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●星屑外伝・新星のミカ  ※時間軸・その5後編 

ちょと実験的に外伝投下


評判が良ければ外伝頻度が上がります



―――帝国領域私有惑星、新地球。


そこには無数の和牛人間こと和人と呼ばれる、少し人間に似ていて、しかし少し人とは違う、そんな人々が暮らしていた。

彼らは人のように会話し、泣き、笑い、そして日々を楽しく過ごしていた。


「……はふぅ~~!!もう朝かぁ」


その和人の中の一人に【ミカ】と呼ばれる少女がいた。

彼女はこの和人たちのなかでも、古参ではあるものの本人的にはそれだけで、彼女は自身を普通の少女であると思っていた。

無論、それゆえにその活動も普通であり、ささっと用意しておいた学生服に着替え、手早くご飯を済ませる。

髪と角を整えて、鏡を見て問題がないとわかると急いで自分の部屋から出したのであった。


「はふっ、ミカちーおはよ~~、遅いよ~~!!」


「ふ、遅いぞミカ、遅刻するならそうと昨日のうちに言っといてくれ。

 そもそも遅刻するの私の役目だろ、そうすればもっとぐっすり寝てからこられたものの」


そうして、急いで待ち合わせ場所に向かうとすでに彼女の友人が2人ほどすでにそこで待っていてくれた。


「はふふっ、ごめんね?

 えっとその、昨日は少し映画を見てたら遅くなって……」


「お~~!!ミカもとうとうそういうのに興味を持つようになったんだ~~!

 で、なになに?どういうタイプの映画を見てたの?

 旧地球系?それとも帝国系?」


「帝国系はないだろ、あれは見た目は派手だけどあんまりにもわけがわからなすぎるだろ。

 アクション映画としてはありだけどな」


そのようなたわいもない会話をしながら、登校し、あっという間に校舎に到着。

素早く靴を脱ぎ、自分の入るべき教室と学習装置を確認した。

ポッドにも似た学習装置へと手をかざし、装置に備え付けられたディスプレイには本日学ぶべきカリキュラムと学習時間が映し出された。


「今日のミドルクラスはほとんど旧地球学ばっかりだな。

 ……これならさぼっても問題ないだろ」


「はふっ!!そうやってま~た訳の分からない物を作るつもりでしょ!

 そもそも、先日それで大けがしたばかりでしょ!

 作るんなら、耕作具や家具みたいなのだけ!これ以上危ないものを作るのは禁止って言ったでしょ!!」


「ちがうぞ、ペコ。

 対空化学特攻兵器パンジャンドラムはいざというときに外敵が攻めてきたときに必要になる兵器だ。

 無論、先日は少し暴走してちょっと腕の1本や2本持ってかれたけど、あれは誤差みたいなもの。

 次こそは最強の兵器を作って見せる」


しかし、どうやら今日の授業は相当つまらない授業カリキュラムぞろいであったからだろう。

彼女の友人の中でも不真面目でいたずら好きなレンと呼ばれる少女の方はさっそく授業をすっぽかすために教室から脱出。

それ以外にもちらほら学習装置の授業内容を確認してからそそくさと教室から脱走する生徒が無数にみられた。


「あ!こら!そういいながら逃げるな!!

 み、ミカちーも手伝って!今日こそちゃんと一緒に授業を受けさせるよ」


「はふっ~~?!」


かくして、比較的に真面目で常識人な方である友人のペコと協力し、なんとかレンを捕獲し、ともに学習装置に入り授業を受ける。

そう、これがミカのごく普通の日常の一幕であった。

無論、毎日が学校というわけではなく、日によっては休日や仕事が入ることもあるが概ね彼女の日常はこのようなものであった。

そして、彼女はこんな生活が、仲の良い友達と一緒にこのなんてことないが掛け替えのない日常を過ごしていく。

そんな日常がいつまでも続くと思っていた……。

そう思っていたのだ。




「……と、いうわけでご主人(マスター)様及びハル様のご指名につき、ミカさんが栄えある我々和牛人間代表兼クドリャフカに選ばれました~拍手~~」


「はふっっっ!?!?」


そんな、どこにでもいるごく普通の女学生の日常はこの日を境に壊されたのであった。

場所はこの新地球で最も和牛人間が集まっている学び場【新地球総合学園】。

そこにある生徒会室に呼び出された日のことであった。


「は、はっふ、その、な、なんで私なんですか!

 わ、私なんて他のみんなと比べてもどんくさいし、おバカだし、その選ばれるならもっとふさわしい人の方が……」


「謙遜するのは結構ですけど、貴方ほどの人がそれを言うのはもはや嫌味ですよ?

 それともなんですか? 貴方以下のESP能力の者など私たち和人の中に嫌というほどいますが、

 そのみんなを間接的にバカにしているんですか?」


「は、はうぅぅぅ……」


現在ミカと話している彼女こそが、和牛人間一号兼生徒会長、通称委員長である。

なお、生徒会長と言っても、今現在の和牛人間たちは基本的にハルやマスターの命令が最上であることを抜かせば、基本は無政府の無国家状態である。

そんな和牛人間をまとめているのが【生徒会】であり、それを考慮すればこの【生徒会長】の肩書を持つ彼女の影響力がいかに大きいかは言わずもがな、というものである。


「あ、あの!そ、それでも、今回宇宙に連れて行ってもらえる娘が和人の代表になるんでしょ?

 なら私じゃなくて、もっと立派な人、例えば委員長とか、ヒカワさんとか、そのあたりがいいと思うんだけど……」


無論、ミカとしては自分ごときが生徒会長である彼女に反論するのはいろいろと恐れ多いとわかっている。しかし、ミカ自身は自分の都合及び内心の不安で自分が栄えある宇宙飛行士兼惑星外交担当第一号になるには荷が重いと辞退するつもりであった。

……が、どうやらそうはいかないようだ。


「そんなことは重々私だって思ってますよ!

 今回の我々和人、いえ和牛人間の帝国民登録及び身体検査はいわば、この新地球及びわれわれ和牛人間の初全銀河向けのPR!

 いわゆるファーストコンタクトゆえに決して失敗できませんし、ここで失敗したら、我々和人の名誉や未来が潰えるだけではなく、ご主人(マスター)様の名誉までも傷付けてしまいます!!

 そう、今回の出港はたった一度のチャンスになりえ、唯一ご主人(マスター)様にまともにできる恩返しとなりえる機会!!

 しかし、それでも、そ・れ・で・も!!私にはご主人(マスター)様から仰せつかったみんなをまとめるという仕事があります。

 そして、私以外のヒカワさんや2号などのこの新地球有数の超能力者や人格者はすでに何らかの役職に就き、するべき仕事というのがあります。

 それゆえに万が一ご主人(マスター)様の帰りが遅くなった場合、最悪和牛人間が絶滅してしまう危険性があるためにつれてはいけない……と断られてしまいました。

 くぅぅぅぅぅ!!!!そう!本来ならば!!私こそがご主人(マスター)様の創造物として一番ふさわしいのに!!

 せっかく今まで頑張っていたのに、それがむしろこんな時に枷になるとは!!!!きぃぃぃぃぃい!!!!」


委員長は自分が今回の旅に付いていけないのが本当に悔しいのだろう。

念力が漏れ、黒い長髪がまるで呪いの人形のように宙を舞い、さらに日ごろは隠していた角が文字通りにょきにょきと伸びている事から、彼女の嫉妬が般若の如くなっているのが一目瞭然であった。


「はわ、はわわわわ!か、イインチョさん!

 落ち着いてはわわわわ!」


そのミカの言葉と精神波(テレパシー)による鎮静により、委員長の気持ちがどんどんと冷えていき、荒ぶる長髪と念力はその勢いを緩め、彼女の頭からもりもり伸びていた角はするすると体内へと戻っていく。

そうして頭部から角が見えなくなるころには、無事に頼りがいのある落ち着いた生徒会長としての仮面を取り戻していた。


「ふぅ、ふぅ……大丈夫です、私はCOOLです。すっごく落ち着きました。

 ま、そんな冗談はさておいて、人格面もさておきまして、能力面ではあなたほど今回の任務にふさわしい人はいませんからね。

 我々の中でことさらに強力な精神波(テレパシー)や強い念力に機械との適合率。

 運動能力も悪くありませんし、性格や人格も大きな問題や欠陥なしで危険思想や野望も見られません。

 無論、【最初の10人(オリジナル・テン)】ゆえに使われている機臓とナノマシンは我々の中でもっとも高性能。

 そんなあなたが今までフリーでも許されたのは、こういう時のためです。

 そういうわけで、あきらめてあなたのなすべきことをしなさい」


「はふっ!? なにそれ!その【最初の10人(オリジナル・テン)】って!」


聞いたことのない謎の称号と勝手に自分がその集団に含まれていたことにミカは驚いたが、委員長は少し得意げな顔でこう返した。


「ふふふ! いえ、別にただ少し私たちの中で初めの方に生まれた10人は、そのナノマシンと機臓の高性能さ、及び高いESP能力ゆえに貴方を除いて皆が一種のリーダー格となっているのはご存知ですよね?

 それゆえに、私をいれてその10人をあわせてふさわしい呼び方を募集した結果、【最初の10人(オリジナル・テン)】という名称に決定されたのです!

 どうでしょう? ご主人(マスター)様みたいになかなかかっこいいでしょう!」


「はふぅ……」


ふふふと笑いながら楽しそうに話す委員長とは逆に、ミカの顔は暗かった。

無論、自分が勝手に中二病的な肩書をつけられていたからではない。

それは、自分が周りから特別な人だと思われ、またそれゆえに自分が今回の和人代表として選ばれた事がわかったからだ。


ミカとて自分が和人代表として宇宙へ連れていかれるのは一種の名誉であると理解しているし、今回の任務の重要性と自分がある程度は適任者であることも理解している。

新地球外に行ってみたいという好奇心や、マスターと仲間のために役に立ちたいという気持ちもある。

しかし、それでも彼女は責任の重さや不安、何よりもこの日常に帰れなくなるかもという恐怖ゆえに自分がこの新地球の宇宙飛行士第一号になるのはふさわしくないのでは、というのが彼女の偽らざる本音であった。

さらに言えば、こんなことを考えること自体が自分の弱さをはっきりと表している、できるなら他の人に代わってほしい……そうミカが口にしようとした。


「……まったく、今回の任務は老若男女関わらずたくさんの志願者がいたというのに、肝心の唯一行くべき権利と義務を持つあなたが一番乗り気ではないとは……相変わらずくっそ面倒くさい方ですね」


が、そんなミカの心情に気が付いたのだろう、委員長は改めてミカの方へと顔を向けてこういったのであった。


「では、そんなやる気のないあなたに一つだけ、助言を授けましょう。




 ――――もし、あなたが和人代表として件の帝国支配領域の星へと行かなければ、あなたの親友二人は間もなく死ぬことになるでしょう。

 貴方はその運命を大人しく受け入れることができますか?」


そして、その言葉はミカにとって余りに衝撃的な一言であったすぎた。






『ようこそ、我が艦へ。

 個体番号・0003。私とマスターはあなたの任務の合意に感謝します』


衝撃的な宣告から数日後、結局ミカは今回の任務-つまりは和牛人間代表として帝国での審査を受けることーを承諾したのであった。

無論、彼女がここまで決意するには、かなりの時間を有した。

親友と相談したりもしたし、泣き言を言ったりもした。

自分の親友が本気でミカのことを本気で心配してくれた、やめたいならばやめてもいいと言ってくれた。

……そう、だからこそ、ミカは任務を受ける決心がついたのであった。

自分の心がこの親友なしで生きていけるほど強くないとわかったからこそ、親友や委員長のセリフに嘘や偽りがなかったからこそ、ミカは絶対にこの任務を命を賭してでも成功させる必要がある、そうわかったからだ。


〔いいですか?優秀なあなたなら、すでにご存じでしょうが、私たちに移植されている【機臓】とは文字通り、【機械でできた臓器】であり、本来の人間、あるいは和人には生まれ持って備え付けられていない補助の人工臓器。

 その機能は身体能力の単純な強化、免疫力向上、念力補助、個人認証、汎用機械同調……etc,etc,それこそほぼ無限無制限と言っていいですが、その最たる特徴としては【生体ナノマシンの制御】にあります〕


委員長の話してくれたセリフが脳裏に浮かんできた


〔この【機臓】はまるで骨が血球を作り出すかのように、体液からナノマシンを作り出しそれを血液に乗せて循環させ、こわれそうになればまるで肝臓の様にこれを破壊させる。

 いわば人間一人一人に専用の【ナノマシン工場】が備え付けられているようなもの、旧地球人では到底到達できない銀河帝国の超科学……というやつなのでしょう〕


〔で、既にご存知かもしれませんが、私やあなたを含めた【最初の10人(オリジナル・テン)】は私たち和牛人間の中でもことさらに優遇された存在であり、それゆえに私たちに移植された【機臓】もそれにふさわしいスペシャルなものです。

 ハル様曰く【マスターの機臓の予備】であり、いわばほかの宇宙人用ではない、ちゃんとした人間用にチューニングされたものだそうです。

 それゆえにその機臓は角や身長以外が人間のそれとほとんど変わらない私達でもほぼ問題なく使用することができる、まさにほぼ和人専用の機臓と言っても差し支えない物だそうです〕


今まで入ったことのない宇宙船の艦内奥へと案内されながら、ミカはふと自分の脇腹の下辺りを触る。

すると、そこには腸とも肝臓とも違うなにかに触れることができ、おそらくこれこそが、【機臓】とよばれる自分に移植された人工の臓器であり、今の自分の命をつないでいるものなのだろう。


〔……しかし、残念ながら、ご主人(マスター)様の持つ予備の機臓の数はそこまで。

 それゆえに、私達【最初の10人(オリジナル・テン)】以外の和人は良くて帝国汎用の機臓。

 残りのほとんどは現地生産した家畜用の機臓だそうです。

 ……あ、当然マスターを責めるのはお門違いですよ?

 そもそも私たちは生まれた時点で、すぐ死んでもおかしくなかったのを無理やりマスターのご好意で生かされているのです〕


〔そうなのです、もしも、あなたが今いる親友たちと同じ時間を生きたいのなら、彼女たちのために全力でご主人(マスター)様へとそのことを訴えかければいいでしょう。

 別に、方法はそこまで制限しませんよ。

 最悪の場合は色仕掛けもいいでしょうし、土下座するのだって許します〕


そう、それゆえに彼女は覚悟した。

自分がこの新地球の、和牛人間の代表となることを。

おそらくは今回の旅に無数の困難がやってくるだろうが、それもすべて乗り越えて、マスターやハル様の必ずや親友や家族みんなを救って見せる。


〔……しかし、これだけをお忘れのないように。

 あなたの一挙一足すべての動作が我々和牛人間の代表であるとともに、そんな私たちを作り出したご主人(マスター)様はそんな私たちのことの矮小な考えなどすべてお見通しだということです。

 ですので、あなたはそんな神にも似たご主人(マスター)様をきちんと心の底から崇拝し、善として接していく。

 そうすれば自然と道は開かれるでしょう〕


ようやく到着した、艦長室。

そこにいる逞しくも恐れ多い、自分たちの飼い主兼創造主である【マスター】がいた。

生まれてずっと見ているようで、初めて見るかのような姿。


「個体識別番号0003号!

 ただいま到着しました!この度は初宇宙ですので至らぬところもあると思いますが、どうぞよろしくお願いします!」


そうして、ミカは緊張と畏怖と敬愛が混ざった言葉にしにくい感情でこう宣言した。

そう、これが彼女の後に〔新星〕と呼ばれるまでに成長する一人の星屑の始まりであったのであった。






なお、今回の初宇宙旅行で起きたこと


「名前は3号のままじゃあれだからな。

 とりあえず、名前候補としてサーロインとリブロースがあるけど、どっちがいい?」


「はふっ!?」


いろいろとひどすぎるマスターのネーミングセンス。


「本日の晩御飯は【栄養キューブ・生芋虫風仕立て】となっております。

 私の膨大な蓄積データと高度な演算能力により、導き出された完璧な食欲増進食材を用意しました。

 なんとこの食料は完璧な栄養バランスである栄養キューブに無害なナノマシンによる着色と発音及び動作機能を付けたことで、五感では殆ど違和感のない【芋虫】と言う銀河帝国で最もポピュラーな動物性タンパク質の似た造形の再現が出来ておりますなっております。

 無論これだけ加工したが故、この栄養キューブは普通の食材よりも割高となっておりますが、本日はミカさんの為の特別メニューです。

是非味わって残さずお召し上がり下さい」


「はふふっ!?!?」


さらっと判明する劣悪を超えて酷い宇宙食事情と高性能なはずのAIハルによって作られた悪魔の加工食品の数々。


『航路に超級エイリアン・コロニーを無数発見。

 この速度と進路では20分後にエイリアンの群れと接触することとなります。

 当艦の被害を考え、迂回する事をお勧めします』


「いや、迂回したら余計時間がかかるだろう、ここは直進で。

エイリアンに襲撃されたらその時はその時で、俺が迎撃するから問題ない」


「はふはふわ、はわわはふふふはわわわ!!!

 が、学校より大きいエイリアンがはわわわわわ!!!!!

 こんな巨大で気持ち悪い精神波がはわわわあわわうわわわげろぉ!!!!!!!!」


宇宙船の外に見える全長数百メートルをも超える無数の化け物の群れとそこに突っ込んでの航行という名の自殺未遂。

無論、機械では観測はできないが、強いテレパシー能力を持つミカでは、その精神感覚テレパシー網にエイリアンの精神も引っかかってしまい、今まで感じたことのない危険生物の精神波をもろに浴び、気持ち悪いを超えて嘔気まで起こしてしまうのは仕方ないことであった。


「はふわ〜〜!!はっふわ〜〜!!!!

もうヤダーー!!やだぁぁぁ!!帰る〜〜!!

お家に、学校に帰る〜〜!!」


無論ミカが宇宙航行数日で心を折られて、到着するまでに、いや、到着してからも無数に無様をさらしてしまったのはいうまでもないことなのでした。






なお、任務終了後。


『大丈夫か3号……いや、ミカか。

悪いな、宇宙初心者のお前に、こんなつらいとわかってるのに一緒に連れてってしまって』


『……おい、ミカ、流石にそんな飯じゃまともに喉に通らないだろ。

 代わりに俺の飯を食え。

 これならまだ食えるはずだから』


『ん?エイリアンの精神攻撃をまともに食らっちまったのか?

 ……仕方ない、落ち着くまでずっと手を握っといてやるから、そこまで震えるな。

 今日はもうゆっくり休め、寝た後だって、ずっと側で守ってやるからな』




「……というわけで、今回の宇宙遠征はめちゃくちゃ大変だったよ。

 だけど、マスターであるお父さんのおかげで、何とかなったよ。

 つまりマスターは私のお父さんである以上に本当の私のお父さんで、これはもうマスターが私のお父さんになるのは運命だった……?」


「はふわわわわ!ミカちーがマスターと禁断の恋はふわわわわわわわわ!」


「いろいろ落ち着けミカ、それはどう聞いてもダメな方の惚れ方だ。

 少なくともそばから聞いてると飴と鞭を超えて、やくざに惚れるちょろ女的な何かだぞ」


「はふきぃぃぃぃぃぃ!!!

 3号なら、一番マスターへの好感度が低そうだから大丈夫だと思ったのにはふきぃぃぃぃぃぃ!!!!

 やっぱり無理してでも私が立候補するんだったァァぁあああ!!!」


かくしてミカはマスターの義理娘になってしまっただけにとどまらず、あくまでハプニングの半分以上がマスターが原因で巻き込まれたにも関わらず、その際のフォローをマスターにしてもらったことにより、吊り橋効果的な何かが発生。

コズミックストックホルム症候群で、しばらくミカは本気でマスターにお熱になりかけると言うハプニングが発生しかかったがそれはまた別の話であったとさ。

感想&誤字報告ありがとうございます!


感想は非常に参考になっており、モチベーションになっております

今回も実験的な試みゆえに、これが楽しいやいらないなどのいっていただけると幸いです


感想をいただけると嬉しいです、涙を流して喜びます

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