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第16話 魔法使いの部屋

3/30 Edge仕様変更の為小さい文字変更

4/21 <封印中> 追加

「昨日の続きの魔法少女がかーる☆じるまの3話からで」


「わたしはレセンディ=リプス物語の4巻からね」


 最近は寝ている時間の5分の1ぐらいを、魔法使いの部屋で過ごしている。


 何とアニメや漫画を楽しむ事ができるのだ。どうやるのかと言うと、アニメの記憶を、等倍で送って貰い、あたかもアニメを見ているような錯覚を起こす事で楽しめるのだ。漫画も同様の事が出来る。


ムニ


「ナシちゃん! 次のページ!」


「ごめんごめん」


ムニムニ


 チノに手を握られた。これは次のぺージの記憶を送る合図だ。俺はベッドの上で寝っ転がりながら記憶を送ってあげる。同じように寝っ転がっているチノからもOPが送られてきた。




……




 魔法少女がかーる☆じるまのOPが終わった。OPも本編なので飛ばしてはいけない。いけないのだ!


{魔法少女がかーる☆じるまは、ご覧のスポンサーの提供でお送りします}


「CM入った。飛ばして」


「はいっと、飛ばしたわよ」


 CMはよいのだ。




……




…………




{魔法少女がかーる☆じるまは、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました}


「ふ、ん~~」


 3話を見終わったので伸びをする。これはもう癖だな。いや~面白かった。面白かった。やっぱり、じるまちゃんは可愛いな~。この世界に来てもう3回は見ているな。


 ……この世界か……前の世界から離れて、もう3ヶ月以上は経ったろうか。皆どうしているかな……。


 うん、今では母さん達と遊んだり、この部屋で自分のしたい事が出来るお陰で、異世界生活も楽しくなってきたな。うん、そうだな。うん、やはり娯楽は人を豊かにするな。うんうん。


ムニ


 また手を握られたので俺は慌てて次のページを送って上げる。次のページは……サービスカットがあるな。


「ぐへへへ」


 チノの顔が物凄くだらしなくなっている。ちょっと待て、よだれが出ている! 現実でそんなの見たことがないぞ。


「……チノって女の子だよな?」


「……? そうよ」


 何言ってんだこいつみたいな態度で返答された。女の子が女の子を見て喜ぶなんて、()()はおかしいのではないだろうか? 百合なのか?


「前から気になっていたんだが、女の子が好きなのか?」


「当り前じゃない。わたしはナシちゃんだからロリコンよ」


 赤ん坊がロリコン。意味が分からなくなってきた。いや、俺もロリコンだけど……気にしたら負けか。


 ついでにもう1つ疑問に思っていたことを聞いてみる。


「男が好きとかはないよな?」


「はぁ~? 野郎? 女の子の敵よ」


「俺も男だけど女の子の敵?」


 チノに対して恐る恐る聞いてみた。すると、チノがいやらしい手つきで触って来た。


「ひゃあ!」


 おもわず甲高い声が出てしまう。自分の身にSOSの信号が駆け巡る。


「女の子でしょ」


 チノが不機嫌な顔で脅してくる。ここは男として負けてはいけない。いまが男を見せる時、カタカタ震える体にムチを打って俺は叫んだ。


「俺は、おと、ひゃあ!」


「可愛い顔、可愛い声、可愛い反応、可愛い服どこが男なの?」


 チノが凍えるような笑顔で聞いてくる。このまま主張を続けると色々とやばい。話題を変えないと。


「え~あ~……次はね~。何の家具が増えるんだろう~。……ね♪お姉ちゃん♪」


 俺は出来るだけ可愛く言いながら、素早く、無意味に回転して最後に可愛くポーズした。


「ぐふぅ、なんだろうね~。ナシちゃん」


 難を逃れたが、俺の中の男が泣いている。仕方がないのだ。俺はヘタレなのだ。


 チノと距離を取りつつ()()()()()()()()()()()()に目をやる。


「テレビかパソコンが良いな。でもこの部屋では使えないよな?」


 チノがじっと俺を睨んでいるが気にしない。してはいけない。


「分からないわよ? うんしょっと、あのクローゼットだって普通じゃないから。でも、わたしは絨毯が良いわね。この部屋、真っ白だから目が疲れちゃうもの」


 そう言いながらチノはクローゼットの中に消えて服を着替えているみたいだ。嫌な予感がする。


 すぐにベッドの中に潜り、誰も居ない振りをした。このベッドは俺達のサイズ感を無視した大きさなので俺が入った位ではわからないずだ。しばらくしてチノが近付いてきた気配がする。


「ナシちゃん? そこに居るんでしょう。隠れる所なんてここ位しかないわよ」


 そうだった。俺は馬鹿なのだ。俺の作戦は失敗に終わったのだ。仕方がないので芋虫のように動いて、布団から頭だけを覗かせる。


「着替えないぞ」


 俺は不機嫌な声で威嚇した。チノはレセンディ=リプス物語の主人公、レセンディの恰好をしている。ウィッグも着けているので完璧だ。


 レセンディは王女なので少々派手な色合いのドレスにサイズ感を無視した貴金属を身に着けている。そして生足が見えるミニドレスなのである。本格中世ファンタジーを謳っているのにキャラは今時のセンスなのだ。


 だから、今のチノはちびキャラ、SDキャラみたいだ。しかし、奴の手には凶悪なものが見える。レセンディなりきりセットだ。


「わたしの姿を見たわね。可愛いでしょ~。だから、これを着て♪」


「いやです」


「もう! ナシちゃんだけ見れるなんてずるいでしょ。わたしは動いている可愛いレセンディが見たいの~」


 チノが口を膨らましている。レセンディはそんな事しない。と、心の中で突っ込みながら俺はベッドを降りる。


「うんしょっと、……動いている姿が見れればいいんだな?」


「ええ、まあ、そうね?」


 チノの返事を聞くと俺はすぐにクローゼットに入った。


 クローゼットの中は棚が何箇所か在るだけで殺風景なものだ。しかし、普通のクローゼットではない願えばその服が出てくるのである。俺は願った服を棚から持ち出して再びベッドの方に向かった。




……




「これで動いている姿が見えるだろう」


 俺はベット上からチノの方に大きな銀色のマントを広げた。姿見がわりである。


「ッチ!! こんな時だけは知恵が回って、まあいいわ。……わたし可愛い♪」


 チノはたぶん1人で楽しんでいるみたいだ。俺はマントを広げないといけないので見えない。いや、もし見てしまうと何言われるか分からない。取り敢えず好きにさせよう。




「よっと」

ポン




「ん?」


 頭の上に何か乗せられた。乗せられた物を見てみるとうさ耳だった。


「うさナシちゃん、えへへ~」


「馬鹿野郎何て物を乗せるんだ」


 俺はそれをチノに投げ捨て更にマントも投げつけた。


「痛い。でも怒った顔も、ぐへへ~」


 いじめっ子がニタニタ笑っている。


「ふん」


「すぐ赤くなって可愛い~、むふふ~」


「うるさい!!」


 可愛いって言いやがって、確かに今の姿は可愛い以外ないけど。まだ0歳なんだから仕方がないんだ。


 そんな事を思っていたら、チノが不気味に揺れながら俺に近付いてきた。


「も~そんなに怒っていいのかしら~」


「何がだよ」


「授乳、入浴」


「……脅しか?」


「脅しじゃないわ。お願いよ。だからこれ着て?」


 俺に服を投げつけて、チノはウィンクしながら、両手を合わせて可愛くゆらゆらと揺れている。後ろには鬼が視えそうだ。


「い~や~だ!!!」


「ケチ。減るもんじゃないでしょ」


「俺の男が減る」


 最近チノのせいで俺の男がみるみる減っている気がする。このままではダメだ。


「授乳、入浴それにわたしへの感謝」


「やっぱり脅しじゃないか」


「脅しよ。それにわたしへの感謝がないわ」


 チノへの感謝。確かに俺からは何かやったことはない。でも男としてのプライドがそれをやるなと言っている。しかし、良心は感謝しているんだろ? と言っている。


 チノはうるうる目で見てくる。期待の眼差し、希望の眼差しで俺に近付いてくる。はぁ~。


「……わかった。1回だけだからな! いいな!!!」


「うん♪」


 チノはそそくさと俺を着替えさせていく。1回は自分で着替えているからかスムーズに進んでいくのだが、俺の下を着替えさせようとして固まってしまった。


「ナシちゃんは何で穿いていないの?」


「女の下着何て穿けるか!」


 俺は続きを1人で進めているが、チノは完全に停止している。


 (「女としての自覚が) (足りないみたいね」)

「何か言ったか?」


「何でもない」


 着替え終わるとチノが銀のマント(姿見)で俺を写す。チノと全く同じ姿のミニレセンディがそこにはいた。ただし、今にも泣きだしそうな顔をしている。


「不満なの? わたしへの感謝わ」


「いつもありがとうございます」


 俺は頭をペコリと下げた。


「へ? あ~ありがとうございます?」


 チノは目線が宙を舞ってしどろもどろになっている。しばらくすると何かを思い出したような仕草をして目線を戻した。でもちょっと顔が赤い。


「折角着替えたんだからレセンディの真似してよ」


「え~、……チノもやってくれるならいいけど」


 俺も動いているレセンディをもっと見たいからな。交換条件だ。


「やった〜、わかったわ」


 でも、急に真似しろと言われてもな~。う~ん、漫画の一押しのシーンがいいかな?


 俺はふぅ~と息を1つすると覚悟を決めて行動に移った。レセンディが戦争を止める為に、敵に通じている大臣の密会場を襲撃する場面だ。


(わたくし)はリプス王国が第3王女レセンディ=リプスです。――ッバ! 皆さまお覚悟はよろしいですね?」


 自分の中では優雅にカーテシーをして、最後に右手をバーンと出して魔法を出すポーズを作った。


「……え? ナシちゃん演技の勉強していたっけ?」


「そんな記憶一度もないだろ。そんなに良かったのか?」


「ええ良かった。お姫様みたいだった。本物のレセンディが出てきたみたい。すごい天才。かっこいい」


 ”かっこいい”。そんなに褒められると照れちゃう。何かやる気が出てきた。


「見てろよ。火炎魔法(ブレイジング)≪紅蓮の射手≫(シューター)


 俺は見開き一杯に描かれていたレセンディを演じて見せた。


「きゃあ~”かっこいい”きゃあ~」


 その後、調子に乗って色々な動きやセリフをやりまくってしまった。




……




「チノもういいだろ。次は俺も見たい。俺も動くレセンディが見たい」


「え~もう仕方がないな~。いくよ~」


 チノは真剣な顔になると、演技を始めた。


(わたくし)はリプス王国が第3王女レセンディ=リプスです。――ッバ! 皆さまお覚悟はよろしいでつね?」


 ……噛んだ。まあそれ以外は完璧だ。チノはスカートを手で握ってぷるぷる震えている。


「むふふ~、”かっこいい”よ?」


「うるさい。見てなさいよ火炎魔法(ブレイジング)≪紅蓮の射手≫(シューター)


「お~お~これはすごいな」


「そう?」


 チノの顔が少しニヤけている。その後、調子に乗って色々な動きやセリフをやりまくってくれた。




……




「ふぁ~、満足した?」


「うん♪」


 大きく頷いてチノにサムズアップした。それを見るとチノはゆっくりとベッドに登って、大きな枕を叩いて俺に合図してくる。


「はぁ~、もう寝ましょ~」


 結構遊んでしまったな。お陰でもう眠い。


「ん~、わかった。うんしょっと、……寝るか」


 ベッドを登ると、チノが布団に俺が入る空間を作ってくれた。そして、ふとんをパタパタさせて早く入るように催促してくる。俺は睡魔に誘われながらその空間に入った。


「ナシちゃん……おやすみ~」


「ああ……おや…… (すみ)


 チノがもそもそ動いているみたいだが、俺は睡魔に勝てなかった。




……




シュタ




『ふふふ~。ナシちゃん達~、待たせたわね~』


『……あれ~? 寝てる~?』


『え~~、何布団の中で手を繋いでいるのよ~。む~~』



イベントクリア報酬

ゲットスキル

【アタマノナカニデンパガ+】 ⇒ 【アタマノナカニデンパガ++】

日頃の訓練が在れば脳内再生も余裕で出来る人は居る

補正 MP消費-3% <new>器用さ+3


【ヘタレ+】 ⇒ 【ヘタレ++】

S・O・S S・O・S 逆らってはいけない

補正 回避率+5%UP <new>抵抗力+3


【家具】

≪願いのクローゼット≫が増えました

補正 魔法力+1<封印中>


【馬鹿】

そうだここに隠れれば完璧だ←残念!

補正 攻撃力+1


【演技派】

お姫様の真似をしてるしているお姫様

補正 器用さ+10%UP


【天才】 ⇒ 【天才】

上がると思った? 残念そんなにすぐには上がりません

補正 全能力+100%UP

がかーる☆じるま⇒マジカルガール

レセンディ=リプス⇒プリンセスレディ

創作日記:ナシ達を可愛く描こうとしてもがいた回です。

全然出来て無いし、ムズイムズイ。

何時かは出来るようになるかな~?

――を初めて使いました。使い方合ってる?

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