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電脳サバイブ  作者: りとます氏。
フリーターと真夏日
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フリーターと真夏日(日常編)

今日はよく晴れていて、やけに暑い。夏が終わり、ここ最近はだんだんと涼しくなってすごしやすかった。しかし、今日は異常なまでの暑い。大嫌いな夏がまたやってきたような、容赦なく町に攻撃を浴びせる太陽が憎たらしく思えるような、そんな一日だ。


僕の住んでいる町はつい最近まではけっこうな田舎だったのだが、都市開発によって高層ビルや、大型デパートやショッピングモールなどができていた。それに伴い、年々人口は増加傾向にあった。また、それに伴い夏の気温も年々上昇しているらしい。僕は、人ごみとか、暑さとかが苦手なタチだったので、この都市開発には迷惑だと感じるだけで、それ以外の感情は全く芽生えなかった。いや、もうひとつ…やめておこう。あのときのことはなるべく思い出したくない。


それにしても今日は本当に暑いな……。何もやる気が起きないな……


僕は自宅で扇風機の前にパンツ1枚で座ってボーっとしながらそんなことを考えていた。ダラダラとのびた髪が扇風機の風で後ろに流れていた。

テレビでは世紀の大発明がどうのこうのというニュースをやっていたがとにかく暑くてそれどころではない。先ほどやっていた天気予報で今日の最高気温は32℃と聞いて、全てのやる気がそがれてしまったのだ。


僕は榊孝輔。17歳、現在迷惑な開発が進められているこの町で、ワケあって独り暮らしをしている。職業無職、バイトをしてなんとか食っていっている…

といった感じの生活をしている。お金の関係で現在は高校にも通っていない。バイトが休みの日は家にこもってパソコンをいじっている。ではバイトがある日は町に繰り出してセールスマンのようにあちこちを歩き回るのかというとそんなことはない。バイトというのは知り合いが細々と経営しているゲーム制作会社のプログラムのデバッグだ。もともと通っていた学校ではプログラミングなんかを専門に勉強していたのである程度は知識があるのだ。そんなこんなで日々パソコンとにらめっこしている生活だ。


そんな僕にはささやかな夢があった。いつかはちゃんとした仕事について、お金を貯めて、高校、大学で勉強する。それで、結婚して子供つくって家族で幸せにくらすこと。これができれば僕は人生それで満足だ。


そんなささやかな夢を実現するために、僕は立ちあがった。真夏のような残暑の中を会社まで歩くと考えるとそれだけで眩暈がするような気がするが、バイトを休むわけにはいかない。いつものようにTシャツを着て、ジーパンをはいてバイトへと向かうのだった。

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