修行のチャイムは終わりを告げる
ウルベル・オッルドが流した魔力が、樽に到達しても、樽には何の変化も起きてはいなかった。
、、、、なんてことはなかった。
しかしながら起こった結果は、彼の師匠ゴルド・アサインの雷の反応には遠く及ばない地味な変化だった。
まぁ、結果として樽は二うの分かれた。
否、二つになったのだ。
複製されたのだった。
「ふむ、ふたつに分かれたか、、」
ゴルドは、この結果を見てつずけてこうもらした。
「”割れる”ではなく”分かれる”か、、、、」と、何やら意味深げなことをつぶやいていたが、次からの行動は早かった。
彼は、一瞬意識を集中すると頭の中で”回線”を接続する。
「ツーツー 、、、はい。どなたでしょう?」
「わしじゃわし、ゴルド・アサインじゃ」
「あれれ?なんでご老公が僕なんかのところに”念話”なんてしてくるんですか?」
「儂の新しい弟子の”魔力属性”が分かったからそれの通達じゃ」
「あぁ、なるほど。それでぼくに”念話”してきたんですか。」
”念話”とは、魔力とは別の”気”というものを操り、特定の相手と”回線”をつなぎ、遠距離で買いををすることができるようになるいわゆる”気法”の一種だ。
余談だが、ウルベルの師匠であるところのゴルド・アサインは、昔四つの帝国すべてを救った伝説を持つ”英雄”で、その伝説はいまだに語り継がれているような伝説の人だった。
そんな、”英雄”を”ご老公”と言って慕っている彼は、
正式名称≪全世界魔術師統合総合協会≫
通称≪魔協≫の南都支部長 アルセロヌ・バナーである。
「んで、その子の名前と性別年齢、そして”魔力属性”の特徴、性質それと、あればその子の主武装を教えてください。」
「名 ウルベル・オッルド 性別 男 年齢 15歳
魔力属性の特徴は分割と複製といったところか。
それに主武装は、”帝都武器””鋭槍”シルヴェドじゃ。」
「へぇ。すごいな。15歳で”帝国武器”しかも、”竜種”の武器を手に入れるなんてすごいじゃないですか。」
「、、、」
「まぁ、あとはやっとくんで試験会場決まったら連絡しまねぇ。じゃ。---ブツ」
彼がなぜこんな長電話ならぬ”長念話”に興じたかというと”魔術名”を決めるためである。
”魔術名”とは、新人魔術師に与えられる”二つ名”のようなもので魔術師になるものの第一の憧れのようなものである。(”魔術名”と、”二つ名”は違う)
そして待つこと二時間
”魔協”から”魔術名”が通知された。
彼、ウルベル・オッルドは、”魔術名”≪l複製≪マルチ≫≫を持った。
ここから、彼の真の物語が始まってゆくのだ。(ジャ〇プ感)
~修行編 完 ~