第15話 負けられない戦い
(ふははははは)
「キャッキャッキャッキャッ」
クルクルクルクル
緊急回避の訓練もそろそろ極まっている(本人談ね)赤ん坊の身なので、出来る事が少ない中、思いついたのがこれだ(ふはははは、くるくる回避よ)理想はアニメや映画などで倒れている所に、攻撃されてカッコよく回転して避けるあれだ。
1ヶ月位は訓練しただろうか。今はチノに訓練をして貰っている。
「くるくるくるくる」
「キャッキャッキャッキャッ」
くるくるくるくる
クルクルクルクル
「ティア様、楽しいですか?」
「楽しい!!」
くるくるくるくる
母さんと一緒にくるくる回る。これが思ったより楽しいんだな。最近になって、床の上での生活が増えてきたお陰で、母さんと訓練する事も多くなった。
そのせいで、言語習得が少しおろそかになってしまった。だから言葉は分からない。発音は結構できてきたが、オウム返し作戦は失敗のままだ。自由に動けたり、喋れたりするのは何時になるやら。
自由とはこうも手に入りずらいのか!(なに恰好つけてるの?)自由とはこうも手に入りずらいのか! キリッ!!(なんで、二回も考えてるの!)ノリだ!!!
……そう言えばなんで俺の心の声がいつも聞こえているんだ?(ナシちゃんが隠す気が全く無いからでしょ?)まあ聞かれても問題ないからいいけど。でも、チノの心の声はほとんど聞いた事ないけど、ずるくない?
(乙女には秘密が付きものよ。それに、ナシちゃんがホームシックの時は、全然、聞こえてこなかったわ)……無意識だったのかな?(わたしに聞かれても分からないわ)
くるくるくるくる
クルクルクルクル
「うう~、私もう無理……気持ち悪い……」
「ティアは情けないですね~。メア様は全然平気そうですよ?」
「メアちゃんは……すごい子……だから」
母さんが口元に手を当てて気持ち悪そうだ。メイドさんがどこからか桶を出して、母さんに渡している。
母さんはもうダメだ。代わりにメイドさんに付き合って貰おう。
ハイハイでメイドさんに近付いて、ロングスカートの裾を元気よく引っ張った。
「にゃ~にょ~え~」
「どうしました、メア様?」
くるくる回転してはロングスカートの裾を引っ張る儀式を、3回繰り返した。
「メア様は、私と遊んで欲しいのですか?」
相変わらず何言ってるか分からないが、優秀なメイドさんの事だ。たぶん大丈夫だろう。取り敢えずもう1回ロングスカートを引っ張った。
「にゃ~にょ~え~」
「わかりました。ティア様交代です」
「……」
母さんが幽鬼の如くゆらゆらしながら椅子に座って寝た。それを見守った後、メイドさんは笑顔でこちらをみると、くるくる回転し始めた。母さんよりも速いな。
俺も負ける訳には行かない!
チノ頑張るんだ!!!(ちょっと、今の流れならナシちゃんが頑張るんじゃないの?!!)チノ頑張って!!!(嫌よ! わたしは疲れたわ! もう裏に回るから)
……チノお姉ちゃん、私の代わりに頑張って♪(もう1回、もっと可愛く言って)チノお姉ちゃん♪た~っく、さん頑張ってね♪私、お姉ちゃんの頑張っているところ見たいな♪
(ふぉ~~!!! 見ていて、ナシちゃん、チノお姉ちゃんの勇姿を!)
チョロい!!!
「ん~ん~む~」
グルグルグルグル
「(流石はラルム様、転生しても御凄いですね。私も少し頑張りましょうか)」
ぐるぐるぐるぐる
メイドさんもやるな! 俺達も本気を出さねば成らないようだ。
チノ! 一気に決めるぞ!!!(チノお姉ちゃんだよ?)……チノお姉ちゃん! 一気に決めるよ!!!(まかせて!!!)
俺達はかなり速く回転した。
「み~み~み~」
シュルシュルシュルシュル
「(まだ速く成れるのですか? ではもう少し速く)」
しゅるしゅるしゅるしゅる
メイドさんは俺をニコニコ見つめながら回転している。まだまだ余裕のようだ。そして速い。
このままでは負けてしまう(まだよ、ナシちゃん! わたし達2人の心を合わせるのよ!!!)チノ……ああ、分かったぜ!!!
俺達は母さんと一緒に回転していた時とは、比べ物にならない程、速く回転した。
「ふ~ふ~ふ~」
ズザザザザザザ
「(ふふふ、甘いですよラルム様)」
ずざざざざざざ
スカートが捲れ上がりそうな速度を出していても、メイドさんは涼しい顔をしている。その顔に俺達は焦りを感じている。
げ、限界だ。もう無理だ。勝てない。(あきらめるのナシちゃん!!! 今までの努力は何だったの!!! 思い出してあの辛かった訓練を! 思い出して!!!)
…………そうだ。俺達はあの地獄の訓練をやり遂げてきたんだ!!! こんなところで負けられない!!!
訓練で回転していた時の最高速度を俺達は出した。
「ひ~ひ~ひ~」
ジュダダダダダ
「(転生前なら、私の敗北なのでしょうが残念でしたね、10年早いですよラルム様!)」
じゅだだだだだ
メイドさんの目付きが少し変わるとすぐに俺達と同じ速度になった。そんなバカな!
(く、悔しいよ。ナシちゃんこのまま負けるなんて嫌だよ!!!)チノはもう負けた気でいるのか?(え?)チノはもう負けたのか? まだ負けていないだろう?(でもこのままじゃあ……)
俺を信じろ(信じる?)そうだ。俺を信じてくれ。俺達が勝つ未来を、希望を信じてくれ!(わたし達が勝つ未来、希望……ええそうね! わたし達が勝つ未来、希望を信じるわ!!!)それでこそチノだ。いくぞ!
はあああああ!!!(たあああああ!!!)
俺達は今! 限界を突破している!!!
「は~あ~あ~!」
ガドドドドド
「(こ、これ程の力を秘めているのですねラルム様。私も少し本気を出しましょう)」
がどどどどど
メイドさんは口元をニヤリとさせると、俺達よりドンドン加速して突き放そうする。
ガハァ!! 体が痛い、自由が効かない、全身が悲鳴を上げている。このままでは……このままでは……(ゼェ! ハァ! ゼェ! ハァ!)チノも、もう限界か。俺達に残された力は、後1回。これが正真正銘最後の力だ。
チノーーー!!!(ナシーーー!!!)
持てるすべての力を回転に注いだ。その速度は生前より速く。誰にも負けない!!!
「~~~~~~!!」
バギギギギギ
「(ラルム様を甘く見ていたようです。これは失礼のないように本気で行かせて貰います)」
ばぎぎぎぎぎゃ
メイドさんから気迫のようなものを感じると、俺達より速く回転してしまった。俺達の中で何かがポキリと折れてしまった。
……
口で息をするのが、やっとの状態で俺達は倒れ伏している。
……チノ(……ナシちゃん)俺達は負けてしまったようだ。俺達の戦いはすべて無意味だったんだ!!!(……負けちゃった)所詮、俺達は物語の主人公みたいにはなれなかったんだ(う~え~ん~く~や~し~い)
「はぁはぁはぁはぁ」
「(少々大人げなかったでしょうか?)」
ばばばばばば
メイドさんの無慈悲な追撃が俺達の心を更に抉る。もうやめてくれ!
俺達は負けたのになんでこんな酷い事を。……こんなところで終わってしまっていいのか(わたし達は負けたのよナシちゃん)本当に負けたのか。くそ!!
勝ちたかったのにこんなところで……こんなところで(……わたし達に力が在れば、神より優れた力が在れば!!!)
……神より優れた力? ……神より優れた力!!!
俺達は逆転の一手を思い付いた。
「はぁはぁはぁはぁ」
「(まだ動こうとするのですか? もう勝負は着いたと言うのに? ……! な、何ですかこの神々しい力はまさか)」
((見せてやる神技≪絶対回避≫))
「!!!!!!」
シュイン! シュイン!
「……ラルム様の勝ちですよ(転生しても加護を持っているのですね)」
パチパチパチパチ
メイドさんが拍手をしているどうやら勝てたようだ(やった~~~~!!!)
『こらーーー!! 何やってんの~』
ひぃ!(ヒィ!)
『もう~、そんな怖がらないでよ~。それに~、この茶番はなに~』う~ん? 勢いでこうなったかな?(悪乗りでやっちゃった)
『神気は秘密の力なんだから~。あんな遊びで使ってはダメだよ~』そうなのか?(知らなかったわ)『言ってないもん~』イスナー!! ひどい!!!(そうよそうよ)
『……ところで~、何で普通に神気使えるの~?』【神話】や【無敵】使ってたら何となく?(こう、頭の中にピピピって感じ?)『う~ん~? 次からは気を付けてね~』わかった(気を付けるわ)
「はぁ~ひぃ~はぁ~ひぃ~」
俺達はボロボロで満身創痍でくたくたなのに、メイドさんは息ひとつ乱していない。やはり、只物ではないなこの人。そして母さんは完全に夢の中みたいだ。よだれが出ているし器用に椅子の上で丸まっている。
「はぁ~ふぅ~はぁ~ふぅ~」
調子に乗り過ぎた。もう体力の限界だ(回り過ぎて気分が悪いわ)喉が渇いた(眠りたい)
「はぁ~~はぁ~~はぁ~~」
ぐきゅ~~~
「すぐ用意します。」
メイドさんがすぐに粉ミルクを用意して、俺を抱きかかえてくれる。
「ラルム様どうぞお召し上がり下さい」
俺は粉ミルクを勢い良く飲んでいる。運動して喉が渇いているから一段とうまい(わたしも飲みたい)感覚は共有しているだろう?(わたちも飲みたいでちゅ♪)……(無言はやめて! まあいいわ)
ゴクゴク
チノに飲んで貰っているが、別に変らなくね? 少し飲んだら急激な眠気が、チノに襲いかかっている。チノが眠気に負けずに飲んでくれて、替わってよかった~。と思っていたらチノの意識がかなりヤバイ!
チノ! 今寝たらダメだ! 俺にも眠気が回ってきている。頑張るんだ!(……)無言で替わろうとするな!
チノと替わって上げた。あ……ねむい……無理だ。
(ナシちゃん! 今寝たらダメよ! 頑張るのよ!)……(無言で替ろうとしないで! あ……ねむい)
……無理だ(……無理だ)
スゥ~スゥ~
コンコンコン
「儂だ。粉ミルクの番できた」
ガチャ
「陛下……メア様は先程、粉ミルクを飲んで眠られました」
「なんじゃとーーー!!!」
イベントクリア報酬
ゲットスキル
【回避技術】
クルグルシュルズザジュダガドバギ
補正 回避率+10%UP
【負けず嫌い】
負けられない戦いが今、ここに、ない!
補正 TP+10%UP
【寝返り・幼EX】
もはや赤ちゃんがするレベルではない
補正 なし
【ハイハイ・幼】
かなり遅いですが出来ます
補正 なし
secret
【絶対回避】
神技≪無敵≫より消費は少ない
補正 神気+1 素早さ+1 素早さ+10%UP
エイド
【大人げない】
0歳児に本気を出す……
補正 攻撃力+1
創作日記:結論から言います。これから本当に作家目指す人は、良く調べてから小説書いた方がいいですよ。
自分みたいに趣味で書く人はまあ1時間位調べたらたぶんOKでしょう。あとは息抜き時にちょくちょく見るくらいで大丈夫かな?
ここから飛ばしてくれてもいいです。後、長い
最近になって急に小説の書き方を見ています。2/1現在
小説には視点の人称があるらしいです。
1人称(自分)と3人称(他人)視点が大体殆どらしいです。
2人称(あなた)はかなり少ないらしいです。
間違えていたらすいません。
この小説は、たぶん1人称にあたるのかな?
自分視点のみが1人称で3人称的表現がある。イスナーやらチノ、理解できないはずの会話()で相手の気持ち、メアがいないのにその後の描写がある。……
なろうでは人称がぐちゃぐちゃな人が多いそうです。
自分もその1人でしょう。今更直すのも人称がよく分からないから無理かな?
ここまで読んだ人は、たぶん人称なんて気にしない層だと思います。
自分も小説を書く前はその1人でしたから。
実際、小説のお作法を気にしている層はどの位いるのでしょうか?
たぶん多くのなろうの読者層は気にしてないと思います。
本当に作家になりたい作者や、なろうではなくラノベ、小説の方が好きな層だけが気にしているのではと思います。
まあ知ったので、出来る範囲で守ります。
関係ないけどルビ前書き後書きに使えるのね
自分なりの現時点での地の文について2/24
漢字の量で文の堅さを調節できる?
幼⇔老 遅い⇔早い キュート⇔カッコイイ など
結論を出来るだけ段落の最初に持ってくる
読み飛ばしても話が分かるように
3行以上は見ずらい
ネットでの3行ルールが理由(スマホとパソコンでは、スマホに合わせたら2行になる。厳しいかな?)
語彙や表現力
がんばる
今の自分の目標は短く多くでいこう
うん!
地の文と会話の境界なくせばいいんじゃね。1人称ならそれができるんじゃね。
現在進行中
俺等人称使い過ぎ
むむむ一応修正済み