皇国入国
帰ってきたら更新します
ホテルのベットの上で俺は起き上がる。
まだ眠い目をこすり、テレビをつけニュースを見る。
「……俺の顔がテレビに出てる…だ…と…」
銀色の髪をし、強化外骨格を身に着けた俺の写真が映っていたのだ、いったいどこでばれたし。
ニュースの内容はこんな若い少年が、戦場で戦わされているというものだった。
「戦わされているじゃなくて、戦っているんだ」
本当にこの国でやっていけるのか不安になってくる。
正直、平和ボケしすぎなんだよなぁ。
自分の考えを他者に押し付ける。
たしかに、一般的に行ったら俺のような奴が戦場に飛び出していくのを阻止するっていうのは正義に見えるだろう、だけど俺にとってそれは害悪でしかないのだ。
そんな悠長なことを言っている間にも人が死んでいく。
いくら若くても、それを阻止するだけの力があるのなら、それは別に戦場に出てもおかしくはないと思うのだ。
「少し変装するかねぇ」
ヘアカラースプレーで髪の毛を黒く色を付け、黒いズボンに革靴、襟と袖口が黒い白のドレスシャツを羽織るとドッグタグを首から下げる。
軽くメガネをかけ、センサー類を起動すると、潜伏任務中の好青年が完成する(キリッ
「うおぅ、なんか変装しとる」
「どうやら、俺の顔写真がメディアに露出してたからな…とりあえず、諜報部に訴状は作らしとくが…ネットが発達した今じゃ時すでに遅し…まぁ、金は搾り取れるかもしれないけどな」
ケッケっ気と笑うと、相棒が微妙な顔をする。
「やっほー起きてるー」
何故か…
何故かドアを開けて入ってきたオペ子をにらみつける。
「電子錠ハックしてないわよ?鍵持ってるしね?」
「…つうか勢いで昨日このホテルに転がり込んだけど、この町に住むのか?」
オペ子なら何か知っているだろうと思うのだが…
「えぇ、そうよ?」
ふむ…ならばこれから住む街だ…少し見て回ってもいいかもしれねぇなぁ。
「相棒、街を見て回るぞ」
俺らが外に出ると、オペ子もなぜかついた来た。
物騒なのが二人、俺の後ろをついて歩いてくる。
「一番物騒なん、大将だからね?」
声に出ていたというのか?それとも、心の声が読めるのか…こいつ異能者じゃね?
だらだらと歩く、平日の昼下がりの街には人の気配はあまりなかった。
「平和だねぇ」
「国名と指導者が変わっただけで、この国は昔からこんな感じらしいけどなぁ。知ってたか?第三次世界大戦も巻き込まれて核ぶち込まれているにもかかわらず軍備をするのはどうとか言ってたんだぜ?」
この国の外なんか、少し歩けばテロや強盗に出くわす世紀末だというのになぁ…
「へぇ以外、ヒーローって勉強してないイメージがあったのに」
オペ子一言多いですよ?
「俺は行く国に合わせて、軽く風習や歴史を調べているからな。ほら以前軍事演習に来た時にさ」
「皇国にいないはずなのに、最新のニーズとか頭に入ってたもんなぁ~。つうかなんで軍人の間で流行ってるものまで知ってたのかまで謎なんだが…」
俺は軽く口笛を吹く。
「それに昔頭ン中いじられたときに、知識を埋め込まれたからな。大学ぐらいまでの知識なら普通にあるぞ?」
「え?何それ怖い」
はははと笑いながら俺は歩く。
ただ目的もなく。
しばらく歩いていると、閑散とした商店街に行きつく。
「おや、初めて見る顔だねぇ」
魚屋のおばちゃんが俺たちに声をかけてきた。
「はじめまして、3人でこの町に引っ越してきました。今は家の手配が行き違いがあるらしく、一週間ぐらいホテル暮らしなんですけどね?」
愛想よく笑いながら魚を見る。
「綺麗な魚ですね」
「わかるのかい?いやーウチの三男坊が漁師やってってね。毎朝新鮮な魚を仕入れてきてくれるんだ。足りない分が毎朝、父ちゃんがきれいなのを仕入れてくるんだよ」
へぇそういえば新鮮な魚は生で食べれるという…
軍事演習ではそんなの出なかったからなぁ。
「調理場がないから…どうすっかなぁ」
「え?なに?魚が好きだったの?」
オペ子の言葉にため息をつく。
「海外、しかも内陸部転々としてて時折砂漠だったからねぇ…魚あまり食えねえだろ?しかもこれほどきれいと、生色でもいけそうだしな」
「そうなのかい?じゃぁこの魚を持ってすぐそこの定食屋に行くといいよ」
ぼやきを聞いていたのだろう、おばちゃんが魚を包んでくれる。
「いいんですか?」
「引っ越してきたんだ、引っ越し祝いってことさね」
「ありがとうございます」
人の好意はもらっておくことにする。
「行こうぜ」
俺はわくわくしながら、紹介された定食屋にいく。
「おやその魚…持ち込みかい?何かリクエストあったら裁くよ。」
「刺身…とか行けます?皇国以外で刺身は食えないんで」
つか食う暇なかったわけだが。
「あいよ…いい魚だねぇ…引っ越しの選別ってところかい?」
「えぇ先ほど向かいの魚屋でもらっちゃいました」
俺は苦笑いをする。
「ヒーローはこういうことばっかり積極的に動くわね」
「まぁ大将は食に関してはアクティブに動くからな、こいつすごいぞ?自分がおいしいと感じる保存食の作り方完璧に覚えてるかな」
伊賀の里の堅焼きせんべいおいしいです。
「スパイスの調合余裕です。ほら、人間って食う寝るは必要なことじゃん?必要なことなら楽しむのが一番だろ?」
「以外ね、面倒くさがると思っていたのだけど?」
実際料理とかは面倒くさいぜ?
「正直レーションまずい」
「だよな?なんであんなまずくできるのか不思議だけど」
いや、うまいもん食えるようになったからまずく感じるんだろうけど、アレは究極にまずい。
ってか、うちのPMCで常備している分はなのだが。
「お待たせ」
目の前に置かれた刺身と呼ばれるものを見る。
「ふむ、やっぱり生魚だから、生臭さは少しはあるのか…」
冷静に俺は一切れに軽くしょうゆと山葵をつけ、口の中に放り込む。
山葵のツーンとしたからさが、舌を刺激し脂ののった魚が旨味を口の中でしみだしてくる。
「ふむふむ、ところでこっちでの学校入学はいつなんだ?オペ子」
「数か月先よ。実際アンタたちも3年間働きづめだったし、そろそろ休んでもいいころだしね?」
あぁなるほど、建前として護衛任務もあるから休めるときに休んどけってか…
「アンタ等も、今テレビに出てる銀髪の子みたいに働いているのかい?」
俺は軽く箸をおき、苦笑いを浮かべる。
それ…俺なんすけど…
「えぇまぁ、貴女も子供が仕事をしているっていうのは反対ですか?」
「まさか、子供は勉強しているのが一番なんて思っていないよ。第一、テレビの子が本当に勉強したいと思っているのかが謎だからね。危ないことをしているなら、少し心配には思うけどね?彼みたいに」
あぁこの人は、やりたいことをやらせればいい派か…
「いやー貴重な意見ですありがとうございます。俺もあのテレビのおかげで学生やらないといけなくなりましたし…」
「へぇ、一体何をやってたんだい?」
俺は少し詰まるも、折角変装しているんだしと軽く考える。
「軍事産業での守るための武器の開発に携わっていました。そこの女の子はオペレーターを……そいつは俺の助手をやってたんですよ」
そう言うと、おばちゃんは目を丸くする。
「へぇ、じゃああの銀髪の子も?」
「知ってますね。あいつは実働部隊で優秀な傭兵です」
それからおばちゃんとしばらく話、外に出た時には時間が思いっきり立っていた。
「でもまぁ…こういうのんびりした時間も悪くはない」
ちょっとしたつぶやきは、人ごみの中に消えて行った。
えっと、海外にアルバイトに行くのでしばらく更新はなしです。