出会い1
ピピピピ ピピピピ
「…」
ピーピーピー!!!
「うるっさいな!」アラームを叩き潰す。壊れてはないだろうか。あー、もう朝か。昨夜は酔いつぶれてしまったな。昨日の夜のことを思い出す。苦しんで歪んだ美しい顔だった。パーマのかかった髪にワックスをつけて身だしなみを整える。これなら新しい女の子に出会えるだろうか。次の子は僕のことを愛してくれるだろうか。そうだ、僕はただ愛されたいだけなんだ。
「浅井先輩!おはようございます!」会社の目の前に着くと後輩が声をかけてきた。最近どうにもよく会うな。
「おはよう。」もしまた失敗しても若い子の肉は美味しいから僕としては問題ないのだが自分はすっかり30手前のおっさんになりかけている。新卒ちゃんに似合うような男では無い。
「先輩は今朝は何を食べてきたんですかー?」
「今朝は食べてないな。昨夜が豪華な肉料理だったもので。」
「えー!羨ましいですー!」
「花崎さんはまたパンケーキですか?」
「おお!よく分かりましたね!」
「そりゃあお口にメープルがついてますからね。簡単ですよ。」
「え!」大慌てでバックから手鏡を取り出して口元を確認する。
「うわわわ、恥ずかしいです」彼女は顔お真っ赤にしてウエットティッシュで綺麗に拭いていた。彼女はファンデーションはつけていないと前に同僚の女性に話していたのを聞いたことがある。なんでも浮いてしまうからそのままの方が整って見えるそうだ。
「先輩、ありがとうございます。あと、その、このことはどうか忘れてください、!」
「大丈夫、メープルシロップにべったりな花崎さんなんて知らないよ。」
「あ、これ一生ネタにされちゃう。」いじりがいのある可愛い後輩だ。せっかくならこのまま僕の隣に来てはもらえないだろうか。可能性は割とあると思うんだよな。




