいに頭がドリブルしてるけど。背中で激しく、ガタガタ揺れている母さんが止めないから、だいじょうぶだろう?(お母さん顔が富士山になってるよ?)誰か知らないけど君の犠牲は忘れない。
さらば!!! フハハハ~~!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴオォォ!!
とことことことことことこ
「ハッ! メア様は」「…………ぐすん」
がたがた ぶるぶる ぴくぴく
「メア様~、メア様~」「…………」
「あ~、ジエン~」
渡り廊下に入ってきたジエンが俺を見て、目を丸くしている。
「メア様!? そのようなお姿でどうされたので――」
パシィ ドゴオォォ!!
「エイド! なにをする?」
「メア様を見るなぁぁ!」
突如出現した魔神の重い神速の連撃を軽く受け流している。爆音が耳に痛くて頭が割れそうなのでそーっとその場から離れないといけない。ジエンさんが攻撃されているのに、妙に嬉しそうな顔だな(あの顔は戦闘狂のそのものね)
パシィ ドゴオォォ!! パシィ ドゴオォォ!!
「正気になれエイド」
「だまりなさい!」
半白目の母さんが完全に振り子状態になっている。あの速度になっても、背中にぶら下がっていられるとは、さすが俺の母さん(半泣きになって、ちょっと可哀そうだけどね)魔神とジエンさんの熱いバトルを尻目に、渡り廊下を抜けた。
「ひさしぶりだな。こい! エイドッッ!」
「沈めぇぇ!」
ドゴオォォ!! ズドーン!! バコーン!!
とことことこ
……
…………
結構走ったから、ぷにぷにの足の裏が痛い。靴ぐらい履いとけばよかったな。伸びた髪の毛をつたって汗が気持ち悪いし、女ってよくこんなの我慢できるな?(あらあら~、女の自覚が芽生えてきた~?)
チノが無理やり俺の下半身に視線を落とす。毎日確認するがなんにもない。体は女でも心は男だ! やはりスカートなどはけぬ!!!(いつまでそう言ってられるかしら~)
ズザザーン!
滝の音が聞こえたような?(滝なんて城にあった?)なかったよな。まあいいや、とりあえず逃げないと。
廊下もこのまま走ったら行き止まりだ。適当に曲がり角を進んで行く。
トン
「いちゃ~」
誰かにぶつかってしまった(前方不注意よ。油断一瞬、怪我一生なんだから)よし! 俺に怪我はない。かもしれない運転は大事だ! ……何の話だ!?
「メアちゃん!? あ、メア様? 大丈夫ですか」
どうやら小人メイドのナリーさんにぶつかったみたいだ。普通に母さんよりも大きい(お母さんには王族の血が流れているから)便利だな王族の血は。
「だいにょむ!」
「どうされたのですか! そのお姿は!」
「ニャリー、にげちぇるの」
「なにをぼさっと突っ立ているのです?」
鼠獣人メイドのアーディさんがナリーさんの後ろから現れた。真っ白な髪と真っ黒な目で耳は獣耳だけしかない。尻尾と獣耳があるだけのケモレベルが低い容姿だ。間違っても夢の国のミ(ハハッ)
いけない、いけない、恐ろしいことをするところだった。俺を舐め回すように見ていないか?(気のせいじゃない)
「たちゅけて! おわれちぇるにょ」
「メア様を追っている?――ペタペタ――私がお守りしますから!――さすさす――どんな変態野郎が来てもぶっ飛ばしますから――す~は~――」
俺が怪我をしていないかアーディさんが確認してくれたみたいだ(優しい人だね)
「よし♪ 行くわよナリー!」
「えー。嫌な予感がするんだけどなー」
これで時間が稼げる(あんな優しい人を生贄にするなんて悪魔だ!)機会があったらお礼するから。
「ありがちょうごにゃいまちゅ。ごめんにゃちゃい」
とことことこ
……
ドゴオォォ!!
……
ふぅ~、エイドさんから逃げるのもこれで2回目だな(なに言ってるの? 今回が初めてでしょ)初めてって、前にも同じように逃げたじゃ……? あれ? 逃げたよな?(逃げてないよ)あれ~?
む!? 自然の匂いがする(せめて花とか土とか表現したらどうなの?)むむ!? 城にはないはずの生気に満ちた花と観葉植物程度の土ではな(くどい!)
きっと自然豊かな場所なら隠れる所があるはず、それに小さい俺の体なら見つけられないはず(無理だと思うけど、もうわたし知らないからね)
とことことこ
日差しで明るい廊下がある。そこを突き進んでいった。
……
「ふあ~」
城にこんなところがあったんだ。the中庭みたいなところで、日の光も天井がないから入り放題だ。バラ?みたいな花が咲いている。絵本を読んでもらうのに打って付けの場所だな。おっと早く隠れないと。
ぱさっぱさっ
雑草? 芝生?(雑草ってメアちゃん)草の感触が気持ちいいな。ちょっと冷たいし火照った体が冷える。
おや? いかにも貴族の女子がティータイムするような、小屋? ドーム? 休憩する所? 公園とかにあるやつ? 西洋風東屋?(ガゼボ?)そう! そこに人がいないか?(確かにいるね。――! ちょっとメアちゃん、あれって!)
ガゼボの中には赤いドリルヘアーで、蒼いつり目のお腹がぽっこりでた、まるで正統派悪役令嬢みたいな人がいる。オ~ホッホッホッとか高笑いしていそうだな。
でもそんなことはどうでもいい!!!
悪役令嬢が抱いている赤ちゃん! 紅眼赤髪の赤ちゃんに見覚えがある(【運命の子】!!!)そう! 転生した時に見せられたあの映像の1人にそっくりだ。
……たぶん? 6年後の映像らしいから、紅眼赤髪という共通点があるだけで合っているかわからないが。
かわいくておおきいつり目で、俺の癖っ毛とちがってさらさらヘアーみたいだ。服は薄黄色のスウェットでうらやまし――
「メ゛ア゛様゛!!!」
ガシッ!
まるで滝に打たれたように冷たい手が、俺の頭を鷲掴みにしている。
ああ、俺達の大冒険もこれでおしまいだ(わたし関係ないから)
「エイド~♪ごめんなちゃい♪」
ロリロリ甘甘声で魔神に減刑を試みる。
「謝ればいいと思っていますか゛ぁァア゛?」
魔神の手で、少しずつ俺の顔が終焉の入り口に向けられる。ああ、この世に神はいない!『いるよ~』ああ、女神様この迷える子羊をどうか救ってください『いないよ~』イスナー待ってーー!
「うふふ♪か・く・ご・はよろしいですか♪♪♪」
終焉はここにあった。魔神はそれはもうとびっきりの笑顔。爺ちゃんよりはるかに怖い。魔神は大量に汗をかいたのか全身ずぶ濡れで、母さんのせいで濡れた髪が、前に垂れていて亡者のようだ。母さんが背中で青い顔をして、白目をむいている。
「あなた達そこで何をしているのです!」
「こ、これはイラ様、大変お見苦しいところを――」
こっちに向かってくる悪役令嬢はイラとかいう名前らしい……。――イラ!? それって叔母さん!?(え~! あの赤ちゃんわたし達の従姉妹なの)
「――!? はやくここから立ち去ってくださる」
「あ~う~!? む~あ~く~あ~」
イラ叔母さんは俺達を見ると、扇子で口元を隠しながら、不潔な物を見たような顔をしている(当然ね。すっぽんぽんの0歳児を鷲掴みにしているびしょびしょエイドさん、その背中には死にかけのお母さん。ひどい絵面よ)お、おう。
「あ~、イ~ラ~、げ~き~し~て~た~」
「ティアも相変わらず人生楽しそうで、うらやましいですわ」
「あ~へ~へ~、う~気持ち悪い」
母さんが魔神の首に引っかかりながら口元を抑えている。
いまの内に従姉妹へ俺が【運命の子】であるのを、伝えるためにジェスチャーした。うまく伝わっているのか、俺のことをまばたきせずにガン見して、まるで全身を確認するように、うんうんとうなずいている。
「メア様~、楽しそうに踊って、なにか忘れていませんか?」
「おにょってにゃい!」
「イラ様、失礼いたします」
いつの間にか部屋に戻った。
「うふふ♪王家ではおいたをしたら、どうなるか知っていますよね♪」
「ママ~、たちゅけちぇ!」
あれ? 母さんが魔神の首にいない。
「ママ~! ママ~!」
辺りを見渡したら、カーテンの後ろに母さんが隠れている(足が丸見えよお母さん!)
「もごもご、もごもご」
何言っているかわからない。魔神の手が緑色のオーラに包まれた。
俺は知っている。あれはお尻ペンペンの刑だ。
「大丈夫です。お怪我はしませんから」
ふぁふぁふぁ、残念だったな! 俺には神技≪無敵≫がある。うまく演技すれば痛くならずに済むはずだ『あ~、おいしかった~』……イスナーさん何をしたのでしょうか?『バッチシ~、反省するように~、神気と魔力を~、全部もらった~』
ちょっとまて! それって魔法使いの部屋以外はできないはずだろう『パワーアップしたから~、みんなに迷惑かけたから~、ちゃんと謝るんだよ~、バイバイ~』こらまてイスナー! イスナーー!!!
チノ! 俺とお前は一蓮托生だよな!(あ! 感覚の共有切ったから、これで夢のスカート生活がやってくるのね。1時間後には戻るから、裏からこっそり見てるから、安心してね♪)チノーー!!!
俺は魔神にとびっきりの笑顔を送る。
魔神はとびっきりの笑顔を返してくれた。
パシン!
「いちゃ~い!」
パシン!
「い゛っぢゃ~い゛!!! う゛わ゛~ん゛!」
その後、10分にもおよぶ虐待が繰り広げられ、メアちゃんすっぽんぽん事件は幕を閉じることとなった。
……
…………
この話には続きがあって。
きのう母さんと寝る前に、事件の話を楽しく喋ってしまい。
「ティア! なぜバカなことをされたのですか!?」
パシン!
「イタイ! メアちゃんが~」
パシン!
「イタイー! 楽しいって~」
パシン!
「イッタイー! メアちゃん助けて~」
「もごもご、もごもご、もごもご」
母さんすっぽんぽん事件はまた違うお話ということで。
パシン!
「わかん゛、ない! メア゛ぢゃん~!」
パシン!
「エ゛イ、ドのバ~ガ~! ア゛~ボ~!」
パシパシパッシン!!!
「う゛え゛~ん゛!」
『ちゃんちゃん~♪』
イベントクリア報酬
ゲットスキル
【乙女】 ⇒ 【乙女+】
純白の乙女の権化が似合っています
補正 抵抗力+3 <new>魔法力+10%UP
【すっぽんぽん+】 ⇒ 【すっぽんぽん++】
0歳でも、裸だと風邪を……メアちゃんは風邪ひかないか
補正 防御力+1 HP+10%UP <new>HP+5
【悪知恵】
悪い事しちゃ~ダメだよ~
補正 器用さ+10%UP
【歩行・幼++】
少しは走れる……少し???
補正 なし
secret
【天災児】 ⇒ 【天災児+】
被害者多数発生
補正 全能力-100%UP <new>クリティカル時ダメージ50%UP
【神の友達】 ⇒ 【神の友達+】
よく遊びにくる
補正 特定の対象に対して補助効果が???倍 <new>神気+5
エイド
【魔神】
人の記憶を消すことができる(物理)
補正 攻撃力+1 攻撃力+10%UP クリティカル時ダメージ10%UP
【暴走+】 ⇒ 【暴走++】
緑色のオーラに包まれた両手で殴る 怪我人は誰一人いません
補正 クリティカル時ダメージ15%UP <new>攻撃力+5
ジエン
【脳筋++】 ⇒ 【脳筋SP】
脳筋なら戦わなくてはならない 戦わなくては脳筋にはなれない
補正 攻撃力+5 <new>攻撃力+30%UP
1章を書き上げたら、一旦全改稿しようと思います。
それに伴って更新が止まります。
より詳しい事は、書き上げた後のあとがきに書くので申し訳ございません。
創作日記:新しい運命の子やっと出せた~
25話目だぞ! どうしてこうなった!?
あと10人もいるのに
伸ばす表現
ー ~ 子音(大文字小文字) ッ 繰り返し
例
うわーーー! うわ~~~! うわあああ!
うわぁぁぁ! うわッッッ! うわわわわ!
日本語て難しい~