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草の匂い
土の匂い
そして太陽の匂い……
久々に感じる匂い
自分の部屋の甘ったるいバニラ以外の
香り……
人と誰も擦れ違わない道を歩く
車道を通る車……
1歩踏み出せば楽になれるだろうか
気が付けば右足を車道へ出していた
100メートル位先に車が見えた……
あぁ死ねる……そう思った
「何してんだよっ!!」
『っ……ちょっ…』
ものすごい力で歩道へと戻された
「お前なにやってんだよ引かれるぞっ」
『別に助けて貰わなくてよかった……』
「お前助けて貰っておいて…あーいーやっ名前は?」
『……坂木 亜弥です』
「俺は竹元 勇羽よろしくな」
久しぶりに笑顔を向けられた気がする
けれど今の私には
その笑顔が不快にさせる原因だったり……
『あの…今って平日の朝ですよね?』
「ん、そうだけど?」
『あの学生ですよね』
「まぁそうだなでも俺遅刻人だから」
『だからって……』
「それは亜弥もだろ?…お前こそいいのかよ」
『私は学校には行ってないから……』
「ふーーん……じゃあ今日は俺も休む」
『えっ!?…ダメですよっ』
「てか敬語いいから亜弥って何歳?」
『……13…』
「えっ!!じゃあタメじゃん!!」
『だね……タメだね』
「白井北?」
『そうだけど……』
「そっかなら今日このまま遊ぼうや」
『えっ金持ってないし……』
「じゃあ着いててってやるから遊びいくぞっ!!」
……この日良くわからない同級生と近くの街まで遊びに行くことになった