第五話
館内に足音が響く。
コツコツコツ
音を鳴らしている人物を見れば、仮面をつけた執事のような服装をしている。
仮面を顔全面につけているので表情は見えないが、心なしか笑っているようにも見えた。
その人物が廊下を歩いていると前から一人の人物が歩いてきた。
紫の髪で、瞳はピンク。何か紋章がついたローブを羽織っている髪の長い女性だ。
「おや、こんにちは。紫の魔女さん。今はどちらへ?」
「あら。こんには。案内人さん。今はホールの方へと。何か用かしら?」
「ホールでしたら丁度いい。今あなた様を呼びに行こうと思っていたのですよ。今日は年に数回の会議の日ですから。」
「あら?今日が会議なんですの?ならなんで案内人さんが…ああ、皆さん来ていらっしゃらなかったのですね。相変わらず私たちは案内人さんのように会議の日を覚えていないのですか。わかりましたわ。会議室ですわね?今呼びに来たということはそろそろ始まる時間ですか......。感謝しますわ。黒の案内人さん。」
「ありがとうございます。ご理解が早いようで。」
「ええ。本当に。会議の日なら前もって教えてほしいものですわ。」
そう簡単な嫌味を言うと、その女性はその人物の目の前から去っていった。その姿を見ていたその人物は静かに、誰にも聞こえないように口を開いた。
「あなた様方が覚えていらっしゃるはずもないのは当然のこと。色館では永久に時間が刻まれるのに対し、その時間を記憶しておくことはできないのですから。私が覚えているのは色館内での管理人という権限を持っているためなんですよ。紫の魔女さん。」




