その6
ーー拝啓、遠い銀河の向こうのお父様、お母様
私が地球の大地を離れてから早数百年、いかがお過ごしでしょうか?
自分の知る限りの地球人類の科学力ではそれほどの時間が経過すれば、もうすでに天に召されておられるかもしれませんが、そこはお互い遠く離れた惑星。
時間の流れ方そのものが違い、案外そちらではまだ1秒も経過していないかもしれませんし、私個人としてもそうであって欲しいと思い、このように届かないと分かりながらも手紙を書き貯めております。
さて、少し話が脱線しましたが、本日はなぜ私がこのようにわざわざ筆を取ってあるかといえば、それは重要な発表があるからです。
いえ、別に金の請求でもありませんよ、ましてやオレオレ詐欺でもありません。
そもそも、こちらでは円もドルすら使えないのでもらっても仕方ありませんしね。
冗談はさておき、早速本題に入りますと実はこの度、私は遠く離れた銀河ながらようやく一つ親孝行できそうだからです。
いや、こんな顔見せすらしない通信すらできないのに何が親孝行だなんて言われるかもしれませんがそれはそれ、これはこれ。
ともかく今回の出来事こそは本当に紛れもなく親孝行であると私は思うことです。
さて、勿体振りましたが早速報告させていただきます。
「取り敢えず、その星でできたその家畜たちの帝国民登録は別にして、今連れてきたその娘だけなら、ほぼ無料で帝国民に登録する方法はありますよ~。
その制度、親子割引と言うのですが……」
「OKOK、それじゃあ、取り敢えずその方面でのこの娘だけは登録頼む。
というわけで、お前は今日から俺の娘、よろしくな」
「はふっ!?!?!?」
というわけで、非常に深くない実に浅い理由で私には娘ができました。
角が生えており、少し身長が小さいものの、体のメリハリぐらいはわかる年頃で父親思いのいい娘です。
問題点としては、未だに私が未だ結婚していないやそもそも娘が正式には人類ではないことなどがあげられますが、遺伝子的はそこそこ似通っているらしいので生物学的には義娘としてセーフだと思います。
それに合法です、すばらしい。
「ということは、その理論で言うと私がお母さんになるのですか」
「いやいや、そこは余だろ!
余があの機械を複製や修理をし、温血に捧げたのだ!
となれば、この娘は余と温血の愛の結晶!あ、ママと呼んでくれてもいいのだぞ?」
「HAHAHA、高性能鉄屑とキメラの化け物がナイスジョーク。
互いに母性のぼの字でも調べてから発言しやがれ」
「はわ、はわわ、はふわわわわわわ!!!!」
かくして、意図せずとも家族が増える結果となりましたが、そちらに戻ったときはどうぞよろしくお願いします。
――PS・なお、帰宅できた時はぜひ肉じゃがを作って下さるとうれしいです。
私が個人的に食べたいのもありますが、ぜひこの娘に正しいおふくろの味というものを教えてあげたいからです。
砂糖と泥の味しかしない四角形の鳴き動く物体をおふくろの味だと思っているのはあまりにも可哀想すぎます。
そのような親心でもあるので、その時は是非協力をお願いします。
「じゃ、そろそろ真面目に話し合おうか」
「そうですね~、まぁほとんど内容は決まり切ってますが」
さて、現在我々のいる場所は地球もどきからはるか遠く、凍える惑星ジートライにあるとある一軒家。
吹雪吹き荒れるこの惑星でも比較的過ごしやすくありながら、同時に人ごみや建物がそこまで多くない地域、いわゆる避寒地であるここにポツンと立っている。
なお、当然のことながらこの建物は自分の建物やましてや役所の類でもない、(腐っても)ジートライ王族クレハの個人所有の別荘であり、現在はそこで楽しく談合中である。
「とりあえず、今すぐに出せる分としてこちらは1500万は用意した。
というわけで、流石に和牛人間全員分の戸籍を作れなんて言わないから、せめて無条件で帝国適性民族として登録だけをお願いする。
ああ、もちろん高い金が必要な惑星視察や精密検査も結構だぞ。
一応、保険や高性能機臓を用意してくれれば無条件で受け取るが、そんな感じの妥協点ではどうだ?」
そのセリフとともに、どさっと現金を机の上にぶちまける。
なお、リスクを抑えるために貨幣の種類は帝国貨幣とジートライ貨幣にギルド貨幣の3種類に分けてはいるもののそれでもきちんと1500万分は用意できているはずである。
「即金で用意してくださった意気込みは買います。
あなたの言う和牛人間とやらの全員分の帝国戸籍はその半額でも用意できます。
……が、帝国の適正人種登録は無理です、本音を言えば3000万でも大サービスのスカスカ状態。
まぁ、実質のない名義での登録でなら出来ますがそれでは嫌でしょう?」
そうして、自分の相談に乗ってくれるのは当然、この建物の所有者でもあるクレハ……ではなく彼女の秘書兼侍女の方である。
では肝心のクレハはどこにいるかと言えば、現在は楽しくハル及び新しくできた自分の義娘と一緒に街中へとショッピング中である。
館の主人と議論の中心人物なしに会議を進めていいのかと思うかもしれないが、片や頭お花畑でもう片方は銀河ど素人生まれたてホヤホヤ生命体である。
むしろ、いない方がスムーズに会議が進んでいるのはある種自明の理であろう。
「……別にワープ用の大型ポータルを置いてくれとか、うちの星に役所設置を求めているわけでもないのに無理か。
一定以上の知能と品性さえあれば基本民族登録はそこまで難しくないって聞いたんだがなぁ。
というかほんとに無理なのか?検疫用のワクチンやらなんやらは最悪こっちでやるから本当に人種登録だけでいいのに無理か?」
「無理も無理も大無理です。
というかですね~、そちらとしてもそれが一番きついってわかっていってるんでしょ?
そもそも【帝国】においての人種登録は基本出身と【ESP(念波)】の適性があるかどうかの点が強いんです。
最悪群れに一人でも強くて帝国の益になる超能力者か同じ起源の種族の帝国民がいれば、猿でも菌でも石でも仲良く帝国民族の仲間入りできますしね。
頭がいくら賢くても無能力者や身元完全不明民は無理、ましてやそいつが役に立たないともっと無理、それが帝国における人種登録の原則ですからね~」
「やっぱりそうなるかぁ~。
あいつらまだ生まれたてなんだがなぁ……」
侍女に言われた事実をまた改めて再確認し、思わず頭を机の上にのせてしまう。
いや、内心はそう簡単に和牛人間達を帝国の適性人種として登録などできないことをわかっていたのだ。
でもすこしだけ、前回こいつらに借りを作ったのでそこを強請ればうまくいくかもと思ったが、世の中そうもうまくいかないものである。
「というかですね、そもそも人種登録しなくても簡易戸籍ぐらいなら用意できるといってるじゃないですか~。
それなら、今あの惑星にいるその和牛人間たちでも最低限の身の安全や社会的地位を保証されますよ?
そもそも外からくる宇宙海賊やら奴隷商は戸籍や種族登録していても、関係なく襲ってきますし、むしろ箔が付くと種族登録した方が襲ってくるかもしれないくらい。
ならば、今下手に種族登録するよりもあなた個人の【所有物】である現在の方が断然安全では?
それに彼女たちが家畜のままの方が、貴方としても管理が楽ですし、もしもの時の対応や処分だってしやすいはずですよ~」
侍女がいくつかの資料をまとめた書類をこちらに渡しながら、そう問いかけてくる。
そう、彼女の言うことは一理ある。
そもそも外的要因さえなければ、あの惑星は今のままで問題ないのだ。
そして、もし仮に今外敵が襲ってくるようなことがあってもその場合は戸籍や種族登録のあるなしなど関係ない問題の方が多い。
高い金を払ってまで、彼女ら和牛人間を種族登録するメリットは、現在のところ薄いというのもわかる。
「……でも、その前提のほとんどは管理者である俺が生きている間しか成り立たないだろ。
俺がいなくなったら、誰もあいつらの身元が保証できん。
今戸籍揃えたっておんなじ、そもそもあいつらに子供とか生まれたらどうする。
全然根本的な解決になってない」
「はぁ、色々とお優しいことで。
本当に温血様は甘いですねぇ、家畜なら家畜らしく骨までむしゃぶりつくせばいいのに」
「あほか、本当に甘かったら普通にあの星に永住して守護者やってるわ」
「賢くて見た目似ているだけの家畜にそこまで思い入れたら、優しいを通り越してきもいですよ。
ちょっと近寄らないでくれます?流石に家畜にそこまで入れ込む性質はきもいかなーって」
器用に両手を突き出しながら距離をとる侍女の姿に若干のいら立ちが沸くが、そこは何とか眉間を抑えてこらえる。
「でも、そんなきもい温血様だからこそ、実は彼女ら和牛人間たちをほぼ無料で、かつ細かい手続きなしで全員子孫含めて、種族登録も戸籍登録もできる素晴らしい方法があります!
聞きたいですか?」
「……嫌な予感しかしないけど、とりあえず聞いてやろう。
で、その都合よすぎて嫌な予感しかしない解決法ってなんだ?」
「簡単ですよ!それはすでに帝国民登録している温血様が、彼女ら和牛人間全員と【結婚】及び【出産】させればいいんですよ♪
いやぁ!ハーレムハーレム!自分で一から作った子供に等しい知的生物を手籠めにするだなんて、よっ!この甲斐性あり!男の中の男で惑星一の鬼畜♪
遺伝子型生物なら、片方が帝国民ならばその子供も高確率でちゃんと無条件で帝国民登録できますからね~。
大丈夫!この銀河帝国で異種族婚なんてわりかしよくありますから!ましてや今回は見てくれが似ているから7割セーフ!むしろ正常!完璧ですね!」
あんまりにもあんまりな解決策に思わず、変にテンションの高い侍女とは相対的にこちらはただただ頭痛を感じる。
「……一応聞いておくが、和牛人間にはオスもいるぞ。
そいつらはどうするんだ」
「な~にいってるんですか!一夫多妻や一妻多夫は銀河帝国では常識!
ましてや多夫多妻も全然OKの無問題です!
あ、でも【温血】様の遺伝子を継いでないとできた子供たちが帝国民登録できるかわからないですからねぇ〜。
ならば、温血様の機臓は高性能なんでしょう?では、雄である子供たちの子を【妊娠】や【産卵】するくらい余裕ですよね♪
同性婚や親子婚、結構否定する人もいますが私としては大賛成ですよ!
無論!あの新しくできた娘さんもちゃんと仲間に入れてあげてくださいね♪
と、いうわけで!!息子と娘と創造主による禁断の恋の行方を私に是非是非見せてくださいな!!
……て、あっ!じょ、冗談ですから!帰らないで帰らないで!暴力もだめぇええええ!!」
どこからか大量の婚姻届けを取り出してきた侍女に、思わずアームロックと合金の縄をかける。
そうして、自分の腕下で暴れる侍女と困惑する彼女の部下を眺めながら、静かにクレハとハル、そして新しくできてしまった自分の娘の帰りを待つのであった。
「はふっ、はふっ、はふううぅぅぅぅ!!!!!!」
「がんばれー!!!そこだ!!
もっと神経や頭にある脳だけに頼るな!腹や手にも脳を作りそこで出力を上げろ~~!」
「クレハ様、残念ながら彼女の体の構成上ではそう簡単に脳みそを増やすことはできないのです」
で、クレハ亭の一室の少し大きい部屋。
そこでは現在、義理娘が一人と一機のやかましい声援を受けながらESPの検査をしていた。
現在検査しているESPはESPのなかでも最もポピュラーな【念動力】の検査である。
普通に持ち上げるには重すぎる合金玉を直接触れずに持ち上げなければいけないはずの検査ではあるが、我が娘はなぜか容赦なくそれに触れながらも持ち上げようとしている。
しかし、そんな反則を犯してもなおもピクリともその合金球は動きそうにもなかった。
「……まぁ、こうなるよな」
「あら、ご存知でしたか?」
「一応は簡単なESP検査をしてから連れてきたからな。
これでも一番総合ESP力が強い娘を連れてきたんだが……この様子だと念動力には期待はできそうにないな」
色々と四苦八苦している義娘の様子を見ながら、少し思案する。
そもそも裏金を使わずに種族登録するというのは当初から選択肢には入ってはいたが、選択できなかったのだ。
では、なぜか?答えは簡単だ、この和牛人間達は正式な方法では人種族登録するのは厳しいのは事前検査でわかっていたからだ。
「一応検査反応を見るに、少しは反応はしているんですけどね~。
いわゆる一般帝国民並、いや、専門教育を受けてないのを考えると十分以上なんですけどね~。
これが一般のマリアン人とかなら、100人ぐらいの中から選んだと考えてもかなり有能な感じなんですけどね~」
「でも、それじゃぁ足りないんだろ?」
「まぁ、そりゃそうですよ~。
そもそも生まれが機械の家畜って時点で査定的にマイナススタートですから。
その減点を除いてもこの程度のESP持ちが数千人だけっていうのは、戸籍だけならまだしも種族全体での新帝国民化としては厳しいかな~っと」
帝国ではESPを大まかに4種類に分類しており、それぞれ【念動力】【瞬間移動能力】【精神波】【予知】である。
で、この銀河ではどの勢力でもそれらの能力持ちを強く募集しているし、それらのどれかの能力さえ強く持っていればたとえどのような出身であっても受け入れられるのが常識だ。
「はいはい、お疲れ様~~。
というわけで、貴方には一般人レベルの念動力しかないのがわかりました~」
「は、はふっ!!
ま、まだできます!も、もう少し頑張らせてください!!」
「はい、ダメ~。
というか、本来なら制限時間ありで触れないで動かして初めて【通常機械では検出不可の念動力】があると認められるんですよね。
いくらここが多少のねつ造や偽装し放題でも、動かなかった事実は変えられませ~ん」
「はううぅぅ……」
とぼとぼと念動力検査装置から離れる義娘を見ながらこちらも少し悲しい気持ちとなる。
そうなのだ、事前に検査済みであってもなお今ESPの検査をしているのは、もしかしたらこの和牛人間たちが機械では検出できないが強いESPを持っているという可能性にかけての検査であるのだ。
が、しかしながら銀河全体で標準仕様されている検査機械に早々穴があるわけもなく、今こうして実地訓練を交えながらの検査も結局は事前調査の裏付けを強化するのみであった。
「まーまー、でも最低限の念動力の才能は検出はできてますよ!
だから、帝国で標準配布されている念動武器や念動農作業具は使用できますよ♪
それに訓練次第では、温血様レベルぐらいにはなれますよ~」
「はうっ!はふふっ!」
「でもまぁ、この程度の念動力では後100年修行しても帝国民化は厳しそうですけどね★」
「はふぅぅぅぅぅぅ!!!」
侍女の言葉に一喜一憂している義娘の姿にほほえましさは感じつつも、結局は状況はほとんど好転しなかった事実に少し気持ちが重くなった。
すでに他の超能力検査も実施済みであり、いよいよまさに全和牛人間との結婚計画が現実味帯びてくる。
いや、流石にそんなことするくらいなら、普通に種族登録を強いESP持ちが生まれるまで待つが。
「さて、ではどうします?
この娘は今のところの検査では特別なESPは持ってないと判定されましたが、ほかの和牛人間の子達なら、誰かしらは強いESPを持っているかもしれませんよ~?
それに【精神波】【予知】なら機械による検出率が他検査よりも低いそうなので、もしかしたら機械ではなくちゃんとした検査官で検査すれば、それらの能力もちだと分かったり、新しく開眼できるなんてことがあるかもですよ?」
「流石にそこまで低い確率のために、検査官誘致なんて無意味すぎるだろ。
ただでさえ、俺とお前たちくらいにしか惑星の場所が知られてないというメリットを自ら手放すのはありえないだろ」
そんな風に侍女とブツブツと相談を繰り返すも結局は解決策は出ず、出たのはなぜかクレハと侍女が一旦一緒にこっちの惑星に来て、残りの和牛人間たちの超能力持ちかどうかの有無も調べてくれるというものであった。
「ふっふっふ!というわけで喜べ姪よ!
余が温血とお主たちの家に遊びに行ってやろうではないか!
存分にもてなすがいい!!できれば、お前たちの話してくれた巨大鳥の丸焼きとやらを喰ろうてみたいな!
できれば、我が巨大化しても一口では食えない程度のサイズのがいいな!
そして、着陸時には住民全員で駆け寄る感じで!ああ、もちろん歌や花火、花畑で迎えいれてくれてもいいのだぞ?」
「わ、わふっ!!了解です!頑張ります!」
「いや、無茶言うなや」
なぜか、簡易ESP検査官の資格を持っている侍女だけではなくオマケでついてくるクレハが一番のわがままを言っていた。
しかし彼女がいくら要望を知ったところで無駄である。
なぜなら、そんなことを言っても防衛上の理由であの地球もどきには星間用の長距離通信具の類はないからだ。
よって、いくら要望を言っても地球もどき側では準備を整えることはできないし、そもそもいつ帰れるかも向こうはわかっていないはずなのだ。
そう、わかるわけがないはずだったのだが……
「はっ、はふっ!連絡が取れました。
とりあえず、花の色の指定はありますか?
あ、あの、色は赤色がお好きとおっしゃっていましたが……」
「おお!気が利くではないか!
うむうむ!無論花の色は赤がいいが、大事なのはコントラストだ!
赤以外の色も使い、おぬし達が最も美しいと思う方にに植えておくといい!」
「わ、はふっ!了解しました!」
「……ん?」
なぜか、クレハと義理娘の間で2人の間で成り立っている。
そして、義娘はなぜか通信具もないはずなのに第2地球側と通話できているかのように会話をしていた。
「……ハル、もしかして内緒で通信機を作ってたりしてたか?」
「流石にあそこまで短時間で会話できる星間通信具を作った覚えはありません」
「だよなー……」
そうして、内心嘘だと思いながらもある種の確信を抱きつつ、それについて義理娘に尋ねると彼女はこう返してきたのであった。
「は、はふっ?こ、これはですね、あ、頭の中ではふっ~~って念じると地球……い、いや新地球にいるお友達とお話ができて……
初めは、幻聴か幻覚かなって思ったけど、最近ははっきりと聞こえてこれが【精神波】なんだなって思ってて……。
あ!で、でも、マスt、お、お父様の検査やサーヤさんの検査でも検出できなかったからやっぱり、勘違いかもしれません、ご、ごめんなさい!!」
謝りながらも事情を説明してくれる義娘を慰めながらも、あまりの爆弾発言に思わず固まる自分と侍女。
そうして、その事情をすでに知っていたであろうクレハのしたり顔とハルのすまし顔がやけに印象に残ったのであった。
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