15話
短めです。
申し訳ない(´・ω・`)
えー、今、私はこれから三年間通うことになるエリシオン学園の寮に来た……のだけど……。なんというか、想像していたのとは大分違った。……正確には、特待生になったからこうなったのだけど……。
校門にいた警備の人に、女子寮を教えてもらって向かったのは良かったのだけど。その間、先輩になる人たちを含む在校生に話し掛けられたり、時に囲まれたり、と大変だった。
なんとか寮にたどり着いたら着いたで、また囲まれて……。……その後、寮長をしているという先輩に助けてもらって、私の部屋に案内して貰える事になった。
「ごめんなさいね。皆、貴方の事が気になるみたい。貴方、可愛いしね」
「そ、そんな事無いですよ。皆さんの方が綺麗だと……思います」
「……あら、お世辞でも嬉しいわね。私は、アイリス・クランツベルクと言うの。気軽にアリス先輩って呼んで頂戴。貴方と同じ魔術科の3年生だからね」
「あ、えっと、セレネ・ティアットです。宜しくお願いします、アリス先輩」
「うん、宜しくね!セレネちゃん!」
アイ……アリス先輩は、金糸のような長く細い髪を持ち、澄んだ明るめの紫の瞳をした人だった。とっても美人だし、背も私と変わらないくらい。さぞかし人気者なのだろう。
「えー、セレネちゃんは特待生って聞いてるから、この部屋ね。ルームメイトとかも居ないから自由に使ってくれて構わないわ。でも、部屋を散らかしたり壊したりしないでね」
「こ、ここを私一人で使って良いんですか!?」
「ええ。だって、特待生なのでしょう?」
特待生って一体……。
私の案内された部屋は、とても広かった。よく見ると、キッチンと御風呂場まであった。パンフレットには、御風呂は共用のものがあるってあったのに……。
「……セレネちゃんは、平民の人……よね?だったら、驚くのも無理ないかな。そもそも、平民が特待生になるなんて2年ぶりだった気がするし……」
「き、貴族の方々用のものだったのですね。納得しました。……うう、お婆ちゃんどうしよう………」
「………お婆ちゃん?」
私には豪華すぎて落ち着かない。ジェームズおじさんに借りていた部屋ですら、私には十分すぎるものだったのに、それすら越えるこの部屋に慣れるのにどれだけかかるだろうか………。
「まあ、そのうち慣れるわよ。………それより、明日は始業式よ。その後すぐに、それぞれのクラスに色々あるだろうから準備位はしておいた方がいいわよ。私の時は………いきなり模擬戦やらされたし」
「えっ……、まさか、そんな。……本当なんですね」
アリス先輩、とんでもなく嫌な表情をしていた。………そんなにきついのかな。私から見ても、アリス先輩の魔力量は決して少なくない。相当魔術や魔法を遣えてもおかしくないレベルではある。うーん、ステラさんの倍くらいはあるんじゃないかな。
「勿論よ、思い出したくもないわ。いきなり、主席合格者と闘わされたんだから!それはもう、こてんぱんにやられたわ………」
「そ、そこまで……」
「……でも、セレネちゃんも特待生だし、噂によると私より魔術が使えるらしいしねぇ~。大丈夫じゃないかしら?」
うっ……!アリス先輩から、嫌味のような視線を向けられてしまった。先輩がどれだけ出来るのか知らなけれど、恐らく、私の方が出来るであろう事は事実だと思う。自惚れ……だろうか。
「……さて、期待の後輩弄りはここまでにしてっと。これから1年間は宜しくね、セレネちゃん」
「はい、宜しくお願いします。あと、そういうのはやめて貰えると嬉しいです……」
そう言うと、先輩は笑いながら去っていった。
静かになって、隣から聞き覚えのあるような気がする声が聞こえてきたけど、他の特待生の人がもう居るのかな?……ステラさんかレイラさんだと嬉しいなぁ。あ、それよりも明日の準備……って何をすれば良いんだろう。
お婆ちゃん、私の学園生活は前途多難な模様です……。
じ、時間がないんです!
なかなか話が進みませんが、お付き合いください。……自分でも少しイラッとしてはいますが( ̄▽ ̄;)