第六話
静かな館の中での一室。
その広い部屋の中に、天井付きでレースカーテンがついている大きなベッドの上に1人の少年が寝転んでいた。その少年の髪は淡い水色で瞳は青。腕にはウサギの人形を抱きかかえていて、服装は明らかに貴族。首には紋章が描かれたネックレスを着けていた。
その少年が部屋でくつろいでいると、扉をノックする音がした。
その少年はノックの音を聞くと、ベッドから起き上がり扉から少し距離をとった。
その少年は距離を取り、掛けてあったローブを羽織り、顔を見えなくすると扉を開けた。
「こんにちは。水の少年さん。会議の事って覚えてますか?」
扉を開けるとその少年の目の前には仮面を被った謎の人物が立っていた。その人物の問いに対し、その少年は一言も発さない。沈黙の時間が経ち、しらばくしてやっとその少年は口を開いた。
「こんにちは。案内人さん。部屋まで何の用ですか?会議ですか?覚えてないって分かってるはずなのに何で聞いてくるんですか?そして案内人さん、今から会議なら、僕は直ぐに会議室に行くので扉の前をどいてください。」
その少年はその人物の問いに対し、更なる質問で言葉を返した。その少年が言うように、その人物は部屋の扉の前に立っていて出れなくなっている。その少年の言葉によって、その人物は扉の前から離れた。
「どきましたよ。これで良いですか?そういえば、水の少年さんは相変わらず私と目を合わせてはくれないのですね。そして顔も見せてくれませんし。何か理由でも?」
その人物は扉の前を離れると、目の前にいるフードを深く被り、顔を見えなくしているその少年に語りかけた。
「別に..。理由なんてないよ。ただ顔を見せるのが苦手なだけだから。」
その少年はその人物の姿を見ずに答えると、扉から出た。そして鍵をかけるとその人物の目の前からは去っていった。
「.....。そうですか。では、次の方を呼びに行きましょうか。」
その人物は離れていったその少年の方向を見ると、クルっと身体の向きを変え、その少年と反対方向に歩いていった。
その少年が去った後には、一輪の、淡い水色のアンチューサが。
その人物が去った後には、一輪の、深い赤みのある黒いダリアが落ちていた。




