修行の日々と”魔槍 シルヴェド”
シルバ・タスクがまだ死んでいないと分かった後、かの老人ゴルド・アサインはシルバをサンサ山の頂上にある彼の家、通称”死神屋敷”に運び込んだ。
「安静にしておれば、なにもしなくてもなおるかの。」
ゴルドはそう言い残して、”六合小屋”に戻っていったのだった。
”六合小屋”に戻ってからのゴルドの動きは早かった。
ウルベルに”動の型”以外の”基本の魔力操作”を教え込み基礎体力の増強、魔力総量の増強などを鍛え続け、あっという間に10か月がたった。
10か月ずっときつい訓練を続けてきたウルベルは、ものすごい体になっていた。
筋肉がバキバキである。
だがしかし、その代償としてバカみたいな筋肉痛に苛まれていた。
「し、師匠筋肉が悲鳴を上げているのですが、ガガガ」
「ふざけている場合ではないぞウルベル。ようやっと10か月もかかって”基本の魔力操作”をすべて覚えきったお前に今日は”武器選び”と”適正魔術診断”をしてもらう。」
「???」
「”武器選び”は、読んで字のごとくお前の”主武装”つまりは、戦いに必要な武具を選ぶということじゃな。そして”適正魔術診断”はお前の”魔術属性”を見るためのものじゃな。
何か質問は?」
「…ないです。」
「じゃあまずは、”武器選び”から始めようか。ついてこい!」
ゴルドについていくために重い体を起こしたウルベルは、”六合小屋”に戻ってきた。
「?なんで”六合小屋”に?」
「何も言わずについてこい。もうすぐわかる。」
「???」
そういわれて、ウルベルは黙ってついていく。
すると、ゴルドは急に立ち止まると、ウルベルにこう言った。
「お前は、魔力を噴出できるか?」
「まぁできますけど…」
「やってみい」
ウルベルは、ゴルドに言われたままに魔力を噴出する。
魔力を噴出するのは、”門”と呼ばれるミクロレベルの穴から噴出するのだ。
ウルベルは魔力を噴出すると、精いっぱいのどや顔をした。
「どうです(フン)」
「‥‥‥‥」
「なんです?(笑)」
「……10か月でこれか」
「・・・どういうことです?」
「ちょっとショックだっただけだよ。ハァ」
「ハァ???なんでです????」
「この小屋の構造上一定以上の魔力を受け付けると、各市扉が開く仕組みになっているのだが…まぁしかたないか。見ておれ。」
ゴルドが魔力を出す。
ゴォォォォォォォォォォォォォォ
向かいにあったはずの棚が動き始める。
「!!!」
「どうじゃ(笑)」
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
そんな一連の流れがあり出現した地下室への階段を下りていく。
降りて行った先は、武器庫もようだった。
剣、盾、槍、弓、杖、グローブ等々の武器がそこら中に整頓されている。
「す、すごい」
「そうか。お前は今から自分の”主武器”を選べお前が真に”魔法”を理解できるのならわかる。」
ゴルドは上に上っていった。
「どうするか。」
地下室を見回るが特にこれといった興味は沸かない
そこで、少し目についた武器を手にって見る。
「うん。これだな。」
決めた武器をもって上へ上る。
「ほう、お主の武器はそれか。なかなかの上武器を取ったものだな。」
ウルベルのとった武器は包帯のような白い布でくるまれた”槍”だった。
「これがなんかいいような気がしたので、」
「その中身は見たのか?」
「いいえ。見ていません。直感で決めました。」
その答えを聞くとゴルドは満足したように笑い説明を開始した。
「その槍の名は、”魔槍 シルヴェド”世界に100しかない”皇具”の一つじゃ。
”皇具”とは今から800年前4つの王都ができたときに4人の王がその当時に世界に100種100匹しかいない”魔皇獣”と呼ばれる強力な”魔獣”を素材とした強力な武器じゃ。
そのシルヴェドは11種の竜種の一体”鋭竜 シルヴェド”の爪を使ってできておる。
能力は、”裂く”の能力じゃ」
その説明を聞いた後ウルベル・オッルド少年の思いはただ一つだった。
「(そんな貴重な武器を俺にくれるとか責任が重すぎるでしょうがよぉぉ!!!)」




